契約更改
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契約更改(けいやくこうかい)は、プロスポーツ選手のチームや企業などとの所属契約が一定期間経過して切れる時に、改めて所属先と契約を交わすことをいう。一般にプロ野球に関して用いられる言葉である。
[編集] 日本のプロ野球の場合
- シーズンオフの年末から年始に掛けて行われ、契約更改のニュースは推定年俸とともにスポーツニュースやスポーツ紙で取り上げられる。その扱いはシーズン中の各種ウィンタースポーツ等よりも大きく、メディアの野球偏重ぶりを指摘する時に引き合いに出される事も多い。
- 近年は人気・主力選手になると推定年俸1億円を突破することが珍しくない。活躍次第では2億・3億を超える高額年俸を提示される選手もいる。単年契約に限らず複数年契約を結ぶ場合もあり、さらに高額の年俸を提示され、複数年で10億に近い額を提示される選手もいる。これはチームの主力級の選手に多いが、この意味として、大リーグや日本の他球団への放出を避けるための措置という意味合いで提示している場合が多い。
- 提示された金額に納得がいかず、その金額を保留する選手もよく見受けられる。2回目以降の交渉になると、保留した金額より若干上積みされていることが多いと言う。また、これを巡って選手が法的措置に乗り出す例もあるなど、プロ野球選手は年俸に関してシビアな選手が多いのが現状である。近年は保留する理由として、交渉時の球団関係者の態度に問題があったとして保留した選手もいる。過去にこんな実例もあった。
- プロ野球では長らく代理人を伴って(または代理人単独で)の交渉が認められていなかったが、現在は認められている。しかし読売ジャイアンツだけはそれを認めてこなかったことから、エースの上原浩治が公に球団を批判したことがある。これによって巨人も代理人交渉を認めた。
- “更改”の字を見ずに音だけで判断すると“公開”とも聞こえ、また契約時には年俸が同時にニュースになると言う事情もあって「契約公開」と思われる事も少なくないが、誤解である。プロ野球選手の契約内容は一般に公表される事は無く、報道される数字は全て推定額である。
- 中日ドラゴンズの谷繁元信が、プロ野球選手の推定年俸は間違いだらけと語ったことがある。中には推定通りという選手もいるが、大多数は推定とは違いがあると語っている。
- 契約更改という言葉が使われるのは実質的にプロ野球のみであり、プロサッカー選手やレーサー等が同様に現所属先と再度契約した場合は「契約延長」「契約更新」等と呼ばれる事が一般的である。しかし、プロ野球選手と違って年俸を公開されてもあまり話題になることがない。