女流名人位戦
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アルゼ杯女流名人位戦(アルゼはい じょりゅうめいじんいせん)は、報知新聞社(スポーツ報知)が主催、アルゼ株式会社が協賛する、女流棋士による日本の将棋の棋戦。女流棋士の序列1位を争う、棋界女流最高峰の戦いである。
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[編集] 概説
おおむね、毎年1月から2月にかけて行われる。挑戦手合制で、五番勝負の勝者は「女流名人」となる。1974年度創設。1993年度開催の第20期より、アルゼ株式会社が特別協賛となって現在に至る。
[編集] しくみ
A級・B級のリーグ戦と、予選からなる。A級リーグ戦の最上位が女流名人と五番勝負を戦い、先に3勝したほうが女流名人となる。
なお、女流名人を獲得した者は序列が1位になる。女流名人以外のタイトルを複数保持していても同様である。また、当年度の女流名人は翌年度の棋王戦の予選に出場する事ができる。
[編集] 予選
前年度女流名人およびリーグ戦に残留している女流棋士を除くすべての女流棋士が参加する。予選通過者は5名で、通過者はB級リーグ戦に参加する。
創設当初はC級リーグ戦として行われていたが、1998年から現行のトーナメント方式に改められている。
持ち時間は2時間。
[編集] リーグ戦
A級とB級のリーグからなり、定員はそれぞれ10名である。リーグ内で総当たり戦を行う。
A級リーグの最上位者が女流名人に挑戦し、下位3名がB級に降級する。B級リーグの上位3名がA級に昇級し、下位5名がリーグから脱落する。
同率の女流棋士が複数いる場合は、A級の最上位のみプレーオフを行い、それ以外は順位上位のものが成績上位とする。
持ち時間は2時間。
[編集] 女流名人位戦五番勝負
女流名人とA級リーグの最上位者が五番勝負を戦い、勝者が新たな女流名人となる。
持ち時間は各3時間。
[編集] クイーン名人
女流名人位を通算5期獲得した女流棋士は「クイーン名人」の永世称号が与えられる。2006年8月現在、クイーン名人の資格を持つ女流棋士は清水市代、中井広恵の2名。
[編集] 歴代五番勝負
年は五番勝負が行われた時点。1月から2月にかけて行われるため、年度とは1年ずれる。
1975年から1981年までは三番勝負(先に2勝したほうが女流名人)。
- 1975年:蛸島彰子 2-0 寺下紀子
- 1976年:蛸島彰子 2-0 多田佳子
- 1977年:蛸島彰子 2-0 森安多恵子
- 1978年:山下カズ子 2-0 蛸島彰子
- 1979年:山下カズ子 2-0 関根紀代子
- 1980年:山下カズ子 2-0 関根紀代子
- 1981年:山下カズ子 2-0 蛸島彰子
- 1982年:蛸島彰子 3-1 山下カズ子
- 1983年:林葉直子 3-1 蛸島彰子
- 1984年:林葉直子 3-0 関根紀代子
- 1985年:林葉直子 3-1 長沢千和子
- 1986年:中井広恵 3-1 林葉直子
- 1987年:中井広恵 3-2 林葉直子
- 1988年:清水市代 3-0 中井広恵
- 1989年:中井広恵 3-2 清水市代
- 1990年:清水市代 3-0 中井広恵
- 1991年:林葉直子 3-1 清水市代
- 1992年:中井広恵 3-2 林葉直子
- 1993年:中井広恵 3-0 清水市代
- 1994年:中井広恵 3-2 斎田晴子
- 1995年:清水市代 3-0 中井広恵
- 1996年:清水市代 3-0 中井広恵
- 1997年:清水市代 3-2 中井広恵
- 1998年:清水市代 3-0 中井広恵
- 1999年:清水市代 3-1 碓井涼子
- 2000年:中井広恵 3-0 清水市代
- 2001年:斎田晴子 3-2 中井広恵
- 2002年:中井広恵 3-0 斎田晴子
- 2003年:中井広恵 3-2 碓井涼子
- 2004年:清水市代 3-1 中井広恵
- 2005年:清水市代 3-1 千葉涼子
- 2006年:矢内理絵子 3-0 清水市代
- 2007年:矢内理絵子 3-2 中井広恵
[編集] 外部リンク
- 女流名人位戦:将棋:レジャー:スポーツ報知 (スポーツ報知)
- 報知新聞社 女流名人位戦 http://www.hochi.co.jp/html/shougi/index.htm (過去のURL)
- 社会貢献 - 女流将棋(アルゼ杯) (アルゼ株式会社 公式サイト)
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