山伏
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山伏(やまぶし)とは、山の中をひたすら歩き、修行をする修験道の行者の事であり、「修験者」(しゅげんじゃ)とも言う。
基本的に霊山と呼ばれる大山や羽黒山(山形県)などの奥深い山中で、踏破(抖擻)や懺悔などの厳しい艱難苦行を行なって、山岳が持つ自然の霊力を身に付ける事を目的とする。
髪を伸ばし、頭に頭巾(ときん)と呼ばれる多角形の小さな帽子のような物を付け、手には錫杖(しゃくじょう)と呼ばれる金属製の杖を持つ。袈裟と、篠懸(すずかけ)と言う麻の法衣を身に纏う。
山中での互いの連絡や合図のために、ほら貝を加工した楽器や護身用に刀を持つ。
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[編集] 修験十六道具
山伏独特の修験十六道具は、それぞれ不二の世界、十界、不動明王、母胎などを象徴する。これらを身にまとい行を修めることにより、修験者はその力を身につけることができるのである。
1.頭襟 - 2.鈴懸(篠懸) - 3.結袈裟(不動袈裟) - 4.最多角念珠 - 5.法螺 - 6.斑蓋(檜笠) - 7.錫杖(菩薩錫杖) - 8.笈(箱笈) - 9.肩箱 - 10. - 11.引敷 - 12.脚半 - 13.八目の草鞋 - 14.檜扇 - 15.柴打 - 16.走縄(螺緒) - 17.簠簋扇 - (カンマン着)
上がその一覧であるが、1.から12.を山伏十二道具、1.から16.までを山伏十六道具という。
[編集] 修行体験
羽黒山では毎年9月、希望者が白装束を着て入峰し、断食、滝打ち、火渡り、床堅(座禅)、忍苦の行(南蛮いぶし)などの活動を通して山伏修行を体験できる。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 和歌森太郎著『山伏:入峰・修行・呪法』(中公新書,中央公論新社) ISBN 4121700481
- 宮家準著『修験道:その歴史と修行』(講談社学術文庫,講談社) ISBN 4-06-159483-4
[編集] 外部リンク
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