岡村孝子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

岡村孝子（おかむら　たかこ、1962年 1月29日 - ）は、シンガーソングライター。愛知県岡崎市出身。愛知県立岡崎北高等学校卒。椙山女学園大学中退。

[編集] 来歴

椙山女学園大学在学中に同級生・加藤晴子とともにデュオ「あみん」を結成。1982年、ヤマハポピュラーソングコンテスト（通称ポプコン）でグランプリを受賞した『待つわ』がヒット曲となる（あみん時代の活動については当該項目を参照）。

1983年に「あみん」を活動休止、大学を中退して花嫁修業などをするも、ソロ活動を求める声があり、1985年に上京しソロとしてデビューする。「あみん」での成功があまりにも大きかったためか、当初ソロシンガーとしての認知度は低かったが、透明感のある歌声が徐々に注目されるようになった。

大きな転機となったのは1986年。来生たかおの『はぐれそうな天使』のカバーを歌ったところホンダ・トゥデイのCM（出演は今井美樹）に起用され、一気に認知度が高まる。なお、この楽曲は現時点で詞・曲ともに自作でない唯一のナンバー。

地位を不動のものにしたのが、翌1987年に発表した『夢をあきらめないで（武蔵予備校CMソング）』。応援歌的な内容が幅広い層から支持を集め、岡村の代表作となった。この曲は音楽の教科書（「中学音楽音楽のおくりもの 2・3 上」教育出版）にも採用されている。また、2005年に公開された映画「逆境ナイン」の主題歌（原作者・監督の強いリクエストによる）として起用され、リリースから18年たった同年にデジタルリマスタリングを施して再発売された。なお、この曲は、乙葉、優木まおみ、金月真美（藤崎詩織名義。後に『はぐれそうな天使』もカバーしている）ら、さまざまな歌手によってカバーされている。

その歌声もさることながら、（岡村本人は恐らくOLの経験が無いと思われるが）OLが多い同世代の感性を表現した歌詞と曲が、若い女性を中心に支持を集め、90年代初頭には「OLの教祖」と称されたこともあった。アルバムのセールスは、現在まで総計600万枚を超える。

初期は自己の存在感に悩む「自分探し」を主題とする曲が多かったが、アルバム「SOLEIL」以降から「自分への応援歌」や「愛」を主題とした明るい曲へ、そして近年は明るさはそのままに内面性に根差した深みのある曲へと、作風が変化している。

自作が第三者にカバーされることはしばしばあるのに対し、第三者へ楽曲を書き下ろすことはほとんどない。現時点では、1984年に高部知子へ提供した「雨の街」「片想いはHAPPY気分」と、1985年に沢口靖子に提供した「そよ風の季節」の3曲のみで、いずれも岡村がソロデビューする前に書かれた作品である。なお「雨の街」「そよ風の季節」は後に岡村本人によって逆カバーされている。さらに、「雨の街」は、あみん時代に書かれており、当初はあみんの作品として発表予定であった。愛知ローカルで放送されていたラジオ番組「あなたへ　あみんからのメッセージ」でも、あみんバージョンでアカペラではあるが歌われている。

1997年にプロ野球読売ジャイアンツ（当時）の石井浩郎と結婚し一女をもうけるが、2003年に離婚。結婚後の会見では岡村は「晩年になってもお互い縁側でお茶が啜れる温かい夫婦になりたいです」という抱負を述べていた。1997年頃から2003年頃まで音楽活動がペースダウンしていたのは、主婦業・子育てに力を入れていたため。

2007年は、あみんを再結成しての活動が予定されている（岡村が2006年12月16日に開催したクリスマスコンサートのアンコールで発表）。

[編集] ディスコグラフィー

[編集] オリジナルアルバム

1st「夢の樹」（1985年10月19日リリース）
2nd「私の中の微風」（1986年7月2日リリース）
3rd「liberté」（1987年7月5日リリース）
4th「SOLEIL」（1988年7月1日リリース）
5th「Eau Du Ciel （天の水）」（1989年6月24日リリース）
6th「Kiss ～ à côté de la mer ～」（1990年6月27日リリース）
7th「Chou-fleur」（1991年7月17日リリース）
8th「mistral」（1992年6月20日リリース）
9th「満天の星」（1993年7月28日リリース）
10th「SWEET HEARTS」（1994年9月14日リリース）
11th「BRAND-NEW」（1996年2月19日リリース）
12th「Reborn」（2000年8月23日リリース）
13th「TEAR DROPS」（2003年9月25日リリース）
14th「Sanctuary」（2005年3月23日リリース）
15th「四つ葉のクローバー」（2006年5月24日リリース）

[編集] セレクションアルバム

「Andantino」（1986年11月29日リリース、あみん作品のセルフカバー、カセット・LPのみ）
「Andantino a tempo」（1987年2月4日リリース、「Andantino」にソロデビュー後の作品3曲を追加したCD）
「After Tone」（1987年11月25日リリース、1st～3rd間のリミックスベスト盤）
「After Tone II」（1990年12月12日リリース、4th～6th間が中心のリミックスベスト盤）
「Ballade」（1992年12月16日リリース、バラード集）
「After Tone III」（1994年3月2日リリース、7th～9th間のリミックスベスト盤）
「HISTOIRE」（1994年11月23日リリース、シングル集）
「After Tone IV」（2001年9月27日リリース、10th～12th間のリミックスベスト盤＋新曲1曲）
「DO MY BEST」（2002年7月24日リリース、歌手生活20周年記念セレクション盤）
「TOY BOX」（2005年11月23日リリース、ソロデビュー20周年記念のTV主題歌＆CMソング集＋新曲1曲）
「After Tone V」（2006年12月13日リリース、13th～15th間のリミックスベスト盤）

[編集] シングル

1st「風は海から」（1985年10月19日リリース）
2nd「今日も眠れない」（1986年1月22日リリース）
3rd「はぐれそうな天使」（1986年3月20日リリース）
4th「夏の日の午後」（1986年7月23日リリース）
5th「夢をあきらめないで」（1987年2月4日リリース）
6th「迷路」（1987年7月5日リリース）
7th「電車 (Remix Version)」（1987年12月5日リリース）
8th「Believe」（1988年4月1日リリース）
9th「TODAY」（1988年7月1日リリース）
10th「クリスマスの夜」（1988年12月1日リリース）
11th「青い風」（1989年7月1日リリース））
12th「天使たちの時」（1989年11月25日リリース）
13th「心の草原」（1990年6月27日リリース）
14th「Good-Day ～思い出に変わるならば～」（1991年5月23日リリース）
15th「ミストラル～季節風～」（1992年4月29日リリース）
16th「笑顔にはかなわない」（1992年12月5日リリース）
17th「フォーエバー・ロマンス」（1993年6月9日リリース）
18th「無敵のキャリア・ガール」（1993年9月1日リリース）
19th「ハレルヤ」（1994年5月25日リリース）
20th「山あり谷あり」（1994年8月24日リリース）
21st「ヒロイン～あの日の涙を忘れない～」（1994年10月5日リリース）
22nd「Naturally」（1994年10月5日リリース）
23rd「Winter Story」（1996年1月29日リリース）
24th「いつも心に太陽を」（1996年5月20日リリース）
25th「明日の幸せ」（1997年5月20日リリース）
26th「永遠の木もれ陽」（2000年8月23日リリース）
27th「Time and again」（2001年8月29日リリース）
28th「天晴な青空」（2002年7月24日リリース）
29th「心のフレーム」（2004年8月25日リリース）
30th「春色のメロディー」（2005年1月26日リリース）
31st「夢をあきらめないで『逆境ナイン』リマスタリング・バージョン」（2005年6月22日リリース）
32nd「銀色の少女」（2006年4月26日リリース）- さだまさしの作詞

[編集] ビデオ・DVD

「Noël」（1986年12月20日リリース、2006年12月13日にDVDとして再発売）
「Encore I」（1988年2月25日リリース、1stライブビデオ、DVD有）
「Encore II」（1989年2月25日リリース、2ndライブビデオ、DVD有）
「天使たちの時～Time of the Angels～」（1989年12月21日リリース）
「Encore III」（1990年11月21日リリース、3rdライブビデオ、DVD有）
「mistral」（1992年7月17日リリース）
「Encore IV」（1993年2月25日リリース、4thライブビデオ、DVD有）
「ENCORE V」（2003年9月25日リリース、5thライブビデオ、DVDのみ）
「ENCORE VI」（2005年11月23日リリース、6thライブビデオ、DVDのみ）

[編集] ラジオ

「ビヒダス・レディオ・ハイスクール」（fm osaka／毎週月～金曜6:40～6:55　1986年～1990年）
「4ウェイ・ミュージックストリート」（AIR-G'、FM岩手、Date fm、FM-NIIGATA、JOEU-FM、SMILE-FM／1983年～1990年）
「TAKAKO CLUB～気ままな日曜日」（JFN系列／毎週日曜7:00～8:00　1988年～1990年）
「岡村孝子 Sunday Picnic」（TOKYO FM系列／毎週日曜13:00～14:00　1991年～1993年）
「岡村孝子 T's Kitchen」（TOKYO FM系列／毎週日曜22:00～23:00　1993年～1994年）
「岡村孝子のパレ・パラ・パーティー」（JFN系列　1994年～1995年）
「岡村孝子 Style Garden」（NACK5／毎週日曜8:00～8:30　2004年4月～2006年9月）
「岡村孝子～スマイル・フォー・ユー」（綜合放送制作；山形放送、信越放送、静岡放送、岐阜放送、山陰放送、南日本放送　 2006年10月～）- 静岡放送では「岡村孝子～夢を追いかけて」という番組タイトルで放送。

[編集] 著書

「昨日よりも、今日よりも�――4001の小さな幸わせ」ISBN 4-870311-08-9（1992年3月刊、飛鳥新社）

バーバラ・アン・キッパー著「14,000 things to be happy about」を日本語に翻訳。
「夢見る頃を過ぎても」ISBN 4-924880-23-X（1993年12月刊、TOKYO FM出版）

インタビュー（聞き書き）をまとめた本。
「HAPPYをさがして」ISBN 4-902970-13-9（2005年8月刊、産経新聞出版）

2004年4月から1年間、産経新聞大阪版夕刊に連載していたエッセイを単行本化したもの。家族への想いや創作活動への意欲を、内田新哉氏の挿絵とともに温かな言葉でつづった。

[編集] 特集

「月刊カドカワ 12月号」総力特集『岡村孝子～虹を追いかけて～』（1990年12月刊、角川書店）
「月刊カドカワ 9月号」総力特集『岡村孝子～第二楽章～』（1993年9月刊、角川書店）

[編集] テレビ

「夢・音楽館」岡村孝子 & さだまさし　スタジオセッション & トーク（NHK総合、2005年1月13日放映）

さだの「案山子」をスタジオセッション。ほか「春色のメロディー」「夢をあきらめないで」のライブも。このときの共演がきっかけで、翌年、岡村の「銀色の少女」で、彼女の曲とさだの作詞というコラボレーションが実現した。
「岡村孝子ライブ～Sanctuary～」（NHKBS2、2005年6月12日）

同名のコンサートツアー最終日（2005年5月28日）、渋谷公会堂でのステージを収録した。岡村と加藤晴子のインタビューも挿入される。このライブ映像を元に、ライブDVD「ENCORE VI」が制作された。

[編集] 外部リンク

"http://ja.wikipedia.org../../../%E5%B2%A1/%E6%9D%91/%E5%AD%9D/%E5%B2%A1%E6%9D%91%E5%AD%9D%E5%AD%90.html" より作成