ホンダ・トゥデイ
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- トゥデイ (TODAY) は、本田技研工業がかつて生産していた軽自動車。:ホンダ・トゥデイ#軽自動車参照
- トゥデイ (TODAY) は、本田技研工業が現在生産しているスクーター。:ホンダ・トゥデイ#スクーター参照
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[編集] 軽自動車
トゥデイ (TODAY) は、本田技研工業がかつて生産していた軽自動車である。 商用と乗用があり、商用モデルは軽ボンネットバン、乗用モデルには2ドア/4ドアセミ・ノッチバックと3ドア/5ドアハッチバックがある。
[編集] 初代(1985年9月-1998年)
[編集] 1985年9月 商用バン発売
軽ボンネットバン(4ナンバーの商用車)として販売開始。
丸型ヘッドライトはフロントバンパーにまで食い込み、リアコンビネーションランプはリアバンパーの部分に設置、またフロントワイパーはシングル式とユニークな仕様で、全体がスラント&ショートノーズデザインのスタイルが印象的な車である。ルノー・トゥインゴに影響を与えたといわれているこのデザインは社内デザインよるもので、一部にピニンファリーナと語られることがあるのは誤り。ホイールベースは2330mmとサイバーCR-Xよりも長く最小回転半径が大きかったものの、当時の軽自動車を凌駕する車両安定性を確保していた。
エンジンは550ccの2気筒のSOHCのEH型エンジンを搭載。当初から新開発の3気筒もしくは4気筒エンジンを企画していたが、ホンダがしこりを残して去った軽市場に1974年以来の再参入を果たすにあたり、他社からの圧力があり高性能な物を搭載することが出来ず、また、予算も限られていたことから、アクティ用2気筒エンジンをチューンして搭載するに至った経緯がある。
トランスミッションは4速のMTとホンダマチックとよばれたセミオートマチックの設定があった。グレードはG/M/F。のちG特別仕様車には5MTも用意された。
[編集] 1988年2月 マイナーチェンジ
3気筒SOHC12バルブ550ccのエンジンE05A型を搭載。電子燃料噴射式(ホンダPGM-FI)エンジン搭載車も設定し、NAスポーツ路線を進む。ライトの形は丸目から角目になり、2代目シティの縮小版的なエクステリアデザインになった。ホンダマチックがようやく3速フルATに進化。商用のグレードはG/M/F、スポーツモデルのRiとRi-Z(電子燃料噴射式エンジンPGM-FI、MT車は5速、タコメーター装備)。 オプションで電動サンルーフ(アウタースライド)も選択できた。
[編集] 1988年3月 乗用モデル追加
マイナーチェンジと同時に3月、3ドアハッチバック乗用モデルが追加される。乗用グレードはXGおよび電子燃料噴射式エンジン搭載のXTi。
[編集] 1990年 マイナーチェンジ
軽自動車の規格変更に合わせマイナーチェンジをおこなう。全長が10cm延ばされる。合わせてデザインも変更されエンジンは660ccのE07A型が搭載される。さらに、リアサスペンションを新開発の独立懸架としたリアルタイム4WD車も追加される。
[編集] 1993~1998年 商用バン専用モデル トゥデイPRO/トゥデイ ハミング
1993年に乗用はフルモデルチェンジし2代目となる。商用(4ナンバー)バンはトゥデイPROとして初代プラットフォームで継続し、94年にはトゥデイ ハミングとバッジを変え1998年まで販売された。
[編集] 2代目(1993年1月-1998年)乗用専用モデル
先代の乗用は軽ボンネットバンの派生モデルだったが、セカンドカー、特に女性の運転する車として企画され、乗用専用設計としてフルモデルチェンジされる。初代よりロゴは英小文字を使用したデザインだったが2代目ではさらに変更されより女性向けのおしゃれな感覚を表現したものとなる。
[編集] 前期型(1993年1月-1996年2月)
1月に2ドアモデルが発表され、次いで5月にトゥデイ アソシエ(ASSOCIE)と名づけられた4ドアモデルが発表となる。先代のハッチバックではなく独立した荷室となるトランクを採用したセミ・ノッチバック形状となった。これは初代Miniで使われているやり方で、ホンダでは「ほとんどの積み荷が日常の手荷物程度である」ことを理由として、バンモデルとは一線を画す乗用モデルを意識していた。軽い開閉と荷室のプライバシーを守れるという表向きの理由とは裏腹に、実際は当時大規模な設備投資しないとハッチバックは出来なかったため苦肉の策でその方式にしたという経緯がある。このトランクは絶対的なスペースが小さく、市場には不評であった。ただし開口面積が小さいためボディ剛性は後期型(他メーカーのハッチバックモデルに比べても)より強くスポーツ走行に向いていると思われる。事実、現在行われている軽カーのレースでも前期型ベースが多い。
エンジンは先代から継承するE07A3気筒12バルブエンジン。全グレードPGM-FI。
[編集] 後期型(1996年2月-1998年)
オーソドックスな3/5ドアハッチバック車となる。不評だったトランクがハッチバックに変更されたことで、前期型の2ドアモデルは3ドアモデルとなり、4ドアモデルの トゥデイ アソシエ は5ドアモデル トゥデイ アソシエ となった。
[編集] MTREC
MTRECと呼ぶツインマップ燃料噴射制御&各気筒独立スロットル機構をもつエンジン(58ps)を搭載したモデルもあった。(前期 Xi 後期 Rs) このMTRECはビートにも搭載されたもので、トゥデイではデチューンされてはいるが、同機構はF1エンジンやスカイラインGT-R等でも使用されているものである。またMTREC車のみ3本スポークステアリング、タコメーターが装備される。
[編集] ホンダライフとトゥデイ生産終了
1974年以来の名前を復活し1997年2月に発表となる2代目ライフにこのトゥデイ乗用専用モデルの主要コンポーネントが流用される。2代目ライフはトゥデイと同じJA4という型式であり、トゥデイは軽自動車規格が変更された1998年に3代目ライフに統合される形で製造を終了した。
[編集] マーケティング
初代のCMには岡村孝子の曲(来生たかおの『はぐれそうな天使』のカバー曲)が起用され、当時売り出し中の今井美樹を起用した。
2代目のCMキャラクターは前期型が牧瀬里穂、後期型は飯島直子
[編集] モータースポーツ
JW1/2/3,JA1,2,3は軽さと低重心さやデザイン故に軽のレースでは人気がある。 またパーツがPP1やJA4等の物を数多く流用出来るのでパーツにも困らない。
[編集] トゥデイが登場する作品
藤島康介原作の漫画・アニメ「逮捕しちゃうぞ」やヘッドギア製作(ゆうきまさみ原作)のアニメ「機動警察パトレイバー」ではミニパトとして使われた。ともに初期型丸目で、ターボチャージャーを装備している。
[編集] 外部リンク
本田技研工業公式情報
[編集] スクーター
トゥデイ (TODAY) は、本田技研工業が生産しているスクーター。2002年より製造を開始した。
[編集] 成り立ち
2002年7月に、他の車種が13万円以上する中、9万4800円の値段を引き下げデビューした。この値段設定は、機能・装備の簡略化、製造を中国で行う事で、実現した。スクーターとしては大ヒットになり、2003年7月には10万台の出荷を達成した。ただし、中国生産に伴う品質管理に問題があり、一車種としては異常とも言える件数のリコール・改善対策が行われている。また、一般には公表されてはいないが、保証期間を問わず無償修理となる不具合も販売店向けには通知されている。
[編集] 主要諸元
- 型式:BA-AF61
- 強制空冷4ストローク OHC単気筒、49cc、3.8馬力
- 燃料消費率(km/L) 65.0(30km/h定地走行テスト値)
[編集] 公表されていない不具合
- 塗装剥げ
一部カラーモデルの塗装がボロボロに剥げてしまう不具合。既にメーカーも把握しており、販売店にて該当パーツを無償交換してもらえる。
- 前期モデルにおける始動不良
速度リミッター(一般的な原付よりも低めの55Km/h前後)が作動すると、点火カットが行われエンジンが不完全燃焼を起こす。その結果、エンジンバルブとバルブシート周りにカーボンが蓄積し、そこから圧縮ガスが漏れてエンジンが動かなくなる不具合。この症状が発生すると、セルボタンを押してもキュルキュル音がするだけで全く始動出来なくなる。
症状自体は一時的なもので、一旦再始動に成功すれば正常に動くようになる。ただし、対策を行わないと再発する可能性が高い。
この不具合もメーカーは把握しており、ユーザーが申し出ればキャブレターとCDIを対策品に交換してもらえる。なお、後期モデル(車名ロゴが筆記体)、並びに姉妹車(Dio、Dioチェスタ)は対策済みなので問題ない。
[編集] リコール・改善対策
平成15年9月17日トゥデイのリコール
平成14年11月29日トゥデイのリコール
平成17年4月11日トゥデイのサービスキャンペーン
平成17年2月18日トゥデイのサービスキャンペーン
平成15年6月20日トゥデイのサービスキャンペーン
平成17年2月17日トゥデイの改善対策
平成16年2月26日トゥデイの改善対策