希望小売価格
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希望小売価格(きぼうこうりかかく)とは、商品を製造するメーカーや輸入する代理店など、小売業者以外の者が、自己の供給する商品について設定した販売参考小売価格。
[編集] 概要
元々は「定価」(ていか)または「正価」(せいか)といわれていたが、書籍などの再販価格制商品の「定価」と混同する恐れがあることから「希望小売価格」「参考価格」の表現に置き換えられた(「定価」の場合、値上げは無論、地方における発売日の遅延等の理由があっても値引きは一切認められず、必ずこの値段で販売しなければならない)。
2000年(平成12年)頃からパソコンなど電気製品を中心に、希望小売価格の設定を止めてオープン価格に移行する商品が増加している。
希望小売価格は消費の対象とされていないので、必ずしも消費税を加算した総額で表示する必要はないとされているが、目安として消費者に理解してもらうため、税込にして表示する店舗も多い。 ※例:希望小売価格 10,290円(税別9,800円)
実売価格が希望小売価格を上回ってはならないという法的な強制力は全くないため、いくら高い価格で販売したとしても、法律上では全く問題ないが、あまり高価に設定すると暴利を貪っている、と非難の対象にされる恐れがあるので、注意が必要である。
[編集] 実売価格が希望小売価格を上回った実例
メーカーのHPやCM、広告などのメディアで希望小売価格が表示されている場合、「実売価格 ≒ 希望小売価格」(または 実売価格 ≦ 希望小売価格)と思われがちだが、一部の商品において実売価格が希望小売価格を大きく上回るケース(実売価格 > 希望小売価格)もある。ここで実売価格が希望小売価格を上回って発売された実例を列挙する(オープン価格の商品は除く)。特にプレミアの見込まれる商品や需要の追いつかない商品にあってはなおさら高価となる傾向がある。
- ニンテンドーDS Lite…発売元である任天堂のHPでは希望小売価格16,800円(税込)(ニンテンドーDSは15,000円)と記載されているが、現在極度の品薄(即日で完売するほど)で需要や生産が全く追いつかない状態となっているのに便乗し、一部の店舗で20,000~25,000円前後で販売されていることがある。
- プレイステーション3…発売元であるソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の公式サイトでは
- 20GB:49,980円(税込)
- 60GB:オープン価格
- と記載されており、初回の出荷数が極端に少なく、一時期生産が追いつかなかったことに便乗し、インターネットオークションやリサイクルショップなどで20GBのモデルを60,000円強で、60GBのモデルを70,000円強(もしくはそれ以上)の高値で販売されたことがあったが、2007年2月頃から品薄が少しずつ解消され、ほぼ希望小売価格通りに販売されるようになっている。
- プレイステーション・ポータブル(バリュー・パック)(生産終了)…発売元であるソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のHPでは希望小売価格26,040円(税込)と記載されており、品薄で需要が追いつかなかった頃40,000円前後で販売した店舗が複数あったが、現在では品薄はほとんど解消され、「実売価格 ≒ 希望小売価格」への落ち着きを取り戻している。
[編集] 関連項目
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