平澤興
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平澤 興(ひらさわ こう、1900年10月5日 - 1989年6月17日)は、日本の医学者。新潟県出身。専門は脳神経解剖学。京都大学教授、京都大学第16代総長などを勤めた。
1900年(明治33年)新潟県西蒲原郡七穂村(のち味方村、現新潟市)に生まれる。幼時より医師になることを志し、地元の小学校を卒業した後父の居た京都に出て中学時代を過ごす。金沢の第四高等学校(金沢大学の前身)、京都帝国大学医学部を経て、1924年(大正13年)京都帝国大学医学部解剖学教室の助手となる。翌年同学部助教授。1926年新潟医科大学(新潟大学医学部の前身)助教授。スイス・ドイツ留学を経て1930年(昭和5年)同大学教授となる。翌年、日本人腕神経叢の研究により医学博士号を得る。1946年京都帝国大学教授。1951年には錐体外路系の研究により日本学士院賞を受賞。1957年より京都大学総長を2期6年間勤める。1963年京都大学総長を退官し同大学名誉教授。その後も京都市民病院院長、京都芸術短期大学学長など数多くの公職を歴任した。1970年勲一等瑞宝章を授章。1989年6月17日、心不全のため京都市内で歿。
専門の解剖学に関わる著書・論文の他にも、一般向けの医学解説書や随筆なども多く執筆した。浄土真宗の篤い信徒であり、仏教系の出版社から刊行された随想集なども多い。
出身地である旧味方村の名誉村民であった。現在新潟市味方には同じく名誉村民であった曽我量深と平澤興を顕彰する曽我・平澤記念館が建てられている。
[編集] 主な著書
- 『平澤興博士論文集』(1981、新学社)
- 『山はむらさき』(1976、新潟日報事業社)
- 『医学の足跡』(1987、誠文堂新光社)
- 『生きよう今日も喜んで—平沢興語録』(1995、致知出版社)
- 『人間 その無限の可能性』(2003、新潟日報事業社)
[編集] 外部リンク
- あじかた村だより 故平澤興先生ご逝去特集号(PDFファイル)
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