幼保一元化
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幼保一元化(ようほいちげんか)は、少子化の進行、育児サービスの多様化に伴って生じている幼稚園と保育所の抱える問題点を解決するべく、幼稚園と保育園の一元化を図ろうとする政策である。
[編集] 概要
幼稚園と保育所は元来別物であり、運営基準や職員の資格(幼稚園は幼稚園教諭、保育所は保育士)も異なる。また、管轄の役所も幼稚園の管轄は文部科学省、保育所の管轄は厚生労働省と異なる。しかし、近年進行している構造改革の一環として、幼稚園と保育所の運営の非効率さを是正する必要性が指摘されてきた。幼保一元化とは、幼稚園と保育所の施設や運営を一元化することで財政的に効率的な経営を行おうとするものである。また、都市部での待機児童の増加なども勘案し、定員オーバーとなっている保育所が多い中、定員割れを起こしている幼稚園にそうした待機児童を収容してしまおうという動きも出ている。メリットはなんといっても経済的効率である。公立の幼稚園・保育園でも統廃合することで大幅に人件費を抑制したいという自治体が十分に多い。幼稚園教員認定試験という文部科学省の実施する教員資格認定試験も2005年より開始されたが、当初の目標の合格率を大幅に下回っているのが現状である。これは一般教養試験が非常に難易度が高く、及第点を得る受験生がほとんどいないことも原因の一つとなっている。
このようなこともあり、さまざまな問題から、あまり進展していないのが現状である。
なお、社会主義国家群では、当初より幼保一元化が進んでいた。
[編集] 成功例
2004年、群馬県吾妻郡六合村は幼保一元化を実現した。しかし、六合村は超過疎地域であり、これは子どもの数の減少に伴う措置であり、一般に言われている幼保一元化の議論とは一線を画すものである。