引越し
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引越し(ひっこし)は、人が生活する場所や活動する場所を他の場所へ移すこと、またその作業のことである。「引っ越し」、「引越」とも書く。住居、あるいは企業・団体の事業所などの移動がこれにあたる。古くは「宿替」(やどがえ)とも。
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概要
引越し先の場所を確保した上で、元にいた場所からの家具や荷物を移動させ、完全に機能を新たな場所へ移すまでの一連の作業が引越しである。
引越しをするということは何らかの事情があることが多い。その理由を大きく二つに分けると、自らの意思で引っ越したいという自発的理由と、自らの意思でないものの引っ越さなければならないという非自発的理由に分かれる。以下は主な例である。
- 自発的理由
- 非自発的理由
- 現在住んでいる住居が老朽化などにより取り壊される場合
- 転勤など仕事上の都合
- 道路などの建設のための立ち退き
- 経済的、社会的事情によるもの(特に周囲に対して秘密裏に行われるものを夜逃げという。)
引越しの手順
引越しでは、次のような手続きや作業が必要となる。
- 転居先物件の確保
- 転居先物件の貸借契約締結
- 転居先物件の購入
- 転居先物件への間借り
- 搬出・搬入手段の計画立案
- 受益サービスの解約・清算手続き、もしくは異動届提出 - 電気・ガス・水道・通信回線(電話回線やFTTH等のインターネット接続回線を含む)といったライフラインのうち、転居元と転居先で提供会社が異なる場合は解約清算手続きを、提供会社が同じ場合は異動届の提出をそれぞれ行う。
- 郵便局への住所変更届提出
- 関係官庁への届出
- 転出物件からの家財等搬出、清掃
- 転出物件の貸借契約の清算(貸借契約がある場合のみ)
- 家財等運搬
- 転居先物件への家財等搬入
- 転入先関係官庁への届出
- 受益サービスの新規契約締結、および住所変更届提出
その他、転居元と転居先の各周辺住民や取引先、得意先、所属団体への届出や転居の挨拶をする。
また、これらの手続き作業は全てを引越しする本人が行うこともできるが、その一部を専門の業者に委託することもできる。個人や中小規模な法人の引越しの場合、家財の搬出・運搬・搬入のみを運送業者へ委託することが多いが、大規模な法人の引越しの場合、運搬はもちろんのこと、関係官庁への届出や関係先への挨拶、転居先ビルの管理者との引越しに関する打ち合わせなどの一切を専門業者へ委託することがままある。
荷物の移動
引越しの際には、住人が持っている家具や家電製品、衣服などを引越し先の住居へ運ぶ必要が出てくる。これらを引越しをする本人の手で運ぶこともできるが、大きな家具などを運ぶのは個人では大変な作業のため、運送業者、引越し専門業者にこれらを代行させることもできる。一般的には、
- 転居先が近距離
- 単身者で荷物が少ない
- 体力に自信がある
という場合には個人で行なうケースが多く、
- 転居先が遠距離
- 数人の家族で、荷物が多い
- 大型の家具、家電製品がある
- 体力に自信がない
という場合には運送業者、引越し専門業者に代行させることが多い。比較的荷物が多い場合でも、友人に協力を依頼して個人で行なう場合もある。個人で行なう場合、たいていはトラック、ライトバンなどの貨物自動車が必要で、そのためにレンタカーを借りることが多い。