夜逃げ
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夜逃げ(よにげ)とは、夜中にこっそり逃げるように引越しを行うこと。
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[編集] 概説
多くの一般的な「引越し」の行為とは異なり、引越し先や引っ越すこと自体を周囲に公表せずに行うが、この背景には『借金が払えない』『家賃が払えない』等の金銭的な事情や、様々な社会的な事情が絡んでいることが多い。
家財道具等を持って決行する夜逃げもあれば、最低限必要な身の回りの物だけを持って決行する夜逃げもある。
夜逃げ決行日までは普通に振舞うので、夜逃げ後になって初めて周りの人(近所の人、債権者、大家)は引越ししたことを知る。当然、引越しの挨拶はしない。
店主が夜逃げした店舗では、従業員は夜逃げされて初めて店の経営状態を知ることがある。 夜逃げされたら、その店舗の従業員は、夜逃げした店主が発見されなければ、夜逃げされるまでに働いていた期間の給料はもらえないし請求のしようもない(ただし、労働基準監督署に相談すれば、未払賃金の立替払制度の適用が受けられる場合もある。)。
親が債権者から夜逃げしていた間に出産して出生届が出されていなかった子は、戸籍に載らない未就籍児、未就籍者となる。
[編集] 夜逃げ屋
夜逃げを手伝う夜逃げ屋という夜逃げを組織的に斡旋する業者も存在する。弁理士や行政書士の資格を持った者が法律に触れない範囲でやっている。法律上は借金地獄にはまって死活問題をはらんでいる場合は自己破産という手続きが極めて有効であるが、それを個人的に認めない企業の場合は非合法な手段で追い詰めるので、自己破産しただけでは収拾がつかず、住所を変える必要性が発生するので居住地から逃げなければならないといった理由で逃亡する。ちなみに自己破産手続きは法律的専門知識が必要なので大抵は弁護士に委任する。弁護士報酬は2004年4月より自由化されたが、自己破産の委任に必要な費用は、30万円ないし50万円程度が相場である。法律扶助協会による立替払制度(そして、これに基づく分割支払い)なども検討するべきである。
「行政書士や経営コンサルタントに手伝ってもらうほうがいくらか安上がりであるらしい」とは、完全な誤解である。そもそも、弁護士または司法書士以外のものが自己破産事件を受任することは違法である。