御剣怜侍
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御剣 怜侍(みつるぎ れいじ 1992年 - )はカプコンのゲーム『逆転裁判』シリーズに登場する架空の人物。
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[編集] 概要
逆転裁判シリーズの初代主人公・成歩堂龍一(なるほどう りゅういち)のライバルにして親友。「逆転裁判4」では従来の登場人物のほとんどが一新される予定のため、登場するのかどうか定かでない。
名前の由来は侍のような張り詰めた雰囲気と頭の回転が速く切れ味が良い(御剣→切れ味の良い刀剣)事から。英語版の名前は"Miles Edgeworth"(Edge=“刃” worth=“値打ちのある” なおこの姓は実在する)。
ゲーム中の彼の声は、キャラデザイン担当の岩元辰郎によるもの。
開発当初の設定では40代の中年検事だった。髪型はオールバックで肌は蒼白、赤く鋭い目と見た目は「1」に登場する狩魔豪そっくりである。メインキャラクターのデザインを担当したスエカネクミコによると「ライバルと言うより敵キャラ」。「こんなオジサンと戦えと言われても、燃えない。」という理由で成歩堂と同い年のライバルになった。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 人物
高名な検事・狩魔豪(かるま ごう)に師事し弱冠20才で就任、それ以来無罪判決を出した事の無かった天才検事(ただし証拠の捏造や証言の操作などの噂が無数にあった)。身長178cm、体重不明。生年月日なども不明だが、小学校の同級生だった成歩堂が1992年度(学校年度)生まれであり、御剣も同じと思われる。家族については父・御剣信(みつるぎ しん)の名前と、その職業が弁護士であった事、そして既に死別した事くらいしか明らかになっていない。3で登場した就任当時の彼の「異議あり!」などのアクションは狩魔豪とほぼ同じだった。
服装はいつもワインレッドのスーツで(就任したての20歳の頃には今よりも装飾の多い派手な服を着ていたが、色は同系統である。なおその頃の上着は彼の執務室に飾られている)、首には今風の普通のネクタイではなく、中世ヨーロッパの貴族のような白いクラバットを巻いている。なぜか検察徽章はつけていない(彼に限らず逆転裁判シリーズに登場する検事は誰もつけていない)。色白で端正な顔立ちをしており、劇中では成歩堂よりも圧倒的に女性受けが良い(実際の女性ファンも成歩堂より多い様である)。
幼い頃から弁護士の父を尊敬し憧れていた。小学4年生の頃、自分の給食費を盗まれる。その犯人として成歩堂が疑われたが、当時すでに自身も将来は弁護士になる事を望んでいた御剣は成歩堂の有罪を立証する証拠が無かったため、無実を主張する成歩堂を信じて、自ら弁護して助けた。それ以来成歩堂、そしてその時同じく成歩堂を弁護した矢張政志(やはり まさし)の二人と親友になり、二人にはよく将来の夢を語り聞かせていた。
弁護士を目指していた御剣だったが、9才の時に経験した「DL6号事件」が原因となり犯罪者と弁護士への強い憎しみが植え付けられたため、その後、かつての夢とは正反対の検事という職業を選んだ。20才という史上最年少での就任を果たしてから成歩堂と再会するまでの4年間、非常に強引な(合法かどうか疑わしい程の)手法を用いながらも、有罪判決を取り続けていた。
1の「逆転姉妹」で御剣が自分を語った言葉に“被告は無実なのか、そうではないのか、我々にはわかるはずがない。だから私に出来ることは被告を全て有罪にすること。それが私のルールだ。”というものがある。その言葉の通りに性格は登場当初、非常に冷酷、かつ頑迷だった。
DL6号事件で味わった絶望から真実を求める事を諦めてしまっていた御剣だが、弁護士としての成歩堂と再会し、起訴された被告の無実が明らかになり、そして真犯人が暴かれるのを目の当たりにする事で少しずつ心境が変化していった。無論、自分が担当した審理での無罪判決は検事にとっては敗北なのだが、御剣怜侍個人としては自分でも分らない心の奥の部分で待ち続けていた事だったのかもしれない。
しかし2ヶ月後におこったある事件にかなりのショックをうけ、死を覚悟して失踪する。そして、検事とは何か、裁判とは何かを深く考え、1年後、再び法廷に立つ(弁護側はもちろん成歩堂龍一)。
3では海外に滞在している事になっており、最終話で発病した成歩堂にかわって、なんと特別弁護人として法廷に立った(ちなみにこの時御剣は成歩堂を、「かけがえのない友人」といっていた。また検察は彼の妹弟子である狩魔冥が担当した)。
非常に頭脳明晰で一見何事も完璧にこなすように見えるが、生真面目過ぎる故にたまに天然なところを見せる。指は不器用で折鶴もまともに折れない(小学校時代に屈辱を味わったらしく、『あの時の屈辱は忘れぬ。鶴ならば!今なら5ミリの狂いもなく折り上げてみせる!』と豪語してみせるも、矢張と糸鋸刑事に『折り紙で5ミリっていったら相当なもんだぞ(ッスよ)』とツッコまれた)。また、なぜか物の名前を間違えて憶えてしまう事が人より多い様であるが、これについては単にその対象に興味が無くちゃんと憶える気にならなかったという可能性もある(例えばサイコ・ロックを「さいころ錠」と呼んでいた)。ちなみに彼の生みの親であるスエカネクミコが攻略本に描いた漫画の中に「大江戸戦士トノサマンシリーズ」のファンという描写があり、それ以来ユーザーの間ではおろか、いつしかスタッフの間でも御剣はトノサマンファンであるという認識がある(しかし、公式な設定かどうかはハッキリしない)。
[編集] 生活、仕事
実際の法廷に立つ前から“検察局始まって以来の天才検事”と呼ばれていた。御剣が検事になったのと近い時期に刑事になった縁からか、糸鋸圭介(いとのこぎり けいすけ)刑事を長らく直属の部下としている。特に有能という評価もない(むしろ無能)糸鋸刑事をなぜ自分の側に置いているのかは明らかになっていない。ちなみに糸鋸刑事の失敗に際して「来月の給与査定を楽しみにしておくことだ」と言うのはもはやシリーズ定番のセリフとなっている。
彼の給与の額などは劇中で明確になっていないが、世間一般の基準に照らすならばかなり裕福な部類の様である。ただし本人はあまり満足していない様子。「蘇る逆転」で、車を所持していた事が明らかになったが、事件により、犯人に壊された。
父を失ったDL6号事件が彼に与えた影響は大きく、本当の意味で事件が解決されるまで、事件の事で15年にわたってたびたび悪夢を見ていた。また、事件が地震(による停電)で止まったエレベーターで発生したために酷く地震を恐れるようになってしまっている。少年期の彼の家には暖炉があったらしく、続編の「逆転裁判2」で暖炉を目にした時に「(子供の頃を思い出すのがイヤなので)見たくない」と口にしており、心に負った傷がいまだ深い事が伺える。
[編集] 関連人物
[編集] 御剣怜侍に対する呼称
一人称は「私」。
- 御剣検事…法廷内での呼称。糸鋸刑事からもこう呼ばれる(糸鋸の場合、たまに「御剣検事殿」になる)。
- みつるぎ検事さん…真宵、春美。
- 御剣…矢張、成歩堂。この二人とは幼馴染みで、お互いに苗字で呼ぶ。
- 御剣怜侍…狩魔冥。フルネームで呼ばれる。対して御剣は「メイ」と呼び捨てにする。
- ミッちゃん…オバちゃんにこう呼ばれる。御剣は激しく嫌がっている。