快傑ライオン丸
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『快傑ライオン丸』(かいけつライオンまる)は、1972年(昭和47年)4月1日から1973年(昭和48年)4月7日までフジテレビ系で毎週土曜日19:00 - 19:30に全54話が放送された、ピー・プロダクション製作の特撮テレビ番組。1970年代にチャンバラブームを復活させた番組。『仮面ライダー』と同じく、変身シーンを真似ることが子供達の間で流行した。
後番組の『風雲ライオン丸』は、本作品で好評だった要素を再構成して制作されたものであり続編ではない。このように物語上は別世界となっているが、快傑ライオン丸が登場するシーンがある。また、虎錠之介(タイガージョー)の弟タイガージョーJr.も登場する。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
時は戦国時代。偉大な忍者、果心居士の元で修行した獅子丸、沙織、小助の三人が諸国を行脚し、日本を襲う暗黒魔神との戦いを描く。
獅子丸は果心居士から与えられた刀「金砂地の太刀」を振るい、忍法獅子変化によりライオン丸に変身する。また沙織は小太刀を、小助は笛をそれぞれ居士より授けられた。沙織は小太刀により「男に負けない力」を発揮、小助の吹く笛は居士の魂の化身である天馬「ヒカリ丸」を呼び出せる。
獅子丸のライバル・虎錠之介は、ゴースンから授けられた「銀砂地の太刀」を使ってタイガージョーに変身する。彼は強さを求めて悪と手を結んだものの、自身は卑怯な真似を嫌う武士であり、獅子丸との間には友情のようなものが生まれていくが…。
[編集] スタッフ
- 企画・原案:うしおそうじ、別所孝信(フジテレビ)
- プロデューサー:鷺巣富雄、篠原茂、別所孝治
- 監督:石黒光一、安藤達己、土屋啓之介、曽我仁彦、樋口弘美、中西源四郎、大塚莞爾
- 脚本:高久進、若槻文三、田村多津夫、柏倉敏之、牛次郎、しのだとみお、まつしまとみあき、濠喜人、馬嶋満、平野史博、大木英吉
- 操演:中島徹郎、高城忍
- 殺陣:渡辺高光
- 合成作画:渡辺善夫、鷺巣富雄
- 特撮監督:矢島信男
- 音楽:小林亜星
- 劇伴作曲:筒井広志
- 主題歌:『風よ光よ』(作詞:しのだとみお/作曲:小林亜星/ 歌:秀夕木、ヤング・フレッシュ)
[編集] キャスト
- 獅子丸:潮哲也
- 沙織:九条亜希子
- 小助:梅地徳彦
- 虎錠之介:戸野広浩司(第27~30話、第36~40話)、福島資剛(第42~54話)
- 虎錠之介/タイガージョーの声:池田勝(第40~41話)
- 蒲生城太郎:成川哲夫(第3話、第5話)
- 果心居士:徳大寺伸
- 得心居士:明智十三郎(第25話)
- 桃雲斎(ゴースンの兄):佐々木孝丸(第40~41話)
- 豪山(ゴースン人間体):天津敏(第40~41話)
- ゴースンの声:小林清志、飯塚昭三
- 分身魔王デボノバの声:飯塚昭三
- 快傑ライオン丸(スーツアクター):鴨志田和夫
- ナレーター:篠原大作
[編集] サブタイトル
話数 | サブタイトル | 登場怪人 |
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1 | 魔王の使者・オロチ |
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2 | 倒せ!! 怪人ヤマワロ童子 |
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3 | 魔の森・わくらんば |
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4 | ムササビアン爆破作戦!! |
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5 | 地獄から来た死神オボ |
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6 | 人食い花フラワンダー |
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7 | 呪われた金山 ギンザメ |
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8 | 分身魔王デボノバと怪人イワゲバ |
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9 | 死を呼ぶ吸血怪人ゾンビー |
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10 | 死の水・ドクイモリ |
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11 | 地獄の狼カマキリアン! |
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12 | 怪人ギロジー 海の落し穴 |
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13 | 怪人ウミカブロと人食い怪魚 |
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14 | さすらいの怪人ネズガンダ |
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15 | エレサンダー 地獄谷の決闘 |
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16 | 忍び寄る魔の手 メレオンガ |
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17 | 怪人ジェロニモ 悪魔のノロシ |
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18 | 怪人ムイオドロ 恵山の叫び! |
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19 | 子連れ怪人 夕日の対決! |
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20 | 殺しの追跡者 クマオロジ |
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21 | ハンニャラス 母恋い子守唄 |
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22 | 盗まれた笛 怪人キバギラー |
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23 | 蛇とサソリの怪人ダカツ |
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24 | ライオン飛行斬り対怪人トビムサシ |
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25 | 影狩り怪人モスガイガー |
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26 | 最後の守備隊長クワルギルビ |
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27 | 大魔王ゴースン怒る! | |
28 | 悪の剣士タイガージョー | |
29 | 影三つ、怪人ドクロンガ |
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30 | 怪人マツバラバ 一本松の謎 |
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31 | 怨みの魔剣 オロチジュニア |
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32 | ガマウルフ 覚え書の秘密 |
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33 | 非情の盗賊 ガメマダラ |
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34 | 殺しのメロディ 怪人パンダラン |
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35 | 血に笑う怪人アリサゼン |
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36 | 折れた槍 怪人ハチガラガ |
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37 | 狙われた男 怪人トドカズラ |
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38 | ゴースンの秘密 怪人タツドロド |
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39 | 怪人キチク 悪の念仏 |
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40 | 大魔王ゴースン 再び怒る |
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41 | 大魔王ゴースン あの胸を狙え! |
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42 | 殺しの流れ者 キルゴッド |
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43 | 裏切りの峠 怪人ギララ |
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44 | くの一の涙 怪人メガンダ |
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45 | 抜け忍・けもの道 怪人ハンザキ |
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46 | 暗闇のびわ法師 怪人ノイザー |
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47 | 地獄の棺桶 怪人ジェンマ |
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48 | 傷だらけの殺し屋 怪人マフィアン |
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49 | 恐るべき屠殺人 怪人ジャムラ |
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50 | ライオン丸を吊せ!! 怪人ジュウカク |
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51 | 最後の八人衆 怪人アブダー |
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52 | 早射ち六連発 怪人ゴンラッド |
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53 | 悲しきタイガージョーの最後!! |
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54 | ライオン丸 最後の死闘 |
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[編集] 補足
- 虎錠之介役は戸野広浩司が酒に酔って入浴中に事故死したため戸野広の出演は第40話までとなり、第42話から福島資剛に交替した。第41話はタイガージョーのみの出演としている。第40話と第41話の虎錠之介=タイガージョーの声は池田勝が行った。第40話の戸野広本人の映像に池田が声を演じているのは戸野広の死去がアフレコ前であったからと思われる。なお、戸野広の死因には「入浴しようとして足を滑らせた」「水を飲もうとして」など諸説ある。
- 虎錠之介=タイガージョーの初登場は第27話。同話でのライオン丸との戦闘で右目に傷を受け、隻眼となった。眼帯は28話後半より。前半は手ぬぐいらしき物を包帯代わりにしていた。
- 虎錠之介は第30話でいったん出番を終え、第36話で再登場する。当初は第30話までの予定だったが、人気が出たため再登場しレギュラーとなった。
- 後年、獅子丸役の潮哲也と二代目虎錠之介役の福島資剛は『仮面天使ロゼッタ』で再び共演している。
- 第3話と第5話にゲスト出演する蒲生城太郎は、前作スペクトルマンの主役・蒲生譲二をイメージしたキャラクターであり俳優も同じ成川哲夫。仮面ライダーやウルトラ兄弟の客演とほぼ同じ意味である。
- 第48話のような「やりきれない話」は、風雲ライオン丸や鉄人タイガーセブンに受け継がれていく。
- 時代設定について
- 第1話にて「群雄割拠する戦国時代」とナレーションが入る。
- 第1話にて織田家の使者(に化けたドクロ忍者)が「敵、今川」と言っている。
- 第40話と第41話は、甲斐の国の「鷹取城」が舞台である。
- 第41話にて豪山が「この戦乱の世の中、北条も上杉も織田もない」と言っているが、甲斐から近いにもかかわらず今川の名が出てこない。
- 第28話にて「果心居士を亡くし獅子丸が旅立ったのは、冬であった。そして今、早くも夏は終わろうとしている」とナレーションが入ることから、作品内の時間経過と現実の時間経過がほぼ同じであることがわかる。
- これらにより、戦国時代末期、もっと細かくいえば桶狭間の戦いで織田信長が今川義元を破った永禄3年(1560年)が快傑ライオン丸が活躍した年、とも考えられる。
- しかしながら、甲斐の国が舞台であるにもかかわらず武田信玄の名前が出てこない点が不自然であり、我々の知る歴史とは違うパラレルワールドとも考えられる。
- パラレルワールド的なキーワードとしては、「西部(のガンマン)」、「銃(ライフル、リボルバーなど)」などがあるが、「西部」がアメリカの西部とは断言されていないため「ユーラシアの西部」とも考えられる。また、銃器に関しては「マジックアイテム」との解釈も可能である。例えば、ネズガンダの拳銃は手裏剣弾を連射する。
[編集] 関連事項
フジテレビ系 土曜19:00枠 | ||
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スペクトルマン | 風雲ライオン丸 |
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