捨て子
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捨て子(すてご、英:Foundling)とは、不純異性交遊や生活苦、育児放棄といった様々な諸事情から、親から見放されて路上や他人の家、児童養護施設等にこっそり置き去りにされた子どもを指す。また、親が子どもを残して去ることも一種の捨て子と考えられる。
捨てられた子どもは嬰児の頃なら、拾った人間が事実を伏せるといった措置をとれば幾分かは子どもの苦しみが和らぐが、3~5歳などの物心が付き始めた子どもは捨てられた事実を認識している為に、精神的なショックでPTSDなどの疾患を病み、悪い場合は成人しても引きずる事がある。前述のように日本の東京、アメリカのニューヨークのような大都市の中枢では未成年の男女による援助交際や不純異性交遊、アフリカや南米などの発展途上国では貧困ゆえの生活上の口減らしなどの理由で捨てられる子どもが増加する傾向にある。
ドイツやオーストラリアなどの諸外国では、こういった捨てられる両親不明の子どもを救う為に2001年から病院の玄関に「赤ちゃんポスト」と呼ばれる、養育が困難になって育てきれなくなった子ども、または私生児などをこのポストに入れて病院側に養育を委託するという措置がとられるようになった。
これにならって日本でも熊本県熊本市にあるカトリック系の慈恵病院で赤ちゃんポストを設置しようという試みがなされることになり、年内にも設置する予定となっている。世評では「身寄りの無い子どもを助けるのは人間としてあるべき姿」「単なる善意と愛情だけではかえって捨て子を誘発する危険がある」などの賛否両論に分かれている。
[編集] 関連項目
- 巣鴨子供置き去り事件
- 誰も知らない‐上記の事件を元に製作された2004年度の映画。是枝裕和監督。