散蓮華
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散蓮華(ちりれんげ)は、中国や東南アジアで一般に用いられる陶製スプーン(匙)の、日本での呼び名。「蓮華」または「レンゲ」と略称・表記されることが多い。
[編集] 概要
日常用いるため、単に「匙」あるいは「湯匙」と呼ばれるのが中国では一般的で、別名に「勺」、「匙子」、「勺子」、「湯勺」、「匙羹」などがある。とはいえ、西洋式のスプーンと区別する場合には、中国式という意味で「中式匙」、「中式湯匙」などと「中式」の文字を冠する。また、使われる地域はベトナムなど、古くから中国文化の影響を受けた地域のほか、シンガポールをはじめとする、華僑が多く住む世界各地の中華街でも用いられている。
名前は、形状が散った蓮の花弁に似ていることに由来するとされる。食器としては、小鉢として使用されるようになった呑水(とんすい)とも起源を一にする。
形状は、底が楕円形の平たい舟の形状で、舳先となる部分は丸く、また船尾となる部分が先細に伸びて柄(え)となるのが一般的だが、用途や好みなどから、中国ではさまざまなデザインのものがある。
用途としてはスープや麺類のスープ、とろみのある中華料理、形状が定まらず柔らかい雲呑や、豆腐花、マンゴープリンなど柔らかい料理を掬(すく)うのに用いるほか、小籠包を食べる際にスープがこぼれないようにしたり、チャーハンのように箸ではポロポロとこぼれ落ちる料理などを掬うのに用いる。またカレーうどんなどを食べるのに使用する人もいる。
木製のレンゲも一部で作られたが、手間がかからず大量に生産できる陶製のものが一般的であった。中華料理店に限らず、大衆食堂でラーメンが出されたり、長崎チャンポンなどの麺類を出す店が一般化したため、日本では需要が増え、一体成形のプラスチックが安価となった現代ではプラスチック製レンゲが急増。日本に限らずプラスチック製は少なくない。
ただし、日本で出回っているレンゲの多くは、もともとはスープをすくうサイズで、口に運ぶには大きく、深さもあり、チャーハンなどを食べるのには、あまり適していない。その一方で、中華文化圏のレンゲにはさまざまな形状・大きさがあり、たとえばチャーハン類が食べやすいよう、日本のレンゲより小さく深さも浅く作られたものなどもある。
[編集] 関連項目
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