華僑
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華僑(かきょう)は、「中国・台湾・香港・マカオ以外の国家・地域に移住しながらも、中国の国籍を持つ漢民族」を指す呼称である。留学生は含まない。中華人民共和国政府の定義では、同国外に居住する同国公民だけを指すが、ここでは前述の定義について取り上げる。
華人、華族と混同される場合があるが、華僑と、華人・華族は異なる概念である。
東南アジア(シンガポール含む)、アメリカ、日本、朝鮮半島、イギリス、オーストラリアなどに多い。主に広東・福建系が多いが、最近は上海や北京系も増加している。出身地の言語および居住地域の言語を用いるが、最近では北京語・英語が広く用いられるようになっている。
東南アジアにおいては華僑は華南地方出身が多いとされる。華僑はマイノリティながら現地の経済・政治に大きな影響力を持つことが多い。タイの王室、コラソン・アキノ元フィリピン大統領は華僑の血を引いている。
日本においても、多くの華僑が存在し、主に経済や文化芸能の方面で活躍が見られる。女優の鳳蘭、野球の王貞治、経済評論家の邱永漢、囲碁の呉清源(戦後の一時期)、歌手のジュディ・オング(翁倩玉)、アグネス・チャン(陳美齢)等が有名である。
華僑という言葉は「成り上がり者」という蔑称も含むので、近年は、差別用語に当たるとして、「華僑」という表現を避けるメディアも出てきている。
[編集] 参考文献
- 顔尚強「五つの誤解-日本社会の華人観」、『週刊東洋経済』第5282号、1995年5月。