日野・レンジャー
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RANGER(レンジャー)は日野自動車が製造する中型クラスのトラックである。
GVW(車両総重量)8トンクラスからGVW20トンクラスの6x4低床車まで幅広いバリエーションを揃えている。
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[編集] 車名の由来
RANGER(レンジャー)は、常に進化しお客様の期待に応え利益をお約束するプロフェッショナルのためのトラックの意である。1964年のレンジャー発売時に、一般公募にて選考された。
2001年にフルモデルチェンジした4代目は、RANGER-PRO(レンジャープロ)と名付けられた。
このPRO(プロ)には、PROceed、PROgress(常に進化し)、PROspect(お客様の期待に応える)、PROmise(お客様の利益をお約束する)、PROfessional(プロフェッショナルのためのトラック)という思いが込められている。
しかし、2004年のマイナーチェンジを機会に、サブネームを使わずに日野レンジャーと名乗るようになる。
[編集] 歴史
[編集] 初代(1964-1980年)
[編集] 2代目(1980-1989年)
[編集] 3代目(1989-2001年)
- 1989年登場。通称クルージングレンジャー。
- 1994年マイナーチェンジ。CIが現在のものになる。通称ライジングレンジャー。
- 1999年マイナーチェンジ。運転席エアバッグが標準装備される。通称スペースレンジャー。
[編集] 4代目(2001年-)
- 2001年 フルモデルチェンジして、レンジャープロとなる。
- 2002年 低公害車LEタイプ車の設定、グッドデザイン賞を受賞。
- 2003年 エアサス車の拡大、超低PM車の設定。
- 2004年 ハイブリッド車、全車超低PM車の設定。サブネームを使わずに日野レンジャーと名乗る。
- 2005年 新長期排出ガス規制に適合、CNG車の設定。
- 2006年 全車低排出ガス重量車(排ガス記号BDG-)に認定。
- 2007年 積載性を確保した中型免許対応車を新規に設定。
[編集] ラインナップ
- FC (駆動2-4D、積載4tクラス、ショートキャブ)
- FD (駆動2-4D、積載4tクラス、フルキャブ)
- GC (駆動2-4D、積載6tクラス、ショートキャブ)
- GD (駆動2-4D、積載6tクラス、フルキャブ)
- FJ (駆動2-4D、積載8.5tクラス、ショートキャブ)
- FE (駆動2-4D、積載8.5tクラス、フルキャブ)
- FG (駆動2-4D、積載9tクラス、フルキャブ)
- GK (駆動2-4D・4D、積載11.5tクラス、フルキャブ)
- FX (駆動2D-4D、積載4tクラス、フルキャブ)
- GX (駆動2D-4D、積載6tクラス、フルキャブ)
[編集] レンジャーとダカールラリー
レンジャーを語るうえで忘れてはならないのがダカール・ラリーでの活躍だろう。
1991年の第13回大会から日本車で唯一カミオン(トラック)部門に参戦しており、カマズ(ロシア)やタトラ(チェコ)、ダフ(オランダ)、メルセデス・ベンツ・ウニモグ(ドイツ)等の欧州勢を相手に部門トップ争いを繰り広げている。
ダカールラリー仕様のレンジャーは大型タイヤを装着しているとはいえ長さ6.1m×幅2.3m×高さ3.1m、ターボ付きJ08Cエンジンの最高出力は260PSと数値的には小柄だが、小柄ならではの取り回しの良さと総重量7tという軽さを武器に大排気量・高出力エンジンを搭載するライバルを脅かすことも多い。 1991年大会の選手の負傷によるリタイヤ1台を除けば完走率は100%で、排気量10リットル未満に限れば”常勝”だが、1997年の第19回大会ではカミオン部門総合トップ3を独占する快挙を達成した。
レンジャーでダカールラリーに参戦する日本レーシングマネジメント・チームスガワラの菅原義正選手は1983年の第5回大会から参戦しているベテランで、当初は二輪部門だったが四輪部門を経て1992年の第14回大会からカミオンに転向、毎回完走を果たしている(四輪部門を含めると1988年の第10回大会から通算18年連続)。2005年の第27回大会からはコ・ドライバーやメカニックとしてダカールラリーに参加していた息子の菅原照仁選手もチームスガワラ2号車のドライバーを務め、2007年現在3年連続で親子揃って完走している。 なお1995年の第17回大会からは、全国の日野自動車販売会社からチームのメカニックを選抜してダカールラリーに参戦する体制を取っており、この選考に応募する社員も多い。
[編集] ダカールラリー・カミオン部門におけるレンジャーの成績
年 | 大会 | ドライバー | 順位 |
---|---|---|---|
1991年 | 13 | J-P.ジョッソー(フランス) J-P.ライフ(オーストリア) J.プティ(ベルギー) J-C.シュマラン(フランス) |
7 10 14 リタイヤ(負傷) |
1992年 | 14 | J-P.ライフ(オーストリア) J-P.ジョッソー(フランス) 菅原義正 J.プティ(ベルギー) |
4 5 6 10 |
1993年 | 15 | 菅原義正 | 6 |
1994年 | 16 | 菅原義正 | 2 |
1995年 | 17 | 菅原義正 | 2 |
1996年 | 18 | 菅原義正 柴田英樹 |
6 11 |
1997年 | 19 | J-P.ライフ(オーストリア) 菅原義正 J.プティ(ベルギー) |
1 2 3 |
1998年 | 20 | 菅原義正 | 2 |
1999年 | 21 | 菅原義正 | 4 |
2000年 | 22 | 菅原義正 | 5 |
2001年 | 23 | 菅原義正 | 2 |
2002年 | 24 | 菅原義正 | 3 |
2003年 | 25 | 菅原義正 | 5 |
2004年 | 26 | 菅原義正 | 5 |
2005年 | 27 | 菅原義正 菅原照仁 |
2 6 |
2006年 | 28 | 菅原義正 菅原照仁 |
5 7 |
2007年 | 29 | 菅原照仁 菅原義正 |
9 13 |
[編集] 主なCM出演者
普通型トラックとしては珍しく、TVでおなじみの著名人を起用した。特にクルージングレンジャーはそのスタイルの美しさで武骨なイメージを払拭させた。