杉本苑子
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杉本 苑子(すぎもと そのこ、1925年6月26日 - )は、日本の小説家。東京都出身。文化学院卒。
1952年、「燐の譜」で『サンデー毎日』の懸賞小説に入選。選考委員である吉川英治に師事する。吉川死去の翌年、『孤愁の岸』で直木賞を受賞。以後、歴史小説家として活躍。
1985年に『春の波濤』(原作『マダム貞奴』、『冥府回廊』)をNHK大河ドラマとして放映される。劇場上演作多数。
[編集] 受賞歴
- 1951年 「申楽新記」でサンデー毎日百万円懸賞小説佳作
- 1952年 「燐の譜」で第42回サンデー毎日大衆文芸賞入選
- 1962年 『孤愁の岸』で第48回直木賞
- 1977年 『滝沢馬琴』で第12回吉川英治文学賞
- 1986年 『穢土荘厳』で第25回女流文学賞
- 1987年 紫綬褒章
- 1995年 文化功労者
- 1997年 熱海市名誉市民
- 1999年 NHK放送文化賞
- 2002年 第50回菊池寛賞/文化勲章
[編集] 作品リスト
- 孤愁の岸(1962年、講談社)
- 二条ノ后(1963年、南北社)
- 華の碑文(1964年、講談社)
- 傾く滝(1969年、講談社)
- 春日局(1970年、読売新聞社)
- 今昔物語ふぁんたじあ(1972年、読売新聞社)
- 鶴渡る(1972年、双葉社)
- 埋み火(1974年、文藝春秋)
- 玉川兄弟(1974年、朝日新聞社)
- マダム貞奴(1975年、読売新聞社)
- 終焉(1977年、毎日新聞社)
- 滝沢馬琴(1977年、文藝春秋)
- 夜叉神堂の男(1979年、東京文芸社)
- 檀林皇后私譜(1981年、中央公論社)
- 二条院ノ讃岐(1982年、中央公論社)
- 島影の関(1982年、読売新聞社)
- 絵島疑獄(1983年、毎日新聞社)
- 冥府回廊(1984年、日本放送出版協会)
- 穢土荘厳(1986年、文藝春秋)
- 新とはずがたり(1990年、講談社)
- 鎌倉時代後期、後深草上皇寵姫・中院雅忠女(1258年生、通名・後深草院二条)による、宮廷女流文学『とはずがたり』を小説化。原典は、宮廷女房時代の経験を赤裸々に回想する日記文学的前半と、宮廷退出後、出家し全国を女西行さながらに放浪してゆく過程を記録した、紀行文学的後半に大きく分かれるが、この作品では原典の前半部分に焦点を当てている。小説化にあたって、雅忠女の愛人の一人で、当時一流の宮廷政治家であった、西園寺実兼の視点で物語を再構築しており、原典では書かれていない、北条執権家を軸とする鎌倉幕府の内紛や二度にわたる元寇、時宗開祖一遍の台頭など、当時の政治・文化的世相がエピソードとして盛り込まれている。
- 散華(1991年、中央公論社)
- 竹ノ御所鞠子(1992年、中央公論社)
- 天智帝をめぐる七人(1994年、文藝春秋)
- 風の群像(1997年、日本経済新聞社)
- 悲華 水滸伝(1998年、中央公論社)
- 杉本苑子全集全22巻(1997年~1998年)