水素化ナトリウム
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水素化ナトリウム | |
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IUPAC名 | |
別名 | |
組成式 | NaH |
式量 | 23.99 g/mol |
形状 | 白色固体 |
結晶構造 | |
CAS登録番号 | [7646-69-7] |
密度と相 | 1.396 g/cm3, 固体 |
水への溶解度 | g/100 mL ( ℃) |
融点 | 800 ℃(分解) |
沸点 | ℃ |
出典 |
水素化ナトリウム(すいそか—、sodium hydride)は化学式 NaH で表わされるナトリウムの水素化物である。
[編集] 性質
可燃性の高い腐食性の化合物で、強い塩基である。水との接触によって水素と水酸化ナトリウムが発生するが、ほとんどの場合爆発的に反応が起こり、また炭素の存在下では一酸化炭素や二酸化炭素ガスが生成することもある。主として非常に強い塩基として用いられ、フェノール、ピラゾール、スルホニウム塩など多くの弱いブレンステッド酸からプロトンを引き抜く。
一般的な溶媒への溶解度は非常に低く、反応は表面のみで起こる。通常はテトラヒドロフラン中で使われる。ジメチルスルホキシドとともに加熱すると、可溶性の塩基が生成する。この塩基は硫黄イリドを調製してケトンをエポキシドに変換する反応に用いられる。また、アセチルアセトナートに類似した構造を持つ配位子である、ジチオイミドジホスフィナート (dithioimidodiphosphinate, R2P(S)−NH−P(S)R2) の合成に用いられたこともある。
多くの試薬会社から、60% のオイルディスパージョン(鉱油混合物)の形で販売されている。このようなディスパージョンは純粋な固体よりも取り扱いが安全である。ヘキサンなどで鉱油を洗い流してから使用することもある。
[編集] 製造
鉱油中に金属ナトリウムの微粉末を懸濁させたもの、または溶融させたナトリウムに対し、水素ガスを通じて得る。
- 2 Na + H2 → 2 NaH
[編集] 関連項目
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