流星人間ゾーン
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『流星人間ゾーン』(りゅうせいにんげんゾーン)は、1973年(昭和48年)4月2日から同年9月24日まで日本テレビ系で毎週月曜日19:00 - 19:30に全26話が放送された、東宝制作の特撮テレビドラマ、およびそれに登場する架空のヒーロー。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
平和な星ピースランド星は、ガロガバラン星人の侵略をうけ、壊滅する。ピースランド星人たちはファミリーごとに宇宙船パンドラカプセルに乗りこみ、安住の地を求めて流星人間となった。彼ら難民のうち、地球に辿り着いたある一家は、地球人「防人(さきもり)家」としての生活をスタートさせた。
しかし、地球を第二の征服目標と定めたガロガは宇宙要塞ステーションを建設し、恐獣ミサイルを地球に送り込む。地球を第二の故郷と思う防人一家は、地球人としてまた流星人間ゾーンとして、ピースランドの二の舞を阻止すべく、敢然とガロガを迎え撃つのであった。
東宝の作品だけに、ゴジラやキングギドラなどの「怪獣ゲスト」が売りの一つであった。本多猪四郎や福田純が監督を務めるなど、映画ゴジラシリーズのスタッフも多く関わっている。ゴジラがゾーンを助けに来てくれたお礼か青山一也は1974年の「ゴジラ対メカゴジラ」に出演している。(ただしゾーンファイター/防人光としての登場ではない。ファンの間ではゴジラがゾーンを助けに来たのになぜゾーンに変身してゴジラを助けないのかと思うファンも多い。)
が、しかし、ストーリーは完全に子供向けで、怪獣とジャンケンで闘ったり輪投げで勝負をするというヒーロー番組としてはかなり異色の勝負をしたことでも知られる。
「ウルトラマンA」のスタッフが関っており、ゾーンファイターの声に3話からウルトラマンAの声が流用されている。
尚、最終回である第26話「粉砕!ガロガガンマーX作戦」は、特に大団円を迎える話というわけではなく、最終回らしかぬ不自然な終わり方になっている。このように、何故ストーリーが完結しないまま話が終了したかは不明。
[編集] 登場人物
[編集] 防人一家
- 防人光(ゾーンファイター):青山一也
- 長男。二段変身で巨大化する。
- 普段は自動車メーカーにテストドライバーとして勤務しており、なかなか優秀な成績を出している。責任感が強く、無理にケガを押して戦闘に参加することもあった。また、わりと女性にモテるらしく、第22話ではちょっとしたお惚気ぶりを見せたりもした。家族思いで明るい性格だが、ガロガにだけは激しい闘志を燃やす。
- 防人螢(ゾーンエンジェル):北原和美
- 長女。活動的な性格の持ち主であり、単独で敵地に潜入するなど光に引け劣らない活躍をみせる。普段は高校に通っている。
- 防人明(ゾーンジュニア):佐藤賢司
- 次男。ゾーンファミリーの末っ子で、普段は小学校に行っている。しかし、ひとたびガロガによる事件が起これば兄達と共に敵と戦う。活発で好奇心旺盛な性格ゆえ、危機に陥ることも少なくない。だが、逆にその行動が家族の危機を救ったこともあった。
- 防人陽一郎:中山昭二
- ゾーンファミリーの大黒柱で、地球人としての仮の姿は「防人おもちゃ研究所」の経営者。やさしくて面倒見がよく、時には最前線で恐獣やガロガと戦うこともある頼れる父親であり、家族からの信頼も厚い。
- 防人月子:上月左知子
- 3人の子供達の母親。ガロガと戦う子供達をいつも心配している。他の面々と違って最前線に赴くことは滅多にないが、子供たちにやさしくアドバイスを送る。しかし、ガロガに対する怖れを露にすることもあった。
- 防人雷太:天草四郎
- 光たち3人の祖父にして、ゾーングレートという別名をもつ。変身能力は持っていないか失っているようだが、変身しなくても様々な超能力が発揮できる。特に孫達の危機のときには率先して手を貸し、事態の打開に努めていた。基地にあるレバーを操作することで任意の場所に雷雲を出現させる超能力「ボルトサンダー」(6話では「雷撃」と呼称)を使えるが、体力を急激に消耗するために多用はできない。
[編集] ガロガバラン星人
通称ガロガ。戦闘本能と征服欲に取り付かれ、多くの星を滅ぼしてきた宇宙人。ガロガロックと呼ばれる長い触角と醜悪な顔が特徴。恐獣と呼ばれる巨大生物を侵略兵器として使用する他、自ら恐獣となって巨大化する事も可能。地球近辺の宙域に宇宙ステーションを築き、そこから恐獣ミサイルを発射して地球に送り込む。
- ゴールドガロガ
- 地球侵略部隊の司令官。多くの部下を率いて侵略計画を進める。
- レッドガロガ
- ガロガの幹部の一人。14話で恐獣デッドラゴンに変身してゾーンファイターと戦うが、流星ミサイルマイトを受けて敗死した。
- シルバーガロガ
- ガロガの雑兵。3人一組で合体して恐獣になる。地球では水かきのついた人間に変身して暗躍する。人間に変身する(あるいは元の姿に戻る時)は『ズビダラガロガ!』、恐獣に変身する時は『ズビダラスポリボリボガロガ!』の掛声とともに変身する。
- ナレーター : 小林清志
[編集] 登場ヒーロー
- ゾーンファイター(等身大)
- 防人家の長男である防人光が、「ゾーンファイト・パワー!」のかけ声で変身した戦闘スタイル。格闘能力とメーザーショットを武器に、ガロガと戦う。
- ゾーンファイター(巨大)
- ゾーンファイター(等身大)が(4話Aパートのみ防人光から直接)「ゾーン・ダブルファイト!!」のかけ声で二段変身した姿。見た目上の変化は顔およびベルトのみで、それ以外の部分は等身大のときと変わらない。主なエネルギー源は太陽光線であり、そのエネルギー残量はバックルの部分に出現したゾーンメーターに表示される。
- 通常時ではゾーンメーターは青であるが、エネルギーの残量にしたがって「青→黄→赤」と変化し、赤の点滅になると残りの行動時間が110秒になってしまう(いきなり青から赤に変わることもあった)。但し、ファイターのエネルギーは額についているゾーンマーカーからいつでも補給することができ、エンジェルとジュニアが自分達のエネルギーを直接補給するかスモーキーを使って行う、ゾーンマーカーチェンジによってエネルギーを回復させていた。
- 飛行能力を備え、宇宙も飛べる。多彩な武器・技を駆使してガロガの送り込む恐獣と戦った。
-
- ゴジラシリーズでは最強と言われたキングギドラを単独で倒しているため、ファンから「特撮史上最強のヒーロー」と揶揄されることがある。
- 必殺技
- 流星ミサイルマイト
- 一定のポーズを取り、「流星ミサイルマイト!」のかけ声とともに閃光を伴って両腕に装着される強力武器。高い威力を誇るプロトンミサイルを打ち出し、恐獣に致命傷を与える。片手打ち・両手打ちの2パターンがあり、飛行しながらの両手打ちも第25話で見せた。第1話から使用され、ほとんどの敵を葬った。光線をフィルムに合成するのではなく、腕に仕込んだ花火を実際に発射するという豪快な手法が、特撮ファンの間では語り草になっている。なお、3話・4話のみ発射時の効果音が異なったものになっている。
- 流星プロトンビーム
- 額のゾーンマーカーから打ち出す高威力の破壊光線。自らのプロトンエネルギーを収束して打ち出す光線で、ミサイルマイトと同等かそれ以上の威力をもっている。初使用は第4話で、スパイラーへのとどめとして使われた。
- 流星ハンドカッター
- 手から発射する赤いくさび型のカッター光線。敵の首や武器を切り落とすのに使った。初使用は第3話の対ドロラ戦。
- 流星風車(かざぐるま)
- 空中で高速回転し、その回転力を利用して敵に強烈なフライングパンチを加える技。番組の中盤で特に多用された。
- 流星ゾーンバリヤー
- 両手で虹色の輪郭を描いて作り出す防護壁。第4話でワルギルガーの攻撃を防いだ。
- 流星ジェット
- 第6話における金星での対決で使用した、背中からのジェット噴射。重力の違いによって素早い動きのできないファイターがキングギドラに組み付くために使用した。
- 流星反射バリヤー
- 第6話のキングギドラ戦で使用。敵の引力光線を跳ね返した。
- 流星フリーザー
- 手の先から出す、冷凍ガス。
- 流星ダブルアンチミサイルマイト
- 第22話の対スーパージキロ戦で使用した、ミサイルマイトをカスタマイズした武器。スーパージキロの装備している“アンチミサイルマイト”に対抗すべく、雷太の「負けて勝つ」と言う発案で作られた。外見はミサイルマイトと大差ないが、敵の打ち返したミサイルマイトの弾丸を再び銃口から回収する機能を持ち、さらに強力な威力のプロトンミサイルを打ち返すことができる。
- 流星隕石崩し
- 2段ジャンプした後、逆さに急降下しながらの背後からのパンチ。
- 流星プロトンガスト
- ドロラの張り巡らした四次元ネットをこの技で解除した。
- 流星タッチパワー
- 落ちていた木を使って静電気をおこし、それでガロボーグの体内の機械を破壊した。
- ゾーンエンジェル
- 長女、蛍が変身した姿。
- ゾーンジュニア
- 次男、明が変身した姿。
- ゴジラ
- ゾーンファミリーに協力する正義の怪獣王。ゾーンファイターがピンチに陥ったときに、エンジェルやジュニア達がゾボットを使って呼び寄せる。格闘技に優れており、シリーズ中5回登場している。初登場は第4話「来襲! ガロガ大軍団 -ゴジラ登場-」。このゴジラの着ぐるみは『ゴジラ対メガロ』のもの。必殺技は「放射能熱線」。
[編集] 登場メカ
- マイティーライナー
- ゾーンファイターの愛車。ライナービームなどの攻撃技も多彩。日産・スカイライン・2ドアHT(GC110型:通称ケンメリ)と同じ外形をしており、前後のタイヤを各フェンダー内に格納し、更に前後フェンダーの下部から主翼を展開して小型戦闘機に変形することが出来る。大気圏内はもちろん、宇宙空間も飛行可能である。
- スモーキー
- 主にゾーンエンジェルとジュニアが使用する偵察・攻撃用小型メカ。ファイターが戦闘で疲れ、危機を迎えた時に、体力を回復させる為の「ゾーンマーカー交換(チェンジ)」を行なう。
- パンドラカプセル
- ゾーンファミリーが地球に飛来するために使用した大型宇宙船。レーザー類の武器も装備している。
- ゾボット
- 通信、伝言機能を持つ小型メカ。伝書鳩のように使われる。
- メーザーショット
- 3人が携帯する銃。
- 恐獣ミサイル
- ガロガバラン星人が、他星を侵略する際に恐獣を入れて落下させるミサイル。
[編集] スタッフ
- 監修:田中友幸
- 企画:高橋薫明、土門弘
- プロデューサー:衛藤公彦、高橋修之、西川喜男
- 監督:福田純、本多猪四郎、古澤憲吾、小栗康平、他
- 音楽:三沢郷
- 特殊技術:中野昭慶、川北紘一、神沢信一
- 制作:東宝映像、萬年社
[編集] 主題歌
- 「流星人間ゾーン」
- 作詞:石狩あきら/作曲:三沢郷/歌:子門真人、少年少女合唱団みずうみ
- 「流星ビクトリー」
- 作詞:石狩あきら/作曲:三沢郷/歌:子門真人/セリフ:子門真人、北原和美
[編集] サブタイトル
話数 | サブタイトル | 登場恐獣 |
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1 | 恐獣ミサイル 爆破せよ! |
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2 | やっつけろ! デストロキング |
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3 | たたけ! ガロガの地底基地 |
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4 | 来襲! ガロガ大軍団 -ゴジラ登場- |
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5 | キングギドラをむかえ撃て! | |
6 | キングギドラの逆襲! | |
7 | ゾーンファミリー 危機一髪! |
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8 | 倒せ! 恐怖のインベーダー |
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9 | 追え! レッドスパイダーの秘密 |
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10 | 絶体絶命! ゾーン・ファイター |
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11 | 間一髪 ゴジラの叫び! | |
12 | 恐獣基地、地球へ侵入! |
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13 | 戦慄! 誕生日の恐怖 |
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14 | 猛り狂うぞ! ガロガ少年隊 |
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15 | 沈没! ゴジラよ東京を救え |
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16 | 恐怖の襲撃! ガロガ・ロボット |
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17 | GO! ファイター緊急発進 |
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18 | 指令「日本列島爆破せよ」 |
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19 | 命令「Kスイ星で地球をこわせ | |
20 | 激闘! ファイターの歌が聞える |
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21 | 無敵! ゴジラ大暴れ |
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22 | 逆襲! スーパージキロを倒せ! |
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23 | 大恐獣バクゴンの秘密 |
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24 | 鍼吹き恐獣ニードラを倒せ! |
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25 | 凄絶! ゾーン・ゴジラ対恐獣連合軍 |
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26 | 粉砕! ガロガガンマーX作戦 |
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[編集] 外部リンク
日本テレビ系 月曜19:00枠 | ||
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ワイルド7 | ぼくは叔父さん |
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