満月の夕
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満月の夕(まんげつのゆうべ)は、日本の2つのロックバンド、ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬とヒートウェイヴの山口洋が共作した楽曲のタイトルである。この歌では、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の惨状、復興への厳しい現実、それらに向き合おうとする人々の姿が描かれている(震災当日の夜には満月がのぼっていた)。なお、タイトル「満月の夕」の「夕」は「ゆうべ」とよむ。
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[編集] ソウル・フラワー・ユニオン版
- 作詞は中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)、作曲は中川敬と山口洋(ヒートウェイヴ)の共作である。
- 1995年10月1日にシングルとしてリリースされた。そのシングル・ヴァージョンの他にも、以下のヴァージョンが発表されている。
- ソウル・フラワー・ユニオンのライヴ・アルバム『High Tide And Moonlight Bash』(1999年12月)と、前掲『MARGINAL MOON』には、この曲のライヴ・ヴァージョンが収録されている。
- 関西に活動拠点を置くソウル・フラワー・ユニオンは、その後、被災した各地の避難所を数多く訪れて、復興支援ライブを行っている。
[編集] ヒートウェイヴ版
- 作詞・作曲は、山口洋と中川敬の共作である。歌詞はソウル・フラワー・ユニオン版と異なる。
- ヒートウェイヴの5thアルバム『1995』(1995年8月)に収録されている(同アルバムからシングルカットされた「BRAND NEW DAY/WAY」のCW曲としても発売された)。また、のちに発表されたベストアルバム『LONG LONG WAY -1990-2001-』(2001年6月)にも収録されている。
- ソウル・フラワー・ユニオン版よりもテンポがスローで、ロックバラードの趣がより強い。
- 演奏にはソウル・フラワー・ユニオンの中川敬が三線と囃子で、伊丹英子が三板と囃子で、それぞれ参加している。
- ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬とヒートウェイヴの山口洋はかねてより親交が深かった(「盟友関係にあった」といってもよい)。その中川に招かれて被災地を訪れた山口もまた、その惨状を目にして思わず言葉を失った。2人で何かできることをやろう、という両者の気持ちがこの曲を共作させたともいえる。
[編集] 「満月の夕」をカバーしたアーティスト
- 2つのバンドのメンバーたちの活動によってこの曲は広く知られるようになったが、震災から8年たった2003年には、以下のとおり、複数のアーティストによって、同曲のカバーが発表された(歌われる歌詞は、アーティストにより、ソウル・フラワー・ユニオン版、ヒートウェイヴ版、そして両方の混在版がそれぞれ選択されている)。