特別裁判所
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特別裁判所(とくべつさいばんしょ)とは、特別の身分を持つ人もしくは特別の事件について、司法権を行使する裁判所をいう。通常裁判所に対する用語である。
かつて、明治憲法下においては、司法権は天皇から裁判所に委任された形をとり、これが司法権の独立を意味していた。大審院・控訴院・地方裁判所・区裁判所の系統以外に、大審院に上訴できない裁判所として、軍法会議(軍隊内の裁判)、行政裁判所や皇室裁判所などが置かれていた。
第二次世界大戦後に成立した日本国憲法(昭和21年憲法)では、次の通り、特別裁判所の設置を禁止している。すなわち、司法権は、第67条第1項の規定により「最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する」とし、第2項の規定により「特別裁判所は、これを設置することができない」としている。 ただし、日本国憲法が明文で認める(一種の)特別裁判所(司法権の帰属の例外)が2つある。第1に、公の弾劾による罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するために国会に設けられる裁判官弾劾裁判所がある(第64条)。第2に、国会議員の資格争訟について、その議員が所属するそれぞれの議院が行う裁判がある(第55条)。裁判官弾劾裁判や、議員の資格争訟の裁判に関しては、通常の裁判所への出訴を行うことはできず、最高裁判所への上訴を行うこともできない。