犬越路
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犬越路(いぬこえじ)は、相州足柄上郡中川(現山北町)と同津久井町青根(現相模原市)の境にある標高1060m余りの峠である。峠には東海自然歩道(ハイキングコース)が係り、かながわの景勝50選に列せられている。鞍部を越す旧来の峠の西方700mを犬越路林道の犬越路隧道(全長約800m)が貫く。
神奈川県道76号山北藤野線は、東海自然歩道に沿い、白石沢用木沢出合より神ノ川日陰沢橋に至る迄が未開通(車両通行不可)である。県道の未開通部分を迂回するように、中川箒沢(ほうきざわ)の奥から延びる犬越路林道が峠の西方700mを隧道で貫き、神ノ川林道に接続して日陰沢橋に通じている。但し、左記林道には車止めゲートが設置され、一般車両の通行は規制されている。
[編集] 地名説話
地名に関して以下のような伝承があるが、勿論、事実とは認められない。
源平合戦の鵯越を思わせる伝承であるが、甲斐国中から小田原を攻めるに、犬の群を引き連れて月夜野(辺境とはいえ小田原領)まで下り、神ノ川を遡り峠を越え中川に至るとは甚だ不合理な経路である。又、犬に先導させる理由もない。寧ろ、犬に先導させたとて馬で越せる峠ではない。甲陽軍鑑にも逸話が無い。甲軍の経路については甲斐国史や新編相模國風土記の記述も若干混乱しているが、城ヶ尾峠の三ヶ瀬古道か切通峠を通ったと考えるべきである。
なお、三角点の名称が「イノコイシ峠」となっていることから「犬越路」という表記が確立したのは明治以降と考えられる。
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