琉米親善
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琉米親善(りゅうべいしんぜん、Ryukyuan-American Friendship)とは、復帰前の沖縄において、米国民政府が中心となって行ってきた官製の親善促進活動で、一種の宣撫工作のことである。
よって、沖縄住民とアメリカ人の民間における純粋な交流活動については、ここではふれない。
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[編集] 概要
初期の活動は、児童に対するプレゼントや行事の開催など、各地で任意に行われてきた。1950年代になると、米国民政府が組織的に進めるようになり、米軍部隊も積極的にボランティア活動をするようになった。1950年代後半には、自治体ごとに琉米親善委員会 (Ryukyuan-American Friendship Committee) が組織され、官民合同の親善活動が推進された。1960年代に入ると、アメリカ陸海空軍及び海兵隊に、親善活動対象地が割り当てられ、現地においてボランティア活動を実施した。
しかし、復帰運動の高まりとともに次第に低調になっていった。
[編集] 琉米親善活動の一覧
[編集] 米琉親善記念日の制定
1853年5月26日のペリー提督来琉を記念して、5月26日を米琉親善記念日に定め、様々な記念行事が行われた。その後、この日の前後1週間を米琉親善週間と定めた。
[編集] 広報活動
- 月刊誌「今日の琉球」
- 1957年に創刊された米国民政府発行の月刊誌である。米国民政府の宣伝や施策の解説や琉米親善活動の記事が多かった。
- 月刊誌「守礼の光」
- 1959年に創刊されたPR用の月刊誌である。上記の「今日の琉球」とは異なり、主として沖縄文化やアメリカの歴史などを紹介し、親しみやすく編集されていた。
[編集] 琉米親善委員会の組織化
1950年代後半に、琉米相互の親善と理解を図ることを目的とした琉米親善委員会が組織された。しかし、親善団体というよりは、米国民政府に対する援助要請窓口という色彩が濃くなっていった。
[編集] 文化施設の建設
- 琉米文化会館 (Ryukyuan-American Cultural Center)
- 琉米親善センター (Ryukyuan-American Friendship Center)