痛みの基準はハナゲ
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痛みの基準はハナゲ(いたみのきじゅんははなげ)とは、1997年から1999年頃にかけて、主にチェーンメールによって流布したジョーク。しかし、一部ではそれを真実と思い込む者がいたため、都市伝説とされることもある。
[編集] 内容
国際標準化機構(ISO)によって、人間の痛みの感じ方についての統一単位「ハナゲ」(hanage)が制定され、「長さ1センチの鼻毛を鉛直方向に1ニュートンの力で引っ張り、抜いたときに感じる痛み」が「1ハナゲ」と定義された、とするものである。ハナゲの痛みには性差や個人差はない事が発見されたため、ハナゲが痛みの単位に選ばれたのだという。
[編集] 実態
実際に人が感じる痛みの量には個人差がある。また、それを計量したり大小を比較したりする手段もなく、このような定義は存在しない。
元々、やゆよ記念財団という、ネタとしての嘘ニュースを執筆し公開しているwebサイトにおいて、1995年に発表された作品である。さらに同サイトを運営しているやゆよ氏がこのネタを初めて発表したのは1990年代前半のパソコン通信、ニフティサーブのコメディフォーラムの「嘘情報」会議室にまでさかのぼる。
また、このチェーンメールがきっかけでBSフジで放送されていた「宝島の地図」という番組から「悪さ」「はかなさ」などの単位を作る「新しい単位」というコーナーが生まれた。後に出版された書籍版は「めざましテレビ」等で紹介され、30万部を超えるベストセラーとなった(その後、書籍版の第2弾とDVD版も発売された)。
2007年になると、ニプロが電気刺激を利用し人間の痛みの最小限値を測定し、そこから痛みの感覚を数値で測定する機器「Pain Vision」を開発した。