チェーンメール
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チェーンメール(英:chain mail, chain letter)は、連鎖的に(チェーン)不特定多数への配布をするように求める手紙である。かつて「不幸の手紙」や「幸福の手紙」と呼ばれたものが典型的な例である。チェーンレターとも。
郵便が発達した20世紀に始まり、その後電子メールや携帯電話が一般的になったことによって、広まる速さが加速した。 不特定多数への配布が特徴的な天使の手紙(独語:Himmelsbrief)と呼ばれるものは中世にもあり、チェーンメールの元祖と目されている。
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[編集] 特徴
チェーンメールは、メールの最後に「このメールを~人の人に送ってください」といった内容のことが書かれているのが特徴である。そして「止めると殺される」などの脅し文句が入っていることも多いが、その逆に「~のために広めてください」と積極的な流布が社会に貢献するかのような文句がつけられていることもある。
内容としては、「~が殺されたので犯人を探している」「こんなコンピューターウイルスが出回っています」などの場合がほとんどであるが、「芸能人が○○に現れる」「お金持ちになる方法を教えます」というものも出回っている。
チェーンメールは人の手をわたる間に内容が変化する。単なる書き間違いである場合が多いが、より多くの人を引っ掛けるために説得力のある文に書き換えられるということもある。
本当のメールとチェーンメールの見分け方は語尾の「~人の人に送ってください」という文章である。書かれた内容は参考になることは少なく、信用できる友人から送られてくることが多いため注意が必要である。
インターネットなどのコンピュータネットワーク上では、迷惑メールの一種とされ、ネットワークへ高い負荷(トラフィック)を与える原因となる。
[編集] 代表的なチェーンメール
チェーンメールの代表作としては「Good Times」「橘あゆみ」などが挙げられる。 また「100人の村」や「時間銀行」などは稀に見る感動的な作品となっていると言われるが、チェーンメールであることには変わりない。
最近は「ミュージックバトン」に端を発する「ブログやホームページで回答する楽しげな質問集」が出回っている。これらも最終的に「○名の人に回して下さい」となっているためチェーンである。よって、回された相手に対する心理的負荷があることは憂慮される。(ただし、メールではないためにネットワークに対する負荷は少なく、質問集であるために個人的情報が多く嘘やデマは少ないため、チェーンメールとは別扱いされる。)
[編集] チェーンメールが招いた悪影響
チェーンメールは、特にインターネットなどのコンピュータネットワーク上では、迷惑メールの一種とされ、ネットワークに高い負荷(トラフィック)を与える原因となる。また、最近ではチェーンメールをきっかけに周囲が大きく振り回されるという悪影響が発生することもある。以下にその例を示す。
- 佐賀銀行取り付け騒ぎ
- 2003年12月に『佐賀銀行が経営不振』というチェーンメールが出回り、取り付け騒ぎが発生した。佐賀県警察は2004年2月にこのメールを送信した張本人を割り出し、信用棄損容疑で送検した。
- 子犬100匹殺処分騒ぎ
- 2003年2月に『京都市内で(ペットショップが倒産し)ミニチュアダックスフントの子犬100匹が飼い主が見つからなければ殺処分される』というチェーンメールが出回り、市民やメールを見た人たちがその身を案じて引き取り手を捜したり、役所や地元新聞社などへの問い合わせが殺到するなどして混乱に陥った。
- アフガン攻撃反対騒動
- 2001年9月に米国同時多発テロ事件が発生したが、その直後に『アフガン攻撃反対』の署名集めを目的とするチェーンメールが蔓延し、その結果国連情報センターのメールサーバーに深刻な障害が発生した。
- 新潟・小千谷市の更なる混乱
- 2004年10月に新潟県中越地震が発生、現地での不自由な生活が連日報道される中、『大人用紙おむつ…などを必要としている』旨のチェーンメールが出回り、「援助物資」として届けられるも過剰在庫となり、かえって混乱が発生する。
- テレビ番組企画詐称が相次ぐ
- 1999年ごろから「ザ!鉄腕!DASH!!(日本テレビ)」の企画と詐称したチェーンメールが相次ぐ。他にも「学校へ行こう(TBS)」「トリビアの泉(フジテレビ)」「24時間テレビ(日本テレビ)」などの企画と詐称するチェーンメールが事あるごとに出回り、各放送局が「無関係である。悪質な悪戯なので反応しないように」と告知している。
- 輸血騒動
- 「珍しい血液型の患者が手術を受けることになり、同じ血液型の人間を探している。」というもので、不定期に見られるチェーンメールである。大半は虚偽の病院名が書かれているなど実体がない物だが、2000年5月に流されたメールには実在の病院名が書かれていたため問い合わせが殺到し、業務が滞る事態となった。[1]
- テディベアウィルス
- jdbgmgr.exe(アイコンがテディベア)はウィルスだから削除しろ、このexeファイルがあれば感染しているから、アドレスブックに記載されている人全てにこのメールを転送するように…などと呼びかける。実際にはこのexeファイルは正規のプログラムであったが、信じて削除してしまう人が続出し、情報処理振興事業協会は注意を呼びかけた。[2]
[編集] 対策
対策は、「受取った人が次の人に転送しないこと」に尽きる。 1995年10月のRFC 1855 "Netiquette Guidelines(ネチケットガイドライン)" でも、送らないようにと呼びかけられている。
しかし、転送すべきでないと知っていながら「転送しないと悪いことが起きるのではないか」「転送しないとせっかくの善意が無下になるのでは」と迷った末に転送してしまう人も少なくない。転送しないと不安な人のために、日本データ通信協会では「携帯用チェーンメールの転送先」を用意し、ここへ転送するよう呼びかけている。
[編集] 不幸の手紙
不幸の手紙とは、「この手紙と同じ文章で、あなたの友人3人に出さないと不幸になります」というスタイルで送られてくる、悪意のある手紙のことである。たいてい、差出人不明である。
コンピューター上でのチェーンメールと異なり、自動的に送られる訳ではなく、手紙を書く作業が必要なため、大抵は連鎖せずに終わる事が多い。
余談だが、ドラえもんのコミックス15巻「不幸の手紙同好会」でスネ夫が不幸の手紙をのび太に送り、「十日以内に必ず29人の人に出せ」という話がある。
ちびまる子ちゃんでも、藤木が不幸の手紙を受け取り、 出したのに不幸になったという話しもある。
不幸の手紙の変種に「棒の手紙」というものがある。棒の手紙を題材とした作品としては、折原一の『チェーンレター』などがある。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- チェンメ屋 日本最大級のチェンメ集サイト。
- 携帯用チェーンメールの転送先((財)日本データ通信協会迷惑メール相談センター)
- これが棒の手紙だ!! 不幸の手紙の変種「棒の手紙」の解析。作家山本弘のサイト内。