笑ってポン!
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笑ってポン!は、1983年7月6日から9月28日までTBSテレビ系[1]で放送されたビートたけし出演のバラエティ番組である。番組名のネーミングセンスのひどさや、低視聴率のためという当時としては珍しく1クールで打ち切りになったことも相まって、一部では伝説の番組と言われている。
たけしがよく「3回で打ち切りになった」とネタにしているが、実際は12回放送している。
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[編集] 概要
この番組名を付けたのはプロデューサー(当時)の桂邦彦。あまりのセンスのひどさにビートたけしのオールナイトニッポンでもたけしや高田文夫にさんざんネタにされた。また景山民夫は著書の中で、企画会議でさんざんネーミング案を出させた挙げ句、結局最後は桂自身の思いつきで腰くだけなタイトルに決定させてしまったことに呆れている[2]。
その後、同じ桂が担当したヒット番組『風雲!たけし城』において「キノコでポン」「すもうでポン」「コリントでポン」といったゲーム名の元ネタにもなり、それからも「○○でポン!」というフレーズが様々な所で引用されている(『THEわれめDEポン』『パネルでポン』『ミルモでポン』など)[3]。
放送時間は毎週水曜19:00-19:54。この番組枠はTBS伝統のアイドル枠(木曜19時)[4]が移行してきたもので、たのきんトリオや松本伊代などを主役に迎えたバラエティ番組が続いていたが、リニューアル後の『突撃HOTスタジオ!』にコメディーリリーフとしてビートたけしが加わり、よりお笑い番組の要素が強くなる。しかしながら当時『Dr.スランプアラレちゃん』や『うる星やつら』(いずれもフジテレビ系)や『連想ゲーム』(NHK総合)という強力な裏番組があったため視聴率は低迷、半ばヤケ気味で始めた番組とも言える[5]。
番組テーマソングも一応メロディはあったが、歌詞が出演者の名前だけといった代物で、出演者が自分の名前を歌うのだが、決まってビートたけしは無気力に歌っていた。
『笑ってポン!』打ち切り後は枠を30分に縮小、『たけしのお笑いサドンデス』(2クール)・『たけしのホッカホッカ・タイム』(1クール)となり、完全にたけしメインの番組となる。『風雲!たけし城』が大ヒットするのは、その後1年7ヶ月のブランクを経てからだった。なお、ジャニーズ事務所が本格的にお笑い有りのバラエティ番組に関わるのは後年のことであるが、この番組がその先駆けとなったと言えなくもない。
ちなみに2000年4月15日には期首特番『新・笑ってポン2000』として(タイトルだけ)復活を果たした。
[編集] 番組内容
全編架空番組の番組案内。番組宣伝のパロディーコントである。司会は松本伊代。
- 紅白仮面
- 架空番組の一つ。ビートたけしが演じる勧善懲悪のヒーローという設定であるが、顔を縦に紅白に塗り分けた様がいかにも格好悪く、また結構弱い。近藤真彦が操縦する巨大ロボット「木人38号」と対決する。当初の企画では、この紅白仮面を近藤真彦にやらせようとしていたらしく、それを聞いたたけしも面白がっていたが、収録当日スタジオに行くと、自分が紅白仮面をやる事が決まっていて、近藤真彦がやるんじゃないのかと聞いた所「ジャニーズ事務所がそんな事許す訳ないだろ」とスタッフに言われたと、自身のオールナイトニッポンで発言している。毎回、ウルトラシリーズに登場した怪獣が出演し、円谷プロが協力としてクレジットされていた。
- ダジャレベストテン
[編集] 出演者・スタッフ
[編集] 備考
- 海部俊樹元首相の長男である海部正樹(アニメプロデューサー)はTBS社員時代にこの番組のADを経験している。
- 現在100円ショップの「ザ・ダイソー」等で販売されている台所用スポンジにこの番組のタイトルをもじった「洗ってポン!」という商品がある。
- 1998年に発売されたプレイステーション用ゲームソフト『バスト ア ムーブ』に「笑ってポン」という楽曲が登場する(作詞:榎本加奈子)。
- 番組スタッフ(又は身内の方)の葬儀の際、番組関係者一同として「『笑ってポン!』一同」の名で花環を出したところ、遺族に「ふざけるな!」と、怒られたという[6]。
- 漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に同番組のタイトル名が書かれた花輪が出てくるシーンがあるのは作者秋本治のマニア性から来る御愛嬌か。
- 『日経エンタテインメント!』2000年7月号に「有名な短命番組No.1」として掲載された[1]。
[編集] 外部リンク
- うる星裏番組全データ - 「笑ってポン!」の全回のラテ欄サブタイトル他も掲載されている。
[編集] 前後番組の変遷
TBS系 水曜19:00枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 笑ってポン! | 次番組 |
突撃HOTスタジオ! | 19:00-たけしのお笑いサドンデス 19:30-パソコン宇宙大作戦 |
[編集] 脚注
- ^ ただし、北陸放送と信越放送を除き、テレビ山口(当時フジテレビ系とTBSテレビ系とのクロスネット)を含む。TBSテレビ系列でありながら信越放送と北陸放送で放送されなかったのは、当時同時間に日本テレビの番組(『歌のワイド90分!』など)をネットしていたため。
- ^ また景山は、それ以前にバラエティ番組でのくだらないネーミングに警鐘をならしていたが、まさか自分が担当する番組がこのような最悪のネーミングになるとは思わなかったらしく、自著内で読者に謝っていた。
- ^ ちなみに「○○でポン」のキーワードでネット検索するとおびただしい検索結果がヒットする。
- ^ 『たのきん全力投球』『ピンキーパンチ大逆転』『パリン子学園No.1』などの番組があった。
- ^ ちなみに『突撃HOTスタジオ!』は7回で打ち切りの憂き目に遭っている。
- ^ たけしが面白おかしく話している為、信憑性は不明。