笑福亭福團治
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
笑福亭 福團治(しょうふくてい ふくだんじ)は、上方落語の名跡。初代笑福亭福松の系統。初代桂春團治系統の桂福團治と混同しやすいが、本来はこちらの方が古い名跡である。
1921年6月、初代桂春蝶が初代桂福團治に改名した際、既にこの笑福亭福團治を名乗る噺家がいたため、4代目笑福亭松鶴が抗議したという。しかし、当時人気絶頂だった初代春團治は、「桂」と「笑福亭」は亭号が違うので別にかまわん、と、これを一蹴した。
- 初代 笑福亭福團治(?)は、初代笑福亭福松の門下。活躍時期は明治期から大正期にかけてと思われる。晩年は神戸の寄席に出ていたという。本名、享年とも不詳。
- 2代目 笑福亭福團治(?)は、初代笑福亭福團治の門下。昭和40年頃まで、主に新世界の温泉演芸場(後の新花月)などに出演。面長で品のある役者顔であったという。十八番は『親子茶屋』『仔猫』『鹿政談』『平林』『国なまり』など。非主流派に属したため、地方巡業などで苦労を重ね、講談ネタや浪曲ネタなど、何でもこなしたという。本名、享年とも不詳。
[編集] 出典
- 『古今東西落語家事典』(諸芸懇話会・大阪芸能懇話会共編、1989年、平凡社、ISBN 458212612X)
- 『続・上方落語ノート』(桂米朝著、青蛙房、1985年)「笑福亭福團治」P71-79
- 『二代目さん 二代目桂春團治の芸と人』(河本寿栄著、青蛙房、2002年)「二人福團治」p27-28