箱根ビュー号
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箱根ビュー号(はこねびゅーごう)とは、かつて愛知県名古屋市と神奈川県箱根町を結んで運行されていた高速バスである。
この項では、同時期に愛知県名古屋市と静岡県伊東市を結んでいた伊豆スパー号についても記述する。
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[編集] 路線概説
JR東海バスの親会社であるJR東海の新幹線を補完する目的で、新幹線からでは乗り換えとなる観光地へ直行する輸送手段として開設された路線である。
免許上は、既に運行していた東名ハイウェイバスの路線免許を活用しており、運賃も東名ハイウェイバスに準じた設定とされている。「箱根ビュー号」は毎年3月20日~11月29日までの季節運行で1日2往復、「伊豆スパー号」は通年運行で1日2往復と設定された。
しかし、名古屋~箱根の所要時間が約4時間半、名古屋~伊東では約5時間と時間がかかりすぎることから、乗客数は低迷した。途中停留所の変更なども行なわれたが功を奏せず、「伊豆スパー号」は僅か3年で運行休止に追い込まれた。「箱根ビュー号」についてはJR東海バスが撤退後も、伊豆箱根鉄道単独での運行が続けられたが、乗客数は増加することはなく、1996年の運行を最後に運行を終了した。
名古屋地区から「関東の奥座敷」と呼ばれる観光地への直行便という路線設定は、近年は同様の条件の高速バス路線が各地で登場しており、時間にゆとりのある利用者層に受け入れられている路線も多いが、当時としては画期的な試みであった。しかし、当時の利用者には受け入れられなかった模様である。
[編集] 歴史
- 1990年3月29日 「箱根ビュー号」1日2往復で運行開始。季節運行(冬期運休)。
- 1990年4月26日 「伊豆スパー号」1日2往復で運行開始。
- 1991年6月1日 「箱根ビュー号」三島広小路駅に停車。
- 1991年7月20日 「伊豆スパー号」ダイヤ改正。東名静岡、長沢口、修善寺駅を新設。宇佐見駅口、伊東港は廃止に。
- 1993年4月1日 「伊豆スパー号」運行休止。同日より「箱根ビュー号」は愛称を「伊豆箱根号」に変更の上、伊豆箱根鉄道の単独運行に。
- 1996年11月29日 「伊豆箱根号」の運行を終了。
[編集] 運行会社
- JR東海バス
- 伊豆箱根鉄道(当時)(箱根ビュー号)
- 東海自動車(伊豆スパー号)
[編集] 経路
[編集] 使用車両
基本的には、4列シート34人乗りのスーパーハイデッカーが使用されていた。
JR東海バス・東海自動車は三菱エアロクィーンM・伊豆箱根鉄道では日産ディーゼル・スペースウイングを西工車体で導入していた。
廃止後、JR東海バスの車両は他路線に転用、東海自動車は貸切車に格下げ、伊豆箱根鉄道の車両は日東交通に売却されている。
[編集] 関連項目
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