箱根峠
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箱根峠(はこねとうげ)は、神奈川県(旧相模国)箱根町と静岡県(旧伊豆国)函南町の境に位置する東海道(国道1号)の峠。箱根山の外輪山を越え、標高は846m。
現在でも「国道1号最大の難所」と言われるほど険しい区間が多い。唱歌『箱根八里』では「箱根の山は天下の険 函谷関も物ならず」と詠われた。冬季は路面凍結に注意を要する。
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[編集] 歴史
箱根峠の山道は、古くから東海道の要衝であった。
[編集] 峠道の開設
律令時代に設けられた当初の東海道は箱根峠ではなく、箱根山北方の足柄峠を経由した。しかし、富士山の延暦噴火(800年-802年)のために通行が困難になったため、新たに箱根峠の街道が開かれた。その後足柄峠のルートも再開通したため、二つの街道が並存した。
[編集] 江戸時代
江戸時代になると、江戸幕府の五街道整備において、距離の短い箱根峠ルートが重視された。芦ノ湖畔には箱根の関が設けられ、幕府防衛のための関と位置付けられた。「入鉄砲に出女」つまり、江戸に侵入する鉄砲と江戸から逃げる女(江戸屋敷に住むことを義務付けられた大名の妻)を厳重に監視した。
[編集] 明治維新以後
1869年(明治2年)に関所は廃止され、自由に行き来することが可能になった。道路の東海道である国道1号は、箱根峠を経由する路線になっており、小田原から箱根峠までは箱根新道が建設されている。また箱根峠を迂回するルートとして、御殿場市を経由する国道246号の整備が進んでいる。
地形が急峻なため鉄道路線は箱根峠を避けて建設され、まず御殿場経由、次いで熱海経由で東海道本線が開通、東海道新幹線も熱海経由となった。また東名高速道路も御殿場経由となっており、近年は主要交通路としての重要性は薄らいでいる。
[編集] 交通
峠付近では、様々な道路が交差している。
- 国道1号:箱根峠の看板が見える。
- 静岡県道20号熱海箱根峠線
- 芦ノ湖スカイライン