湾岸ミッドナイト
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湾岸ミッドナイト | |
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ジャンル | カーバトル |
漫画 | |
作者 | 楠みちはる |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 週刊ヤングマガジン |
発表期間 | 1992年 - 連載中 |
巻数 | 既刊35巻 |
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湾岸ミッドナイト(わんがん- )は、楠みちはるが『週刊ヤングマガジン』誌上に連載中の漫画。
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日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
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目次 |
[編集] 概要
主人公・朝倉アキオが運転する「悪魔のZ」こと初代フェアレディZと、それを取り巻く人間模様を、そして主に首都高において自分たちが狂っていると自覚しながらも「悪魔のZ」に挑戦し消えていく数多くの挑戦者達の様子を描いている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
[編集] 乗り手
- 朝倉 アキオ
- 本編の主人公。かつては赤いZ31型フェアレディZに乗っていたが、解体所で眠る「悪魔のZ」に遭遇してからはその虜となり、生活の全てを悪魔のZに注ぎ込むようになる。それ故、高校3年時に留年している。非常にモテるが本人は意に介していない。アキオにとって大事なのは悪魔のZとそれに関わる人たちだけである。作り手である北見や高木達の夢と情熱の代行人。
- 島 達也
- 悪魔のZの前オーナー(アキオと同姓同名)の友人であり、走り屋仲間であった。真っ黒なポルシェ911ターボ(TYPE 930→後に964)を駆り「湾岸の黒い怪鳥・ブラックバード」と呼ばれる。当初は前オーナーとの因縁から悪魔のZに関わっていたが、その内にアキオ本人と悪魔のZそのものに惹かれるようになる。腕の立つ外科医として病院内での評価も高いようだ。勤務している病院の外観とS大学医学部付属病院、イシダヨシアキの癌のオペを行ったとの記述から、昭和大学病院消化器外科をモデルにしていると思われる。また島自身のモデルだが、楠の著書お前の話はクルマばかりに、楠の大阪時代の走り屋チームに一晩だけ飛び入りした、BMW製バイクを駆る育ちの良さそうな礼儀正しい医大生が登場することから、作中の島にもその印象を投影されていると思われる。
- 秋川 零奈
- モデルとしてトントン拍子に有名になってしまったが、自分との意識とのずれに対する不満を走りにぶつけているときに悪魔のZに出会い、アキオを追いかけていく事になる。愛車はスカイラインGT-R(BNR32)。アキオに好意を寄せているが、言い出せずにいる。
- イシダ ヨシアキ
- カメラマン。愛車はケーニッヒのマフラーを装着し、サイドフィンを取っ払ってハネをつけたフェラーリ・テスタロッサ。のちにエアロミラー、ハネなし仕様となる。悪魔のZに魅せられて、癌に侵されたその身を推してまでもバトルを望んだ。癌を克服し仕事に復帰後もワイドトルクバンド仕様となったテスタロッサを愛車とし、前以上に女たらしといわれている。得意技は六本木通りの二重駐車。余談だが、サイドフィンの無いテスタロッサは、中古車市場では大抵事故車の可能性が高いと言われる(テスタロッサのサイドフィンは、破損すると元どおりに直すのが非常に困難らしい)。
- 平本 洸一
- 輸入車ディーラー「グリーンオート」メカニック。一時はスピードの世界から遠ざかったが、悪魔のZに出会い、そのくすぶっていたスピードに対する想いが再燃する。妊娠中の妻、恵が居る事で抑えていたが、北見に心の中を見透かされ、恵を宮崎においてスカイラインGT-R(BNR32)に乗って悪魔のZを追うが、恵とまだ見ぬ子供を想いアクセルを踏み切れず、この世界から降りる決断をする。結果的に悪魔のZを越える事は出来なかったが、その想いは完全燃焼できたようだ。
- マサキ
- 外車のブローカー。かつては「スピードファクトリー RGO」に所属しFC3S(マツダ・サバンナRX-7)で谷田部最高速を競っていた。谷田部で事故を起して以来スピードの世界からは遠ざかっていたが、湾岸線で悪魔のZに遭遇。「本物のチューンド」を求めてカムバック。RGO 大田の組んだFD3S(マツダ・アンフィニRX-7)でZとブラックバードとの三つ巴のC1内回りバトルに挑む。
- 相沢 圭一郎
- 大学生。愛称はケイ。「幻の最高速ランナー」相沢洸一の息子。最高速に生き、そして死んでいった父の後姿を追い、自らも首都高を走り始める。愛車は自らの手でT78タービンを装備したスープラRZ(JZA80)。後に父の遺志を継ぎ集まったかつての仲間である山本、大田、高木、富永らの「本物の」チューニングによって戦闘力を上げてゆく。チューニング費用は父親と同じく、ホストで稼いでいる。当初は500馬力~700馬力(スクランブル時)だったが、チューン後は最大800馬力のモンスタースープラに。
- 黒木 隆之
- スカイラインGT-Rにこだわる「スピードファクトリーFLATレーシング」の代表。効率ばかりを優先した仕事に嫌気がさし、現在は一人で得意客だけを見ている。彼もまたZの魔力に惹かれ、10年のノウハウをすべてつぎ込んだBCNR33型GT-Rで挑む。その戦闘力はブラックバードをも凌駕するほど。気鋭のチューナー集団「R200CLUB」に所属していたが、仲間の夜逃げをきっかけとしてリーダー・元木と決別、脱退した。
- 神谷 英次
- 出て行った父親の後を継ぎ、継母とその連れ子のマキの面倒を見ながら借金だらけの青果店を立て直した。愛車は自身でチューニングしたランサーエボリューションV(CP9A)。大阪の環状エリアを制していたが、遠征してきたブラックバードを見て、抑えていた東京への想いを募らせる。その後、シゲと父親の後押しで気持ちにケジメをつけるため3ヶ月限定で東京へ。そこでRGOに出入りするようになり、リカコと共にランエボをチューニング。450馬力でも300km/hを出せるマシンへと仕上げ、Zとブラックバードに挑んだ。
- 城島 洸一
- 自動車評論家。「ビッグマウスの一発屋」と呼ばれた過去を否定するような態度を取っていたが、仕事で知り合ったレイナからアキオとZを紹介され、走りへの想いが蘇る。ロータリーより速いエンジンが他にもあることを認めつつも自分にとって特別な存在であるFC3S(サバンナRX-7)にこだわり、「伝説のプライベーター」林から譲り受ける。また一時的とはいえ、FCの名義を変更してアキオに所有させ、あらゆる知識を与えた。限られた期間で林と富永の手により最高の状態に仕上がったFCでZとブラックバードを狙う。
- 友也
- 専門学校生。DC2型インテグラタイプRを駆り、C1外回りでGT-Rを追い掛け回す「R殺し」と呼ばれていたが、ACE 後藤が駆るBNR34型GT-Rに敗れる。後藤にセンスを見込まれACE入りし、後藤が作り上げた「走る宝石」ことデモカーのGT-Rを駆るようになるが、ブラックバードとのバトルの際、そのGT-Rをクラッシュさせてしまう。その後、後藤やアキオの協力を得てBNR32型GT-Rの新たなデモカーを製作する。
- 森下 マコト
- 彼氏の機嫌をとるために、「カネ掛けまくりの走り屋仕様」のGC8型インプレッサに乗っていたが彼氏と決別、インプレッサも売却する。その後、「山下ファクトリー」の山下とともに、Z32型フェアレディZを作り上げ、悪魔のZに挑戦する。 アキオをして、的確なトラクションの与え方は「本物」と言わしめた。
- 岸田 ユウジ
- アシスタントカメラマン。年歳は離れているが「YM SPEED」山本の異母兄弟である。戦闘機マニアで特に第二次世界大戦時の戦闘機を好む。特別車に興味はなかったが、父親の訃報で訪ねた際、山本に誘われ「地上のメッサーシュミット」ことブラックバードのポルシェ911ターボを追いかけるため、「地上のゼロ」を共に作るべくS2000(AP2)で走り始める。
[編集] 作り手
- 北見 淳
- 悪魔のZを作り上げたチューナー。かつては一線で活躍していたが、速過ぎる車のために誰も乗りこなせずに、乗った人間が次々と事故死したことから「地獄のチューナー」の異名が付いた。現在は自称“自転車操業の自転車屋”を営む傍ら、自分が認めた人間(アキオ・ブラックバードなど)にだけチューニングを施している。
- 高木 優一
- 板金修理工場「ボディショップSUNDAY」社長。のちに「タカギボディサービス」に名称変更。また、相沢洸一のセリカXXのボディーワークをしたときの工場の名前は「タカギ板金」だった。かつて悪魔のZのボディーを作り上げた。天才的なボディーワークの技術を持っており、彼が手を入れたボディーは他とは全く違った仕上がりを見せる。ガッちゃん曰く、どんなバカやニブいヤツでもわかるらしい。車が好きで好きでたまらない性格をしており、精魂込めて直した車を粗末に扱うオーナーに絶望し、一時は自分では車を扱わないようにしていた。どんなに丁寧に車を走らせても、走らせることによって確実に車にダメージを与えてしまうことに対する感傷的な感情からか、運転免許を一度も取得していない。しかしアキオの情熱に負け、イシダとのバトルで燃えてしまった悪魔のZを蘇らせた。その後はブラックバードなどにも力を貸している。好きな飲み物はウーロン茶。モデルは実在の外車整備会社「クライスジーク(旧マルカツ)」の井上勝己。
- 山本 和彦
- 「YM(ヤマモト)SPEED」代表。当初は「山本自動車」として登場しチューニングカーに対し否定的な考えを持ち、レイナのGT-R以外チューンを受け付けていなかったが、ケイのスープラを仕上げたのち本格的にチューニングを再開し、昔の「YM(ヤマモト)SPEED」に看板を戻す。温厚そうな外見から「地獄のチューナー」と呼ばれる北見に対し一見水と油のように思われがちであるが、機械をトコトン追い込んでゆく妥協が無い姿勢は共通しており、大田曰く、ちょっとやばいチューナー。一般道でも容赦無く踏み込むことからもその片鱗を窺い知ることができる。実在のチューナー「RSヤマモト」の山本豊史氏がモデルとなったとされている。チューナーになる以前は某メーカーにて開発をしていたらしい。
- 大田 和夫
- 山中
- 「スピードファクトリー RGO」のチーフメカニック兼現場責任者で通称ヤマ。理論派で大田曰く、サーキットの走行会ではラインをきっちりなぞって速い。マサキ編で大田がチューンしたFD3Sに同乗し、刺激を受ける。自ら打倒ZのためBCNR33型GT-Rを800馬力にまでチューニングするが、ブラックバードとのバトルに挑み、大破させてしまう。普段はクールで気の強い面ばかり見せているが、事故後様子を見に来たブラックバードの前では虚勢を張るも、入れ替わり車を引き取りにきた大田に対し、失ってしまった車への思いから思わず涙を見せた。また、敗れたときにブラックバードに対して「車が負けたんじゃない。乗り手の自分が未熟だっただけだ」と言い放つあたり、自尊心よりも誇りを重んずるタイプと思われる。
- 富永 公
- 佐々木 元
- 「SS(スピードショップ)マッハ」のオーナー。「ガッちゃん」の愛称で親しまれている。お調子者で涙もろい。妻と子供二人(どちらも女の子)がいる。中学の卒業式さえこないでくれといわれたワルガキで、運転技術(過去に軽く10台は全損させている)やエンジンのチューニングセンスこそなかったが、独学で勉強したエアロは今では大手エアロメーカーにも模倣されるほど認められるまでになった。愛車はパープルに全塗装されたUCF10型セルシオ(かなり大きな修復歴アリと高木に見抜かれる)。
- シゲ
- 大田 リカコ
- 林
- 御殿場でガソリンスタンドを営む傍ら、プライベートでチューニングを行う、人呼んで「伝説のプライベーター」。特にロータリーエンジン車を得意としており、自嘲しながらも思い入れは深いものがある。仕上げた車はプライベートながらかなりのレベルであり、さまざまなステージで北見チューンのL型エンジン車と競い合っていた。城島の情熱に打たれ、対悪魔のZ用にFC3S(サバンナRX-7)を製作する。
- 後藤 元
- 「ガレージACE」代表。GT-Rに心酔しており、C1外回りで「GT-R殺し」と呼ばれていた友也のインテグラタイプRを自らデモカーのBNR34型GT-Rで撃墜する。その後転がり込んできた友也の走りの資質に興味を持ち、それ以降弟のようにかわいがる。友也が全損させてしまったGT-Rの保険金をショップ再建の資金とした為、新たなデモカー作りをアキオと友也に託した。「金属加工なら何でも出来る」ほど手先が器用。城島編にも端役で登場している。
- 山下
- マコトのZ32型フェアレディZを組み上げた「山下ファクトリー」代表。人情の厚い性格で、インプレッサの売却に悩んでいたマコトを見かねて声を掛ける。若い頃からZ32チューンで名前を売っていたが、その苦労して作り上げたVG型エンジンを「幻のF1タービン」を組み挑んだ谷田部の最高速トライアルにてブローさせてしまった苦い経験を持つ。周りがZ32から離れる中、それ以降も頑くななこだわりを持ち続けており、チューニングに対して独自のポリシーがある。富永曰く、Z32だけしか速くできなかったオトコ。チューニングからの引退を決意し、自分のノウハウをすべてつぎ込んだZ32をマコトに託した。
[編集] その他
- 朝倉 エリコ
- 悪魔のZの前オーナーの妹。再び走り出したZとアキオを見て、亡き兄の姿を重ねてしまう。島と一緒のところをよく目撃されるが恋仲であったかは不明。兄の不幸を断ち切る為、Zを海に沈めようとするが島に阻まれる。Z炎上の後、すべてを忘れるため海外へ留学する。
- コウちゃん
- 本名は高橋功太。自動車整備工場「高橋自動車」のオーナー。アキオから見れば面倒見のいい兄貴分である。2巻以降からはゲーム版を除き全然登場しない。愛車はサバンナRX-7(FC3S前期型)。
- 嶋田 るみ
- アキオの高校の担任教師。悪魔のZに入れ込むアキオを優しく見守る。京都生まれで、興奮すると思わず京都弁が出てしまう。
- 原田
- 平本の職場の同僚メカニック。愛車は銀色のZ31型フェアレディZ(VG30ET)。愛車にすべてををつぎ込む為、給料の良い運送屋へ転職。その後、湾岸では名前の知れた存在となるが、「とびっきりの速さ」を求め、バランスを考えないチューニングの為、ブラックバードとの湾岸最高速バトルの際ブローさせてしまう。所属するチーム「EXCITING」のリーダーの金儲け主義への反発、平本のチューンの方向性、そして父親の言葉に「チューニングとは何か?」を悟っていく。平本の退職後、間を埋め「グリーンオート」に再就職した。
- マツ
- マーミ
- マサキのパートナー。少々きつ目だが容姿端麗のコンパニオンモデル。売れっ子モデルであるレイナとは仕事上の接点はないが、プライベートでは高校の2個上にあたる先輩。実家もレイナの実家の近所。(ということは小さい頃のアキオとご近所か?)。エピローグでマサキにFD3Sを買い与え、仕事も辞め、マサキの妻として共に生きてゆく決意をする。
- 村上 ミカ
- フリーライター。チューニング雑誌のプロダクションで編集をしていた時に知り合った黒木とかつて恋仲であったことがある。その後破局し、車の世界とも距離を置いていたが、本当の自分の気持ちを確かめるために再び黒木に接近する。
- 元木 康郎
- 「SPEED TRIAL R200CLUB」のリーダー。経営するチューニングショップ「CCR」のフルチューンである赤いBCNR33型GT-Rを駆る。元々は谷田部最高速で名をはせたチューナーの集団であったが、自分達のショップの名を売るべく、首都高の「ハンパな伝説」を潰してゆく。はじめはレイナのGT-Rを「狩り」のターゲットにしていたが、途中ブラックバードと遭遇し、ターゲットを変更、帝塚と挟み込む作戦に出たがベイブリッジ上でクラッシュ。その後借金をしてBNR34型GT-Rを購入する。
- 帝塚 良一
- R200CLUBのメンバー。経営するチューニングショップ「JAPAN」のフルチューンである藍色のBCNR33型GT-Rを駆る。元木と共にブラックバードをクラッシュに追いやろうとしたが、ブラックバードのあまりのスピードに恐れをなしてしまい自分がクラッシュしてしまう。
- 園田 順
- R200CLUBのメンバー。経営するチューニングショップ「JPP」のフルチューンである白いBCNR33型GT-Rを駆る。ブラックバードを追い込もうとしたが失敗に終わった元木より指令を受け、自滅覚悟のかぶせを行ったが、ブラックバードの華麗なかわしでクラッシュこそ無かったが、R200CLUBの狩りは完全失敗に終わった。また、ターゲットではないただ単にナマイキであったからと関係の無いFD3Sを潰したり、チーム作戦外行動を起こしてしまうこともしばしば。
- 神谷 マキ
- エイジの異母の弟。エイジを実の兄のように慕っている。S14型シルビアからランエボVI(CP9A) に乗り換え環状エリアで名が知れるほどになったが、エイジから見ればまだまだ未熟。「どんな時でもクルマのサイズを頭に入れて走らせろ」というエイジの言葉を、最初は疎しく思っていたが、走り込むうちにその意味を理解しはじめる。また、東京からやってきた島の走りを見て、方法こそ違うが最終的に指し示すものはエイジと同じであることを感じ取る。
- オキ
- 北原 今日子
- 木村のとっつぁん
[編集] 悪魔のZ
悪魔のZとは、『湾岸ミッドナイト』に登場する、主人公朝倉アキオの乗るS30型フェアレディZのこと。ミッドナイトブルーで塗装されたその車は、まるで意思を持つかのようにドライバーを振り回し、主人公の手に渡るまでに何度もクラッシュを繰り返し、数々の死亡者を出したことから「悪魔のZ」と伝説化した。
当初は選ばれた人しか乗れず、それ以外のものが乗ると事故に遭うという呪われた車という設定があったが(事実アキオをはじめ初期のころは結構事故を起こしている)、最近では「クーラーがなくて暑い」などの弊害はあるものの、様々な人物が乗っている。また北見登場当初はこの車は北見しか触れない(非常に高い技術でチューニングされているため)とのことだったが、現在は大田の娘であるリカコが主に手を入れている。
悪魔のZをチューニングしたのは、かつて地獄のチューナーとして、日本のチューニング界に名を轟かせた北見淳。悪魔のZは、北見の手によってL28型エンジンの排気量を3.1リッターにボアアップされ、ポルシェ・911ターボが世界最強であった頃に、更にツインターボ装着して対抗しようとした結果、後々の悪魔のZの原型が出来上がった。この当時から、出力600馬力、トルク80kg/mを叩き出す常識外れのモンスターであった。しかし、特別なパーツ(この場合、専用にハンドメイドされたワンオフパーツ)はクランクシャフトを除き一切使用されておらず、どれもこれも平凡な改造パーツを組み込んでいる。
悪魔のZが最も変貌を遂げているのは、主人公であるアキオの手に渡ってからである。物語序盤にトラックと絡む大事故を起こし、そのまま廃車になるところを、アキオと高木が修理したのを始めとして、様々な改造を施される。進化を果たした最新型スポーツカー、そしてクロームモリブデン鋼管パイプフレームにカーボンボディパネルを架装した島達也のポルシェ・911ターボに対抗するため、オイルの潤滑方式をドライサンプに変更してエンジンの搭載位置を下げたり、ルーフを切ってカーボン製ルーフを装着するなど、旧車のネックとなるコーナリング性能を上げる涙ぐましい努力がなされる。といってもどれだけ改造しても最早無理がありすぎる話になっているが。
ちなみにナンバープレートは、横浜33 て 53-68と3ナンバーである。つまり、公認取得済み。
[編集] これまでに登場した車
ここでは作品中に登場した主役的車種と搭乗キャラクター名を記す
- 日産スカイラインGT-R
- R32型
- 秋川レイナ
- 平本洸一
- 友也
- R33型
- 黒木隆之
- R200CLUB(CCR 元木康郎、JAPAN 帝塚良一、JPP 園田順、Night On Racing 三木安彦)
- 山中
- R34型
- 山本和彦(YM SPEEDデモカーとして使用)
- 後藤元
- R32型
- 三菱ランサーエボリューション
- CP9A(V GSR)
- 神谷エイジ
- CP9A(VI RS)
- 神谷マキ
- CP9A(V GSR)
[編集] 備考
- 実在する走り屋チーム「MidNight」をモチーフにしているという話は有名で、悪魔のZの場合、同チーム所属の真紅のS130型フェアレディZをイメージしているとされる。
- そのS130ZのチューナーであるH氏が北見のモデルに、H氏と懇意にしていたT氏が富永のモデルになったのではないかとの噂もある。蛇足ではあるが、H氏はアメリカのトップチューナーの手によってチューニングされ輸入された時点で不動となっていたDe Tomaso Panteraのエンジンに手を入れ当時の最高速記録を叩き出したり、某雑誌編集者であった別のS130Zオーナー運転による同乗での試運転中に瀕死の重症を負う事故にあっていたり、漫画の内容とは別に知る人ぞ知る生ける伝説的な人物である。
- また、ブラックバードは「MidNight」会長の930型のポルシェ・911(アズキ色)とRUFのイエローバードをイメージしているらしい。
- 作者は「洸一」という名前が好きなようで、3人もの登場人物に「洸一」という名前を使っている。
- 過去に何度かVシネマ化されたが、そのあまりの出来からファンの間では無かった事にされている。
- ストーリー構成に自動車評論家の福野礼一郎が関っているという噂があった。
- 実際には楠との面識はないが、熱狂的なファンであることから、福野のクルマに対する思想が作中に色濃く反映されている。
- 湾岸ミッドナイトと自動車評論家、福野礼一郎との関連性
- 以下のように、福野がモチーフとなったであろう個所が散見される。また氏が執筆した東名レースを舞台とした小説「バンザイラン」には湾岸ミッドナイトの源流を見ることができる。
- マサキの「暴走族上がりのブローカー」という経歴。
- 城嶋洸一の「イラストが上手く理論じゃ誰にも負けない自動車評論家」という設定。 ※ただし広告主に対する姿勢は福野と正反対。
- パンテーラをチューニングし東名レースで名を馳せたゲイリー・アラン・光永と福野が最期に交わした(とされる)言葉と、相沢洸一と北見との最期の言葉、それを振り返っての述懐。
- 相沢洸一同様、福野もセリカXXをチューニングしていた。セリカXXに関する記事の中で、改造初期にポン付けターボでデトネーションを起し一発で再起不能になった経験と、何度も蘇る日産L型を面白おかしく比較している。
[編集] ゲーム
これまでに何度かレースゲーム化されている。
- 湾岸ミッドナイト(2001年、アーケード、ナムコ)
- 湾岸ミッドナイトR(2002年、アーケード、ナムコ)
- 湾岸ミッドナイト(2002年、プレイステーション2、元気)
- 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE(2004年7月、アーケード、バンダイナムコゲームス)
- 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE2(2005年4月、アーケード、バンダイナムコゲームス)
- 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE3(2007年7月稼動予定、アーケード、バンダイナムコゲームス)
- 湾岸ミッドナイト(2007年7月予定、プレイステーション3、元気)
- 湾岸ミッドナイト ポータブル(2007年秋予定、プレイステーションポータブル、元気)
[編集] 概要
- 初期の3作品は、同じ首都高速道路を舞台とする「首都高バトル」シリーズ同様、壁や他車に接触したりライバルカーに一定距離以上離されると、画面上部に表示された「SPゲージ」が消費され、どちらかのSPが無くなった瞬間に決着がつくというルールが採用されている。そのため明確なゴールは設定されていない。ただし、ライバルカーとの接触でSPが0になることはない。また、制限時間も設定されていて、時間が無くなった場合はその瞬間に前に居た方が勝者になる(SPは無視される)。「MAXIMUM TUNE」シリーズの概要については同作品の項目を参照。
- 上記の全てのゲームでは、プレイ中に対戦しているキャラクターの表情と、原作から選択されたそのキャラクターの台詞がカットインされる。設定は原作と異なり、首都遷都によって必要価値が無くなった首都高速道路がレースサーキット場として扱われるというシチュエーションになっている。なお、MAXIMUM TUNEに入ってからもその設定は秘密裏に受け継がれている。
[編集] 備考
- アーケード版の初期2作とPS2版は、元気が自社のレースゲーム「首都高バトル0」をベースに開発し「MAXIMUM~」シリーズはナムコとポリゴンマジックが開発している。
- アーケード版の初期2作は「リッジレーサーV アーケードバトル」の2シート筐体が流用されたが、「MAXIMUM~」シリーズでは新しく1シートの筐体が製作された。この1シート筐体は近年のアーケード用レースゲームでは珍しく、6速のH型シフトレバーが使用されている。その他に、最大4台までの通信対戦機能や、シート位置の調整機能が備わった。
- ポルシェ911はエレクトロニック・アーツがライセンスを所有している等の関係で収録できないため、代わりに同車をベースにしたRUF社のスポーツカー(RUF 964RGT)がプレイステーション2版に、ゲンバラ社のスポーツカー(ゲンバラ 3.8RS)がMAXIMUM TUNEシリーズにそれぞれ登場している。また、ライセンスの関係やメーカーの方針により、フェラーリテスタロッサやホンダインテグラタイプR、S2000も登場していない。フェラーリが登場しないのは、日本でのライセンスをセガが所有している他、フェラーリ車のワンメイクしか認めないという理由だったが、最近はソニー・コンピュータエンタテインメントのグランツーリスモHDコンセプトでフェラーリ車が登場するようになった。(それまではセガのアウトランシリーズが唯一のフェラーリ登場ゲームであった)ホンダはアザーカーが出ているゲームには許可を出さないためである。理由は、過去にシビックの関西地方での高速道路での暴走行為が問題となり(ヤングマガジンにて連載中のナニワトモアレで詳細に描かれている)、関連会社であるM-TECが警察により捜索を受けたためである。そのため、それを思わせるようなアザーカーの登場する、現実の高速道路を模したステージが出てくるゲームに自社製品を登場させることによるこれ以上のイメージの低下を防ぐための拒否と言われている(アザーカーの出てこないゲーム(頭文字D ARCADE STAGEシリーズなど)には出てくる)。これら諸般の事情によって、フェラーリ・テスタロッサに搭乗するイシダヨシアキはゲームシリーズのメインには登場せず(できず)(但しPS2「湾岸ミッドナイト」のメモリーカードアイコンに登場、「やっと出れたヨ…」という台詞付き)、S2000に乗る岸田ユウジもマキシシリーズに登場する可能性は低いとされている(違う車で登場すると言う可能性はあるが)。尚海外版MAXIMUM TUNEでは、ゲンバラからも許可が下りなかったため、島達也は日産・フェアレディZ Version-S(Z33)に搭乗し、34話や71話で城島洸一が搭乗するのはマツダ・RX-8 Type-S(SE3P)となっている。
[編集] 湾岸ミッドナイトと「ポエム」について
- 湾岸ミッドナイトでは作者自身のものとおもわれる考え方のスタイルや思想と呼ぶべきものが、主にオヤジチューナーのセリフや独白の形で表現(代弁)されることが多い。登場キャラクターを通して示されるこうした作者の主張や見方は、本作品と密接に関わる車や走りというテーマについてはもちろんのこと、人生についてのある種の洞察まで秘めていることもしばしばである。
- 物語の展開を通じて描かれ、提示されるこうした作者自身の価値観に共感する読者は多く、湾岸ミッドナイトの大きな魅力の一つとなっている。そのため、ファンの間では本作品のそうした作風や記述を称して「(湾岸)ポエム」と言うことがある。
- 日本最大の掲示板「2ちゃんねる」の車板には「車板の奴らは湾岸ミッドナイトが好き」というスレッドがある。そこでは「職人」と呼ばれる参加者が作中の「ポエム」を踏襲・改変する形で、時事ネタや日々の話題などについて活発な議論が行われている。このようなスレッドは車板に限らず「湾岸ミッドナイト風に~を語るスレ」として「2ちゃんねる」の各所に存在しており、「ポエム」を通して表現される作者の価値観や、その独特の言い回しが広く支持を受けていることの一つの証拠と言えるだろう。
[編集] アニメ
- アニマックスにて2007年6月8日から、スカパー!にて2007年6月15日から放送予定。スタッフは頭文字Dアニメのスタッフが起用される。また、ワイルドスピードX3のDVDでアニメ化についての告知がされていた。
[編集] キャスト
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