結城藩

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結城藩（ゆうきはん）は、江戸時代の藩の一つであり下総国結城（茨城県結城市）にある結城城を本拠とした。藩主家は越前松平家と水野氏の二家である。

[編集] 沿革

結城の地は、鎌倉以来関東の名門結城氏が本拠としてきた。近世大名領化したのは、徳川家康の次男・秀康が結城氏の養子に入り、天正19年（1591年）に結城城を相続して以降である。しかし、慶長5年（1600年）の関ヶ原の合戦後、秀康は越前北ノ庄に転封となったため、結城城は破却され、その後しばらく大名領が置かれることはなかった。一説には結城一帯は当時全国屈指の養蚕地域であり、江戸幕府がその利益を独占しようと図ったからだと言われている。だが、元禄年間には他の天領にも結城の養蚕技術が広められて、幕府が直接結城を保持する必要性が薄れてきた。

結城に再び大名が封せられたのは、元禄13年（1700年）に水野隠岐守勝長が能登国西谷藩より転封されたときである。勝長は改易された福山藩（現在の広島県福山市）主・水野勝岑の父・勝種の又従兄弟にあたる。福山藩改易後、同藩藩祖であり水野家宗家でもあり、徳川家康の従兄弟に当たる水野日向守勝成の功績が考慮され、勝長に家督相続が許され、元禄11年（1698年）に能登国内に1万石を与えられていた。

その後、数度の加増の後、元禄16年（1703年）に結城城の再建を許され、以降城主1万8,000石取りの帝鑑間詰め譜代大名として幕末まで続くことになる。幕末期には、藩主勝知と隠居の勝進が佐幕と勤王に別れ対立し、互いに結城城を奪い合う結城城争奪戦を起こしている。