総統の顔
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総統の顔(Der Fuehrer's Face)は、ウォルト・ディズニー・カンパニーが製作した短編映画。
米1943年公開。アカデミー短編アニメ賞受賞作品。
総統の顔 | |
出演者 | クラレンス・ナッシュ |
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配給 | ディズニー |
公開 | 1943年1月1日 |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
前作 | ドナルドのベルボーイ |
次作 | ドナルドのオンボロ自動車 |
目次 |
[編集] 概要
第二次世界大戦中に『ドナルドダック・シリーズ』第41作として製作された短編映画で、当時の社会主義国家を風刺したもの。作品中では『ナチランド』として描かれている。しかし、作品中に『ナチス・ドイツ』という名は出てこなくとも、町の中の風景からして明らかにナチス・ドイツである。
しかし、今となってはこの作品の中に描かれている社会主義国家はあまりにも極端過ぎるという意見も多少ある。
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
独裁政権下であり、町中にハーケンクロイツの植木や街頭等が立ち並ぶ「ナチランド」の、質素な家に住むドナルドは、朝からやかましく日本人・ドイツ人・イタリア人の兵士らが楽器を演奏しながら歌う軍歌に朝もゆっくり眠れないと頭を抱えていた。
起きて早々朝からアドルフ・ヒトラー,ヒロヒト,ベニート・ムッソリーニの絵に敬礼させられ、二度寝しようにも軍隊が銃剣で刺してくるためそれは出来なかった。眠気覚ましのコーヒーもたった一粒の真っ白なコーヒー豆でしか飲めず、その上、軍に隠れてこっそり飲むことしかできなかった。しかも、そのコーヒーのにおいをアロマと書かれた香水で匂いを消していた。その他にも、カチカチの食パンをのこぎりで切って、歯で砕きながら食べる等という不自由な生活を送っていた。さらには、軍隊に無理矢理連れて行かれた兵器工場でこき使われる。
工場では、延々と砲弾を製造するも一向に終わらない。その上、大量のアドルフ・ヒトラーの肖像画が砲弾と共に生産ラインに流れてきたためその一つ一つに敬礼をしなければならなかった。休憩時間も後ろに下手くそな山の絵がかけられただけ。
その後も、放送で説教されたり、サイズも様々な大量の砲弾が流れてきて、ドナルドは混乱のあまり仕事の正確さを失い、倒れる。頭がおかしくなったドナルドは、想像の世界に飛び込んでしまい、様々な砲弾が行き交う世界に入る。
しかしそれは夢であり、星条旗のパジャマを着たドナルドは正真正銘のアメリカ人。起きると窓際から伸びていた何かの影をヒトラーと一瞬勘違いをしたものの、それは自由の女神像のミニチュアだった。喜びのあまりそれにキスをし、アメリカ国民である事を心から喜ぶ。
以上で、作品の核心的な内容についての記述は終わりです。
[編集] その他
- ドナルドの自宅の場面で出てくる『MEIN KANPF』という本は日本語訳では『我が闘争』。日本語訳も存在。
- 米ではDVDも出ているが、日本での放送、DVDやVHSの販売予定は無い。しかし、YouTubeでの視聴は可能。
- 途中で出てくる下手くそな山の絵はヒトラー本人の風景画をイメージしたものと思われる。(詳細は本人の経歴を参照)
[編集] 関連項目
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