警視正
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
警視正(けいしせい、英語 Senior Superintendent)とは、警察法第62条の規定による警察官の階級の一つ。警察署長などの職位に相当。
[編集] 概要
警視正の階級は警察法第62条に規定され、警察官の階級としては警視総監、警視監、警視長に次ぐ第4位に位する。 この階級から、身分は国家公務員になり、警察法第56条第1項で警視正以上の警察官で都道府県警察の職員である者は「地方警務官」と呼ばれる。同法第52条第3項によりその任免は国家公安委員会が行う。警視正の昇進は選考により行われる。
キャリア(国家公務員採用試験I種に合格し警察庁に警察官として採用された者)は、普通30代半ばでこの階級に昇進する。ノンキャリア(都道府県警察官として採用された者)は早い者で50代前半、遅い者は定年間際で昇進することがあるが、そもそも都道府県の警察官として採用され警視正まで昇進する者はそれほど多くない。理由は警視正ポストが限られているため。いずれにしても昇任は極めて厳しいポストである。 また警視正昇進は過去に警察庁出向経験があることが条件である。 またペーパー試験がなく警察庁出向経験のある警察官の中で特に勤務成績が優秀な者を選んで昇任を決定する。
[編集] 役職
- 警察庁内部部局
- 理事官・調査官
- 警察庁地方機関
- 管区警察局 課長
- 警察庁附属機関
- 警察大学校
- 皇宮警察本部 部長(皇宮警視正)
- 科学警察研究所
- 警視庁
- 参事官・本部主要課長・方面本部長
- 道府及び指定県警察本部
- 参事官・本部主要課長
- 中小規模警察本部
- 部長・主席監察官
- 大規模警察署
- 署長
- 警察署長は原則として警視か警視正の者を以って充てるという規定が、都道府県警察の組織について定めた条例または規則(都道府県公安委員会規則)にある場合が多い。
[編集] 主な人物
重大事件当時に警視正であり、重要な役割を果たした人物、および、その事件名と当時の役職。
- 佐々淳行 -- 1969年東大安田講堂事件 警備部警備第一課長
- 寺尾正大 -- 1995年オウム真理教事件発生当時 警視庁捜査一課長
- 有働俊明(現役) -- レッサーパンダ事件発生当時 警視庁捜査一課長
最終的な階級が警視正で活躍する人物、および、最終的な役職
日本の警察官の階級・序列 - | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
階級外 | 第1位 | 第2位 | 第3位 | 第4位 | 第5位 | 第6位 | 第7位 | 第8位 | - | 第9位 |
警察庁長官 | 警視総監 | 警視監 | 警視長 | 警視正 | 警視 | 警部 | 警部補 | 巡査部長 | (巡査長) | 巡査 |