議長
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議長(ぎちょう)とは各種会議において、議事を進行し、まとめる役。一部の政党にも「議長」と言う役職が置かれている。
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[編集] 日本の政治における議会議長
国会及び地方自治体議会における代表者であり会議主宰者である。議長席は議場内中央最上段に設けられている。
[編集] 国会及び地方自治体議会の議長
主な職務は会議の開会・散会宣言、議場及び議院内の警察権保持(議院警察権)、規定時刻を過ぎた場合の延会宣言、議席の指定、傍聴人の制限、可否同数時の決裁などがある。議長は議員の中から互選で選ばれ、最多得票者が議長となる。また、衆参両議院議長は、通常与党第1党から選ばれ、副議長は野党第1党から選ばれるのが慣例である。両議院議長は冒頭に示した職務以外にも、議院警察権の一部として議場内における現行犯逮捕の命令も下せる事ができる。1973年より、公平さを期す為に自分が所属している政党を離党し、無所属で活動することが慣例となっている。
議長の有する議事整理権は政治的に大変強力な権限であるが、実際には議院運営委員会に諮問という形で議事整理に関する判断を委ねる慣行が成立しているため、議長が政治的影響力を行使する局面は、与野党の対立が膠着状態になった際の調停などに限られている。本会議の進行中に与野党の事前の打ち合わせと異なる事態が発生した際には、議院運営委員会理事が寄り集まって協議し、その結論に従って議長が議事進行を行う光景が見られる。
[編集] 副議長
副議長(ふくぎちょう)とは、議会内で議長の次に会議を主宰する者。議長が病休または事故などで不在の時に、議長席に座り議会を進行させる。その職務内容及び権限は議長に準ずる。
副議長も議員内から互選で選ばれる。国会では衆参両議院議長は与党第1党から選ばれるのに対し、副議長は野党第1党から選ばれるが、議長同様公平さを期す為に所属政党を離党し、無所属で活動する(以前は副議長も、与党第1党から選ばれていた。)
[編集] 仮議長
仮議長(かりぎちょう)とは、議会内で議長・副議長とも不在か、何らかの事情で両者が出られない時に置かれる議長で、文字通り仮の議長である。選び方は事務総長か事務局長が議長席に座り、仮議長選出選挙を行い、最多得票者が仮議長となる。仮の議長であっても、その職務と議事進行に関わる一切の権限は正議長に準ずる。
最近の選出例としては、2004年(平成16年)6月5日の参議院本会議において、国民年金法改正案の審議にあたり、野党から議長不信任案が提出されたが、野党出身の副議長が散会を宣告して(無効な散会ということで取り扱われた)本会議の議事続行を拒絶したため、議長不信任案の審議のため竹山裕自由民主党参議院議員会長が仮議長に選出した事例がある。
[編集] 臨時議長
臨時議長(りんじぎちょう)とは、地方自治体議会において置かれる臨時の議長である。地方自治体議会では、初招集日で正副議長が決まっていない場合、出席者の中で年長議員を臨時議長にして、議長選出選挙を行う。いわば議長選出選挙を行う為だけに置かれる議長であって、仮議長とは異なる。なお、出席者の内で最年長議員が臨時議長に就いても、更に年長の議員が途中出席した場合は、速やかに臨時議長を交代しなければならない。