谷口千吉
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谷口 千吉(たにぐち せんきち、1912年2月19日 - )は、日本の映画監督。妻は女優の八千草薫。
[編集] 来歴・人物
早稲田大学卒業後、助監督としてPCL(東宝の前身)に入社する。ともに山本嘉次郎の助監督についていた黒澤明、本多猪四郎は親友である。
1947年、『銀嶺の果て』で監督デビュー。これは三船敏郎の俳優デビュー作でもあり、現在まで高い評価を受けている。この作品にサード助監督として付いた岡本喜八は、以降多くの谷口作品に助監督として付いている。
監督としては、大作志向の黒澤、『ゴジラ』などの特撮作品で評価を得た本多に対し、独自のスタイルを確立することはできなかった。谷口本人があまり積極的に映画製作を行わなかったことや、私生活での問題などもあり、1950年代後半には会社から3年近く干されている。1960年代にはB級アクション映画や明らかに不得手と思われる喜劇映画が回ってくるようになり、製作本数は減少した。1971年を最後に監督作品はなく、表立った活動は見られない。
私生活では三度の結婚を経験。脚本家の水木洋子(初婚)と女優の若山セツ子(再婚)とはいずれも破局、三度目の妻とし八千草を迎えた。八千草とは二人の前妻達と違い結婚して久しい今も夫婦仲は円満であるという。八千草との間に子供はいない。
[編集] 作品
- 銀嶺の果て
- ジャコ万と鉄
- 暁の脱走
- 潮騒
- 奇厳城の冒険
- 国際秘密警察シリーズ
- 国際秘密警察 鍵の鍵
- 国際秘密警察 絶体絶命
- 公式長編記録映画 日本万国博