辣韮の皮~萌えろ!杜の宮高校漫画研究部~
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『辣韮の皮~萌えろ!杜の宮高校漫画研究部~』(らっきょうのかわ~もえろ!もりのみやこうこうまんがけんきゅうぶ~)は阿部川キネコの4コマ漫画作品である。「コミックガム」(ワニブックス)に連載中。単行本は5巻まで刊行されている(ワニブックス、2007年現在)。
CDドラマも一度作成されている。
目次 |
[編集] 作品概要
近年増えてきたオタク生態を描く漫画の中でも、異彩を放つ作品である。いわゆる「オタクの痛い行動」に焦点を当ててはいるが、その視点が一般人ではなく「オタクからみて痛い」という点が非常に特徴的である。 そもそも主人公の設定が「自分はオタクではなく、ちょっとアニメが好きなだけの一般人」と自称する、萌えアニメをこよなく愛するオタクであり、ほかにもアニメ・特撮・漫画・同人・コスプレ・ミリタリー・声優・SFなどさまざまな分野のオタク特性を持つ登場人物をうまく配置して、オタクにありがちな自分ルールの適用や、「自分はあれとは違う」と思いたがるという特性を描き出し、それを笑いに転化することに成功している。 そのためネタはオタク自虐ネタと呼ぶにふさわしく、読む人によっては不快感を催す場合もあるかもしれないが、基本的にはオタクに対する愛情があふれていて、自虐でありながらもほのぼのとした読後感を残す。
作者自身も相当なオタクであり、単行本内でSF大会に参加したことやアメリカで開催されているアニメコンベンションに参加したときの様子などをレポート漫画として掲載している。 作品内で描かれるネタは最近のネタにとどまらずオタク文化黎明期からのネタも多く、若い世代にはネタが少々難しいこともある。
[編集] 登場人物
[編集] 杜の宮高校漫画研究部員
- 滝沢政宗(たきざわ まさむね) (声:草尾毅)
- 本作品の主人公の1年生。新寺によって漫研に入部させられる。自称一般人だがオタク部分が隠しきれず、何かある毎に新寺につつかれている。月子に惚れているが告白できないでいる。
- 新寺晃治(しんでら こうじ) (声:矢尾一樹)
- 生徒会長兼漫研部部長の3年生。通常は真面目な好青年で先生方の受けも良いが、中身は真っ黒。陰謀・工作も得意。「変人(マニア)を集める」マニア。滝沢で遊ぶのが気に入っている。それを見て月子は滝沢と部長はデキていると事ある毎にネタにしている。
- 萩野月子(はぎの つきこ) (声:菊地由美)
- 漫研部員の2年生。小柄でかわいらしい外見だが、ペンネーム「筋肉チンコ」と名乗りかなりハードコアなボーイズ系同人を描く。かなりの友達思いで、牧子の事は何より大事に思っている。彼氏は度々作るのだが、相手が一般人のためイベントを説明できず、その内疎遠になって別れる、を繰り返している。
- 八乙女泉(やおとめ いずみ) (声:堀内賢雄)
- 漫研部員の3年生。外見はデブ系オタクだが運動神経も良く漫研一の常識人。集中力が人並外れて高く、ハマったマンガなどの興味を持ったものは全て極めるレベルまで習得する。ペンネーム「マクハリ♥オボコ」と名乗り18禁の男性向け同人を描いているが、本来の画調は絵本の挿絵の様なファンタジー系。
- 伊達牧子(だて まきこ) (声:サエキトモ)
- 漫研兼演劇部員の2年生。背が高くスタイルが良いが、常に何かしらのコスプレをしている(このコスプレは必ず女性キャラとは限らない)。声優を目指して日々努力を積み重ねている。泉に好意を持っているが告白できないでいる。
- 松島笹美(まつしま ささみ) (声:真田アサミ)
- 図書委員兼漫研部員の1年生。通称ちゃみい。最初は普通の文学好きな少女だったが、月子の「やおい系」と言う悪の誘いを受けた結果、大手ボーイズ系同人サークル「姫の聖魔殿」の主催者にまでなってしまう。ペンネームは「綺羅星明日姫」(きらほしあすき)。彼氏持ち。
- 岩沼やもと(いわぬま やもと) (声:千葉繁)
- 漫研部員の1年生。通称軍人君。部長曰く「10年に一人の逸材」。常に迷彩服にグラサンを着用し武器を必ず携帯、食事もC・レーションで賄う徹底ぶり。性癖としてはメイド・眼鏡っ子・妹・ブルマ等数多くの物に精通する完璧超人でもある。軍事知識はかなりのものだが体力が今一つ。
[編集] 杜の宮高校関係者
- 名取正義(なとり まさよし) (声:中井和哉)
- 漫研部顧問。通称ジャスティス。仮面ライダーをこよなく愛し、腰には常にライダーベルトが光っている。基本的に昭和ライダーを愛しており、平成ライダーには時々拒否反応を起こす。これは通称「2月病」と呼ばれ、他の教師からも諦められている。兄にスーツアクターの勇樹(通称ブレイブ)がいる。
- 塩釜港(しおがま みなと)
- 図書委員長兼文芸部部長の3年生。メガネをかけており、背が低いが相当な巨乳。SF好きで語らせると長い。部長の素顔を知っていて仲は険悪、何かあると言い争いをしている。しかし泉曰く「同族嫌悪」。
- 秋保温司 (あきゅう あつし)
- 杜高の1年生で演劇部所属。いわゆるカメコで声優オタク。元牧子のおっかけであり、杜高に入ったのも牧子が目的。滝沢と同様、自分はオタクではなく、カメラがちょっと好きな一般人と主張する。滝沢の同族嫌悪の対象。
[編集] その他の登場人物
- 花京院艶子(かきょういん つやこ) (声:田中真弓)
- 部長の姉。本名不明(上記はペンネーム)。ボーイズ系の伝説的大手同人作家で、引退していたが近年復帰。漫研部員とは協力(?)関係にある。部長とは度々衝突するが、全て部長が言い負かされるか実力行使でボコられる運命にある。部長が唯一逆らえない人物。
- 滝沢萌美 (たきざわ もえみ) (声:池田千草)
- 政宗の中学生の妹。オタクヘイターであり、オタクである兄のことを疎ましく思っている。しかしその割に(物に釣られたとはいえ)イベントでメイド服姿で売り子をしたりすることもあり、実はそんなにオタク嫌いというわけでもないのかもしれない。
- 吉成青葉(よしなり あおば)
- 杜の宮高校の山向こうにある女子校の生徒。コミケで盗撮されそうになっているところを泉に助けられて以来、泉を追っかけるようになる。牧子とは恋のライバル同士になるが、あまり意識している様子はない。それよりも好みのカップリングがことごとくちゃみぃの逆であり、ちゃみぃとよくカップリング論争をしている。
[編集] 備考
- 「辣韮の皮」というタイトルは連載前に編集が提示してきた物であり、土用の丑とどちらか選べといわれて選んだタイトルである。サブタイトルにある「萌えろ!」という表記も無断でつけられた物であり、作者はいたく恥ずかしかったと語っている。
- 作者はふくやまけいこと交流があり、ふくやまは何度か単行本に寄稿している。
- 作者は長らく主人公の名前が「滝沢正宗」と間違えて表記されているのに気がつかず、1巻の初版では滝沢の名前は「正宗」表記だった。
- 登場人物の名前はほぼ全て宮城県仙台の地名や名物にちなんでつけられている。作中の舞台となる杜の宮高校があるのも、仙台付近だと思われる。
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