郵便ポスト
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ピラーボックスの例(英国・ケンブリッジ)
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郵便ポスト(ゆうびんポスト、単にポストとも)は郵便はがきや封筒を投函するための箱。日本の郵便法による正式名称は郵便差出箱という。2005年10月時点で全国に99,456個設置されている。[1]郵便が配達される箱は、郵便受けを参照。しばしば、郵便受けを郵便ポストと称する誤用が見られる。
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[編集] 日本の郵便ポスト
2004年時点で多いものは、画像のような金属製の箱型(角型)をしたものがほとんどである。1970年代までは円筒状のもの(通称"丸ポスト")が多く使われていた。多くは箱型のものに交換されたが、地方の一部には古い円筒形の差出箱も現役として残っている。
都市部に設置されたものでは、複数の投函口を持つものも広く使われている。たとえば、はがき/手紙とその他の郵便物、通常郵便と速達というようにである。年賀状を投函する時期になると、年賀状用の投入口が設けられる場合もある。その場合、通常の「通常郵便とその他の郵便物」などから「年賀郵便/その他の郵便物」に投函口が変わる。
差出箱は、街頭のみならず、工場などの私有地内を含めいろいろな場所にあり、特殊なケースでは山頂や海底(すさみ町)にあるものも存在する。海底であろうと収集時間になれば収集し、配達先へ投函される。1980年代までの鉄道による郵便物の輸送が行われていた時代には、主な鉄道駅の構内にも差出箱があり、あて先によっては駅に発着する郵便車に積み込まれ、郵便車の消印が押されることもあった。現在では、一部の駅のホームにポストが存在する。
日本においては郵便事業の主体が郵政事業庁から日本郵政公社に変更になって以降、窓口の拡大を狙いコンビニエンスストア各社と提携、ローソン、サークルKサンクス、am/pm店内に郵便ポストが設置された(それ以前にも、コンビニで切手や官製はがきを販売していたことから、コンビニの店先に差出箱が設置される場合も多い)。また、近年では駅構内のコインロッカーポストキューブに設置されるパターンも多い。
[編集] 海外の郵便ポスト
英国では郵便箱・ポストのことをピラーボックス(Pillar box)という。元来は円柱状のものを示す場合が多かった。また、米国ではレターボックス(Letter box)がこれにあたる。
[編集] 郵便ポストの色
日本ではポストの色は基本的に赤色である。速達用として青色、大型の集配所では国際郵便用の黄色のポストもある(下にある写真がそれ)。また、一部都市ではコンクリートグレーのなかで赤色が浮いてしまうため、「景観を崩さないように」、グレー(東京都の一部)やネイビーブルー(横浜市の一部)となっている例がある。珍しい例では国鉄時代に活躍した郵便車(クモユニ74)を模したオレンジと緑のポストが品川駅構内に設置されている。
日本で郵便制度が始まった初期のポストの色は赤色ではなく黒色であった。しかし、郵便の「便」を見た通行人がトイレと勘違いしたり、当時はまだ街灯などが十分に整備されていなかったため、夜間は見えづらくなるなどの問題が起こり、1901年から「目立つ色」として赤色に変えられた。
ポストの色は世界共通ではなく、日本の郵便制度の導入元であるイギリスなどで赤色であるものの、アメリカは青色、ドイツは黄色、中華人民共和国は深緑色である。
[編集] ポストのメーカー
ポストを製作するメーカーは多数あり、松下電工のような会社もあるし、中小メーカーによる生産品も多い。
郵政弘済会(現、郵政福祉)による納入品もある。
(通常、ポストには製造メーカーの銘板がついている)
[編集] ギャラリー
日本の郵便事業100周年記念ポスト(日本銀行大阪支店前) |
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品川駅橋上化完成・エキュート品川開設記念ポスト(JR品川駅) |
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アメリカの一般的なポスト(色は青か濃紺) |