酢飯
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酢飯(すめし)は、主に寿司で使われる、酢で調味された飯である。独特の風味の他、保存性に優れる点が利点として挙げられる。寿司に使われることから、寿司飯(すしめし)とも呼ばれる。寿司屋でシャリ(寿司用語参照)と言った場合、酢飯のことを指す。
[編集] 一般的な調理法と特徴
昆布等の出汁をとった水で炊き上げた飯を使うのが一般的である。そのようにして炊き上げた飯に、酢に塩、砂糖、みりんなどを加えた「あわせ酢」(寿司酢ともいう)を混ぜ込んだものが、一般的である。
飯に「あわせ酢」を混ぜ込む際、ただ加えるのではなく、よく混ぜながらうちわで扇ぐなどして冷やしながらすばやく行うことが肝要である。これは、余分な水分を湯気として蒸発させ、熱によって酢の香味が失われないようにするためである。混ぜる容器に木製のたらいのような形状をした「飯台(おひつ)」もしくは「半切り」というものを使用するのもこのためである。
混ぜる際はしゃもじを横方向にすばやく動かし、「切る」ようにしてムラ無く全体にあわせ酢をなじませる。なお、熱いまま、あるいは温かいままの酢飯は酢の匂いが強すぎて、香味というよりはむしろ異臭を放つことになるので、注意する。従って、熱いまま、温かいままの酢飯を料理にしてはならない。
うちわで適度に風を送り、冷ました後、一定時間寝かせたものが食べごろとされる。
ただし、冷蔵庫などで常温以下に冷やすなどの冷やしすぎは禁物である。この場合、飯がばらけて、美味しくない結果に陥る。また、ボールなどで扱う程度の飯の量の場合、うちわなどで扇ぐ必要すらないという説もある。
「あわせ酢」の混合比と、飯に対する配合比が、調理人の力量の見せ所であり、また、各家庭の味として特徴を生み出す。当然、地方・地域によっての違いもあり、日本各地で郷土料理としての寿司が存在する中で、タネ(ネタ・寿司の具材)と同じく、それを支える大きな特徴差にもなっている。
しかし、現在では、普通に炊き上げた飯に混ぜ込むだけで酢飯ができあがる粉末状あるいは液状の調味料も市販され、一般家庭ではこれらを利用することのほうが多い。
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