防疫給水部
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防疫給水部とは旧日本軍の陸軍に置かれた、疫病対策を目的とした医務、ならびに浄水を代表するライフライン確保を目的とした部隊の事。 実際には毒ガスを代表とする化学戦術、細菌を代表する生物戦術の研究機関として機能したとされる。
[編集] 組織
本部は現在の新宿区戸山にあった陸軍軍医学校に置かれ、中国を中心とするアジア各地の拠点ごとに防疫給水部が置かれた。北支那防疫給水部(北京:甲第1855部隊)、中支那防疫給水部(南京:栄第1644部隊)、南支那防疫給水部(広州:波第8604部隊)、南方軍防疫給水部(シンガポール:岡第9420部隊)などである。関東軍防疫給水部満州第731部隊は特に中国人捕虜を使い人体実験を行ったとされるが、戦前戦後をとおして極秘とされ、現在でも議論されている。本部は、陸軍参謀本部に帰属すると同時に、陸軍軍医学校にも帰属しており防疫研究室と呼ばれた。