非政府組織
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非政府組織(ひせいふそしき、英 NGO; Non-Governmental Organizations)は、政府以外の組織であり、公共的・公益的サービスを担う活動をおこなう非営利組織。慣習的に、国際的に活動するものを非政府組織・NGOと呼ぶ場合が多い。
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[編集] 国際連合における非政府組織の位置づけ
国際連合憲章においては、非政府組織(英語ではNGO)は、国際連合と連携を行う民間組織と定義されている。(国際連合憲章の当時の日本政府訳(昭和31年条約第26号)では、単に「民間団体」と訳されている。) そのため一般的に、非政府組織は、国際連合と協力関係にある国際組織と同義と考えられる。実際に、国際連合が連携・協議する国際的な非政府組織は、国際連合NGOとも呼ばれ、国際政治を動かすほどの影響力を持つ。
[編集] 非政府組織の法人格
上述のとおり、非政府組織は国際的に活動する団体を特に指すことが多い。これは非政府組織と同様に国際的に活動する各国政府や国際機関との対比による。
同一の団体・組織であっても、所属する国内の法人格としてはNPO((Non-Profit Organization, Non-Profitable Organization; 非営利団体)、国際的な通称としてはNGO(非政府組織)と標榜することが多い。その為、国際的には非政府組織として認知され、かつ国内法上は非営利団体や特定非営利活動法人として扱われる。 非政府組織の多くは、所属国内の法律において法人種を非営利団体(特定非営利活動法人)、財団としている場合が多いが、法人格として会社であっても非政府組織となり得る。
[編集] 呼称による印象と問題点
非政府組織を標榜することにより、その活動は、公共的・公益的であるという印象を受けやすい。しかし、市中の小規模な非政府組織の中には活動が公益に沿わないものも散見される。なかには、特定組織のための圧力集団となり政治的・経済的活動を行う組織もある。例としては食肉業界の金銭的支援を受けて捕鯨反対運動を行う団体のような物が挙げられる。
また、実態が反政府組織や、特定政党と連結した政治団体、非合法組織である場合もある。これらの団体は、政治的な立場や信条を除外して客観的にみた場合、公共の利益に貢献しないため、正確には非政府組織とはいえない。
非政府組織の検証は公共の利益を守る上で重要であり、そのため活動の現場における監査がおこなわれている。また、外務省などの公共機関や特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター (JVC) など民間の検査団体も、活動内容の検証を行っている。
近年、国内外においてNGOの数が増え、大規模化、専門化も進んでいる。公共の利益のための非政府組織だが、「国家や政府の枠組みに捕らわれず、市民生活に根ざして活動する」というNGOの性質上、こうした高度化によってかえって一般の市民生活と乖離してしまうのではないかとも危惧されており、外部評価、活動内容や会計の透明性、意見交換などの必要性が増している。
[編集] 国際的な非政府組織
- 国際人権救援機構AI
- 国際建設・林業労組連盟BWI
- 世界情報基盤委員会GIIC
- 国際会計基準審議会IASB
- 国際航空運送協会IATA
- 国際赤十字赤新月社連盟IFRC
- 赤十字国際委員会ICRC
- 国際法曹協会IBA
- 国際化学エネルギー鉱山一般労連ICEM
- 国際自由労連ICFTU
- 医薬品規制ハーモナイゼーション国際会議ICH
- 国際助産師連盟ICM
- 国際博物館会議ICOM
- 国際科学会議ICSU
- 国際教育到達度評価学会IEA
- 国際電気標準会議IEC
- 国際競技連盟IF
- 国際会計士連盟IFAC
- 国際選挙制度財団IFES
- 国際ジャーナリスト連盟IFJ
- 国際金融協会IIF
- 国際鉄鋼協会IISI
- 国際港湾倉庫労働組合ILWU
- 国際道路連盟IRF
- 国際運輸労連ITF
- 国際運輸安全連合ITSA
- 国際自治体連合IULA
- 国際オリンピック委員会IOC
- 国際公務員労連PSI
- 世界医師会WMA
- 太平洋電気通信協議会PTC
- 国際銀行間通信協会SWIFT
- 国際鉄道連合UIC