飲むヨーグルト
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飲むヨーグルト(の-)は、ヨーグルトを液状に加工した飲み物の総称。ヨーグルトと同じ「発酵乳」に分類される。
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[編集] 中東
古くからブルガリアなどでヨーグルトに水と塩を混ぜたアイラン(ayran)と呼ばれるスープがあり、バルカン半島から中東や中央アジアまで広い地域で愛飲されている。ヨーグルトに塩を加えて長期保存しようとしたことが起源と考えられている。 冷たいままだが、味噌汁のようにして食される。新鮮なアイランは泡を含んでいる。水の代わりにキュウリの汁やガーリックを入れたり、更にブラックペッパーで味付けしたり、本家ブルガリアではマイナーだが塩を入れずに食卓にあげる場合もある。遠い地方では、ミントの葉を刻んでアイランに入れる調理法もある。
トルコでは、ソフトドリンク市場とは対照的に知名度があり、コカ・コーラなどの現代企業に挑んでいる。マクドナルドも地域限定メニューとしてアイランを平常から採用している。アゼルバイジャン、シリア、レバノンではファストフード店を含むすべてのレストランが供しているが、トルコとブルガリアではスーパーが主な市場である。トルコの田舎では、客のもてなしにアイランを供す。
[編集] 欧米
オランダとドイツでは、塩を使わないものがバターミルク(karnemelk/Buttermilch)として知られている。 アメリカでは、カリフォルニアでTahnという名で中東マーケットやファストフード店などの至るところで販売されている。
[編集] 日本
日本では昭和45年にヤクルトが「ジョア」を開発。昭和52年に「ビヒダス」が森永乳業から発売され、昭和59年に「乳製品へのビフィズス菌利用の研究」として科学技術庁長官賞を受賞。現在では特定保健用食品としての需要が高く、乳酸菌の量を調整しプロバイオティクスを謳ったもの、液糖や果汁を加えて飲みやすくしたものなどさまざまな種類の「飲むヨーグルト」が各社から発売されている。パック容器に入った市販品が主流で、家庭で手作りすることはヨーグルト以上に稀である。