首都大学野球連盟
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首都大学野球連盟(しゅとだいがくやきゅうれんめい 英語表記はTokyo Metropolitan Area University Baseball League)とは、首都圏近郊に所在の14大学で構成された大学野球リーグである。全日本大学野球連盟の傘下連盟。
出身選手についてはCategory:首都大学野球連盟の選手を参照。
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[編集] 略史
1964年、翌年から全日本大学野球連盟が全日本大学野球選手権大会の出場枠を拡大するにあたって、当時東都大学野球連盟の準加盟に所属していた東海大学が新リーグの結成を同じく東都大学野球連盟内の所属校のうち3部、準加盟1部2部所属校を中心に多くの大学に呼びかけを行った。
この呼びかけに成城大学、日本体育大学、東京教育大学(現在の筑波大学)、東京経済大学、武蔵大学、明治学院大学が賛同し東都大学野球連盟から脱退。1964年6月22日に首都大学野球連盟を発足させた。尚リーグ戦の開始は、諸事情の関係で東都大学野球連盟からの脱退後、約半年後となった。(脱退までの経緯の詳細については東都大学野球連盟の記述を参照)
東都大学野球連盟で下部に所属していた大学で構成されたため、発足当時はその実力が危ぶまれたが、結成から5年の1969年に東海大学が選手権で優勝するという快挙を成し遂げた。1977年には原辰徳が東海大学へ入学し、原辰徳を見たいファンが連日球場へ押しかける騒ぎとなり、全国大会出場時には同時期に法政大の投手であった江川卓との直接対戦などで大いに話題となった。
[編集] 特徴
大学野球の2大タイトルである全日本大学野球選手権大会と明治神宮野球大会において連盟として通算7回の優勝を誇る。戦後発足した他の新興大学野球連盟の中でも抜きん出た成績を誇っており、東海大以外の各所属校の“努力・実績・OBらの活躍”もマスコミに評価され、現在では主要五リーグ(東京六・東都・首都・関西学生・関西六)の一つとして数えられている。
また、設立時の経緯から東海大学を中心としたリーグ運営となっており、現在も連盟事務局は東海大学の中にあり、連盟の会長は代々東海大学総長が務めている。
東海大学が目立ちがちに思われるが、近年はリーグ全体のレベルも非常に上がっている。1987年は筑波大学が明治神宮野球大会で優勝し、2001年には城西大学が明治神宮野球大会で準優勝した。2部から昇格したばかりの武蔵大学が東海大学に土をつけるなど群雄割拠の様相を呈してきている。
[編集] 沿革
- 1964年 春季に東都大学野球連盟を脱退した東海大学・成城大学、日本体育大学、東京教育大学(現在の筑波大学)、武蔵大学の5大学で発足し交流試合を実施。同年6月13日に全日本大学野球連盟から正式に承認を受け、新たに同様に東都を脱退した明治学院大学と東京経済大学の2校を加えた7大学にて秋季から正式にリーグ戦を開始。
- 1965年 同年2月に第14回全日本大学野球選手権大会からの出場枠の獲得が決定。
- 1966年 城西大学、大東文化大学、明星大学が加盟。
- 1967年 帝京大学、獨協大学が加盟。
- 1968年 秋に行なわれた明治維新百年記念明治神宮野球大会にて首都大学選抜チームが優勝。
- 1969年 第18回全日本大学野球選手権大会で東海大学が連盟代表として初優勝。
- 1970年 秋に行なわれた明治神宮鎮座50周年奉納野球大会(第1回明治神宮野球大会)にて東海大学が優勝。
- 1975年 玉川大学が加盟。
- 1977年 原辰徳がリーグ戦出場。
- 2004年 40周年記念で学生とOBプロの対抗戦を実施。
- 2006年 創造学園大学が加盟。
[編集] 運営方法
[編集] 構成
最上位リーグを1部リーグ、下位リーグを2部と称する。 前シーズンの成績を基にした1部6校、2部8校に分けたブロック運営を行なっている。
[編集] 対戦方法
春季と秋季にそれぞれリーグ戦を実施。また各シーズン終了後に各部の間で入れ替え戦を実施する。
[編集] 1部
春秋共に2戦先勝方式の総当たりによる勝ち点制。(引き分けは再試合)
[編集] 2部
春秋共に2回戦総当たりによる勝率制。(但し引き分けは再試合、かつては1部と同様の勝ち点制を採用していたが変更となった。)
[編集] 2戦先勝方式
同一の対戦校に対して先に2勝したチームがその相手校との対戦に勝利したとして対戦を終了する。(1勝1敗の場合は第3戦を行い決着を付ける。)
[編集] 順位決定方法
[編集] 勝ち点制
同一対戦校に勝ち越した場合に勝ち点1を獲得し、勝ち点が多い方が上位。勝ち点が同じ場合は全体の勝率比較によって順位を決定。 勝ち点も勝率も同じ場合は、優劣の決定が必要な場合に限り決定戦(プレイオフ)を行なう。 決定戦の成績はリーグ戦の成績に加算しない。
[編集] 勝率制
当該チームの全勝数を引き分け試合を除いた全試合数で割ったもの。その数値が高いチームを上位とする。
[編集] 入れ替え戦
各部のリーグ戦の終了後に上位リーグの最下位校と下位リーグの優勝校との間で対戦を組み、勝者チームを次シーズンの上位リーグの所属とする。(敗者チームは次シーズンは下位リーグ所属となる。) 対戦方法は2戦先勝方式。
[編集] 試合会場
設立当初は東都大学野球連盟の試合のない日に明治神宮第二球場を使用していたが、土日開催を目指して神宮球場からは撤退し、以後は川崎球場を主体の運営に変更した。しかし川崎はスタンドの老朽化のため2000年に解体・改修され、硬式野球での利用ができなくなったため、現在は平塚球場、川崎市等々力球場、大田スタジアムを中心に加盟各大学の所有球場も利用しながら試合を開催している。これまでは神奈川を中心とした球場で行われていたが、利便性・集客効果・公平さ等を再検討し、埼玉の球場も多く使用されるようになった。2006年春季には岩手という首都圏から離れた遠隔地で開催する画期的な試みも行われている。この地方開催では出場した大学の学校案内のコーナーが設けられ、各大学のガイドブックが200部ずつ用意されていたが、それが品切れになるほどの大成功を収めた。
[編集] 加盟大学
首都大学野球連盟 城西大学 | 成城大学 | 創造学園大学 | 玉川大学 | 大東文化大学 | 筑波大学 | 帝京大学 | 東海大学 東京経済大学 | 獨協大学 | 日本体育大学 | 武蔵大学 | 明治学院大学 | 明星大学 |