黒岩重吾
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黒岩 重吾（くろいわ じゅうご、男性、1924年2月25日 - 2003年3月7日）は日本の小説家。大阪市生まれ。旧制宇陀中学（現・奈良県立大宇陀高等学校）、同志社大学法学部卒。
大学在学中に学徒出陣。このことが創作の原点になる。帰国後、証券会社に入社するが、株相場で大失敗し家財を売り払う。1953年悪食を試み腐った肉を食べたことで小児麻痺を発病｡以後三年間入院生活を送る｡ 退院後はドヤ街に移り住み、トランプ占い、日本勧業証券（現みずほインベスターズ証券）勤務、業界紙記者、キャバレーの呼び込み、水道産業新聞編集長などさまざまな職業を経験｡1959年 源氏鶏太の紹介で司馬遼太郎と知り合い「近代説話」の同人として、小説を書く｡
1960年、『休日の断崖』を刊行｡直木賞候補となる｡翌年に釜ヶ崎(あいりん地区)を舞台にした『背徳のメス』で直木賞受賞｡以後、「西成モノ」を主に金銭欲・権力欲に捕らわれた、人間描写を巧みに抉った社会派推理・風俗小説作家として活躍｡1963年、日本推理作家協会関西支部長就任。『休日の断崖』『裸の背徳者』『さらば星座』などの作品がある。
1970年代後半から、以前より関心のあった古代史小説を執筆｡『天の川の太陽』で吉川英治文学賞｡古代史を舞台とした一連の歴史小説により菊池寛賞受賞｡代表的な古代史小説は、『聖徳太子』『天翔ける白日』『白鳥の王子ヤマトタケル』など。弟子に難波利三がいる。
目次 |
[編集] 受賞歴
[編集] 古代史転向
黒岩は1970年代後半から古代史小説を書き始める｡その理由を、『紅蓮の女王』の巻末に掲載された、尾崎秀樹との対談で語っている｡
黒岩が生まれ育ったのは、古代史の舞台となった所であった｡子供時代は、百舌鳥や、古墳群の近くで遊んだ｡
黒岩が入った旧制宇陀中学では、飛鳥を中心にして軍事練習をしていた。ここでは、古墳を利用して練習を行っていて、後に高松塚古墳が発見されたとき、衝撃を受けたという。
また、当時の古代史ブームに影響されたのもあった｡
[編集] 作品リスト
- 休日の断崖(1960年、浪速書房)
- 背徳のメス(1960年、中央公論社)
- 腐った太陽(1961年、浪速書房)
- 飛田ホテル(1961年、講談社)
- 落日の群像(1961年、新潮社)
- 脂のしたたり(1962年、講談社)
- 天の踊り(1962年、文藝春秋新社)
- 法王の牙(1963年、中央公論社)
- 洞の花(1963年、講談社)
- 廃虚の唇(1963年、光文社)
- 愛の装飾(1963年、講談社)
- 太陽を這う(1964年、講談社)
- 昼と夜の巡礼(1965年、講談社)
- 炎は若い(1966年、文藝春秋新社)
- 裸の背徳者(1970年、文藝春秋)
- 果てしない影(1973年、文藝春秋)
- カオスの星屑(1974年、文藝春秋)
- 夜なき亀裂(1976年、角川書店)
- さらば星座(1977～89年、集英社)
- 翳りある座席(1978年、実業之日本社)
- 霧の中の異邦人(1980年、文藝春秋)
- 霧の鎖(1981年、毎日新聞社)
- 残雪の門(1985年、朝日新聞社)
- 雨毒(1998年、講談社)
- 落日はぬばたまに燃えゆ(1999年、集英社)
- 古代史小説
- 紅蓮の女王(1978年、光文社)
- 天の川の太陽(1979年、中央公論社)
- 落日の王子 蘇我入鹿(1982年、文藝春秋)
- 天翔ける白日 小説大津皇子(1983年、中央公論社)
- 聖徳太子 日と影の王子(1985年、文藝春秋)
- 北風に起つ 継体戦争と蘇我稲目(1988年、中央公論社)
- 白鳥の王子ヤマトタケル(1990～2000年、角川書店)
- 茜に燃えゆ 小説額田王(1992年、中央公論社)
- 弓削道鏡(1992年、文藝春秋)
- 磐舟の光芒(1993年、講談社)
- 斑鳩王の慟哭(1995年、中央公論社)
- 鬼道の女王卑弥呼(1996年、文藝春秋)
- 天風の彩王 藤原不比等(1997年、講談社)
- 女龍王神功皇后(1999年、新潮社)
- 中大兄皇子伝(2001年、講談社)
- ワカタケル大王(2002年、文藝春秋)
- 役小角仙道剣(2003年、新潮社)
- 闇の左大臣 石上朝臣麻呂(2003年、集英社)
[編集] 参考文献
- 紅蓮の女王 小説推古天皇(上記)
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