黒薙温泉
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黒薙温泉(くろなぎおんせん)は、富山県黒部市宇奈月温泉(旧国越中国)にある温泉。
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[編集] アクセス
黒部峡谷鉄道本線黒薙駅下車。所要徒歩20分の山道経由のルートと、所要徒歩10分足らずのトロッコ支線の軌道トンネル内を通るルートがある。山道経由の方が展望も良いが、起伏が激しい道である。足腰に自信がない人や、悪天候時などでトンネル内ルートを歩きたい場合は、黒薙駅駅員に一言断る必要がある。時期によっては山道が残雪や土砂崩れで通行止めで、トンネルのルートしか使えない時がある。
[編集] 泉質
[編集] 温泉街
完全な一軒宿であり、温泉街といえるものはない。黒部峡谷鉄道のトロッコ列車の運行期間のみの営業となる。一軒宿は富山地方鉄道グループの会社であり、宇奈月温泉への送湯事業を行う黒部観光開発株式会社が経営している。
黒部川支流の黒薙川に面した宿である。黒薙川の流れは激しく、そのため川に面した部屋は川音が大きく、音に敏感な人は注意を要する。そのような人は眺めがなく少し薄暗いものの、山側の部屋が良いかもしれない。また、部屋にはテレビなどはない簡素な部屋である。食堂も簡素であるが、食事は山の特徴に満ちている。もともと湯治場であったが、現在でも湯治部の名残として自炊所が設置されている。
一軒宿の浴場は、旅館併設の男女別の内湯と、宿から3分ほど上流に歩いた混浴の露天風呂がある。また、近年つり橋を架けた向かいに女性専用露天風呂「天女の湯」が新設された。露天風呂にはテントの更衣室が併設されている。混浴露天風呂のすぐ手前に源泉がある。ここは黒薙温泉の源泉であるとともに、黒部川の川下に位置する宇奈月温泉の全ての宿の源泉でもあり、延々と黒部川沿いに引湯管が宇奈月まで設置されている。これはトロッコの車窓からも確認できる。
7月の下旬から8月は血を吸うアブ(イヨシロオビアブ・方言でオロロ)が多く、明るい時の露天風呂入浴は注意を要する。この期間の露天風呂の日帰り入浴は、あまり適さない。
[編集] 歴史
1868年の開湯であるが、険しい山奥のために猟師等の限られた人だけに利用される温泉だった。大正年間に至って登山道と言えるものが開通し、湯治場として知られるようになる。
1924年に宇奈月までの引湯管が完成する。なお、この引湯管は利用権を得ていない土地をほんの少し通過していたことから、これをめぐって土地の権利者が起こした民事訴訟が、「権利の濫用」の判例として知られる「宇奈月温泉事件」である。
1995年の大水害では、比較的低い場所に建っている浴場と露天風呂などが流失し、現在あるものは翌年再建されたものである。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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