C-5 (輸送機)
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C-5はアメリカ合衆国空軍が運用する軍用超大型長距離輸送機。開発時は、世界最大級の輸送機であった。製造会社はロッキード社(現在はロッキード・マーティン社)である。愛称は「ギャラクシー」(Galaxy)。初飛行は1968年6月30日。1973年までに計81機がデリバリーされた。
機体形状は、軍用輸送機として一般的なもので、主翼は高翼配置、T字尾翼を採用した。エンジンは、ターボファンエンジンを主翼パイロンに4基搭載している。機内は一部2階建てとなっており、上部デッキには、兵員73名が搭載可能である。C-5A/Bのカーゴベイは幅5.8m、高さ4.9m、長さ36.9m(+ランプ部7.2m)という巨大なもので、前後にローディングランプ付のカーゴドアを持つ。ペイロードはアメリカ軍の輸送機の中で最大で100t以上の貨物を搭載可能である。
1960年代に、アメリカ本土から遠隔地の前線へ、一挙に兵員・物資を輸送することを目的に開発が開始された。初期型のA型は、81機生産された。1982年より緊急展開軍(RDF)構想の基に主翼の改設計などを行ったC-5改良型の生産が決定され、50機が生産された。
ベトナム戦争や湾岸戦争において、各地への空輸を行い、高い評価を受けた。
なおボーイング社も、当機に対抗して大型輸送機を開発しようとしたが、開発・採用には至らなかった。しかし、大型機開発の技術・スタッフを転用し、ボーイング747を開発した。
[編集] 要目(C-5B)
- 全幅:67.9m
- 全長:75.5m
- 全高:19.9m
- エンジン:GE TF-39ターボファン(19,500kg)4基
[編集] 派生型
[編集] 登場作品
- 機動警察パトレイバー:TV版でシャフト社の警備部門SSS(=シャフト・セキュリティ・システム)の輸送機で登場。