EAST END×YURI
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
EAST END×YURI(イーストエンド プラス ユリ)は日本のヒップホップユニットである。現在は活動していない。TBS系COUNT DOWN TVでは、イープリと呼ばれていた。
目次 |
[編集] 来歴
1990年、EAST END結成。1992年にアルバム『Beginning of The END』でデビュー。
1990年代前半はRHYMESTERやZINGI、スチャダラパーなどが続々とデビューし、日本のヒップホップシーンが隆起する黎明期だったが、世の中にラップやヒップホップというものは全く認知されておらず、完全にアンダーグラウンドの世界だった。当然CDは全くと言っていい程売れないまさに「冬の時代」で、どのアーティストもヒップホップを人々に浸透させるため試行錯誤していたが、シーンは風前の灯火だった。
そんな中、イベントでの共演が好評を得て、ファイルレコード・佐藤社長の発案により東京パフォーマンスドールの市井由理とEAST ENDでEAST END×YURIを結成。CRAZY-AやRHYMESTERなど、当時のファイルレコード関係者が集結し、日本ヒップホップシーンの命運を託されたユニットであった。
デビューアルバム『denim-ed soul』からリカットされたシングル「DA.YO.NE」はミリオンヒットを記録。「英語以外のラップによるCD売り上げ記録」としてギネスブックにも掲載された。2ndシングル『MAICCA』と共に流行語大賞にノミネートされ、NHK紅白歌合戦に出場。日本のヒップホップ史上かつてない商業的成功を収めている。日本人にとってそれまでマイナーだったラップミュージックやヒップホップの存在を大きく印象づけ、現在に至るメジャーシーンにおけるヒップホップの浸透に大きく貢献した。その反面、「売れるための手法(セル・アウト)」に激しい批判をヒップホップ(ことにヒップホップにおいてセル・アウトは非難される)やその他の分野から受けたことも事実である。
1998年に活動休止。
[編集] メンバー
- GAKU-MC(本名:須古 学) - MC担当。
- YOGGY(本名:鈴木 義親) - DJ担当。
- YURI(本名:市井 由理)- ボーカル担当。
- ROCK-Tee(本名:角田 頼泰) - DJ担当。参加したのは「DA.YO.NE」のみで、方向性の違いからEAST ENDを脱退。(EAST ENDの活動再開と共に復帰。)
[編集] ディスコグラフィ
[編集] シングル
- 『DA.YO.NE』(1994年8月21日発売)101.8万枚
- 『MAICCA~まいっか』(1995年2月13日発売)売り上げ 113.3万枚
- 『いい感じ やな感じ』(1995年4月21日発売)売り上げ 42.7万枚
- 『何それ』(1995年7月21日発売)売り上げ 8万枚
- 『ね』(1995年12月1日発売)売り上げ 5万枚
- 『日曜の朝の早起き』(1996年5月22日発売)売り上げ 0.4万枚
[編集] アルバム
- 『denim-ed soul』(1994年6月25日発売)
- 『denim-ed soul 2』(1995年6月21日発売)
[編集] 『DA.YO.NE』のローカル版
『DA.YO.NE』のメガヒットを受けて、その地方版(方言版)とも呼べる CD が同時期に多数リリースされた(参考)。関西弁(大阪弁)バージョンは1995年2月22日に発売。それ以外の5バージョンは、約2ヶ月遅れの1995年4月21日に同時発売された。参加メンバーは、基本的にその地方の方言のネイティブスピーカーとなっている。
- 関西弁(大阪弁)バージョン。今田耕司と東野幸治、そして、大阪パフォーマンスドールの武内由紀子(YUKI)というメンバー構成。DA.YO.NE に次ぐ売り上げ(56万枚以上、年間59位)を記録し、アルバムまでリリースした。
- 名古屋弁バージョン。鉄崎幹人(愛知県名古屋市出身)と戸井康成(愛知県一宮市出身)、そして、原田さとみ(愛知県大府市出身)がSATOMIとして参加。この三者は、当時東海圏で人気を誇っていたローカルテレビ番組『ミックスパイください』の出演者同士という間柄である。
- 東北弁(仙台弁・津軽弁)バージョン。当時岩手県水沢市にあった岩手めんこいテレビ(現在は盛岡市に移転)のアナウンサー・横山義則(現在東北放送のキャスター、宮城県大崎市出身)と、同局女子アナ・熊谷麻衣子(現在とくダネ!レポーターなどをしている。仙台市出身)らが参加。岩手県で企画されたが、水沢市が旧仙台藩の版図である背景もあって仙台弁が採用され、ラップでは津軽弁が使われている。
- 広島弁バージョン
その他、アルバム収録曲として、中国語(中国官話)バージョンとインドネシア語バージョンも作られている。
- NA.HAO.BA (Mandarin version) - FAX
- IYA-YEAH (Indonesian version) - SUZY x THE IND' BOYS
また、富山テレビの番組内の企画で、富山弁版にあたるSO.YA.CHA(そやちゃ)なるものが製作された。歌唱メンバーの募集は、富山テレビの他、FMとやまと開進堂楽器でも行われた。