KBSニュース9
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KBSニュース9は韓国放送公社(KBS)第1テレビで毎日午後8:58から放送されるニュース番組。韓国で一番多くの人が見ているニュース番組であり、KBSの看板ニュース番組である。なお、正式な番組名は「KBS9時のニュース」である。
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[編集] 内容
- 第1ラジオ(AM・FM)でも同時放送している(午後9:00から)。
- ローカル枠、平日は9:30前後からスポーツニュース放送前まで、週末はスポーツニュース途中の9:25前後から終了時刻の9:30まで放送されている。ラジオの同時放送はローカル枠に入る直前で終了となる。
- 大きな事件があった場合は、放送開始時刻が早まったり、放送終了時刻が遅くなったりする。なお、スポーツ中継による番組の前倒し、遅れに関しては、スポーツ中継をKBS第2テレビに充てることが多いため、そのようなことは少ない。
- MBCニュースデスクと同じように、重大事件やイベントが起こった場合は、サテライトスタジオを組み立ててから、そこで生放送をしている。
- 日本ではかつてスカイパーフェクTV!のKNTVにて同時生放送、ならびに深夜帯で再放送されていた。現在はスカイパーフェクTV!のKBS WORLD チャンネルにて早朝の「KBSニュース広場」や昼の「KBSニュース12」とともに同時放映されている(再放送はなし)。
[編集] 歴史
全斗煥政権時代には、同番組において、大統領の動静を毎日トップニュースで報道したり、総選挙の際野党に対して露骨とも取れる偏向報道を行ったことで、視聴者から猛反発を受けて、一時KBSの受信料収入が半分近くまで減少するきっかけを作った。しかし、80年代後半から民主化が進んだこと、KBSの労働組合が、報道の自由を求めてストライキを起こしたりしたことで報道の自由度は、大幅に改善されることとなった。また、大韓航空機爆破事件や湾岸戦争の際に現地から報道を行うなど、アンカーによるニュース報道にも力を入れるようになった。
[編集] 備考
- 裏番組であるMBCニュースデスクとは何十年にも渡って視聴率争いを繰り広げている。全斗煥政権にはMBCニュースデスクが40%以上の視聴率を叩きだすなどし水を開けられていたが、ここ数年は平均で20%前後の数字を確保し、MBCニュースデスクからリードを奪っている。
- 韓国のTV局において、ニュース番組は局のレベルとイメージを決定付ける、いわば「顔」としての役割を果たしている。日本や欧米のニュース番組では、ニュースの合間に雑談やジョークを交えて番組を和やかにするよう演出するが、韓国では「キャスターはあくまでニュースを読むこと徹するべき」と考えられている。そのため、キャスターがふざけたり、長々とフリートークを行えば視聴者から苦情が殺到すると言われている。特に、公共放送であるKBSなら尚更である。
- 韓国では、鄭東泳のように報道番組でキャスターを務めた後に、政治家として転出するケースが多いのも特徴である。これは、「KBSニュース9」も例外ではなく、90年代前半には、同番組のキャスター経験者が相次いで政治家に転出し話題を集めた。こうした傾向に対し、韓国の新聞東亜日報は、ピーター・ジェニングス、トム・ブロコウ、ダン・ラザーが、ジャーナリズムの最前線で活躍していたことを例に挙げた上で、キャスターという地位を国政進出の踏み台にする韓国の一部キャスターを批判する論説を掲載したほどである。
[編集] 参考文献
- 韓国のマス・メディア/彭元順著/電通/1991.11