PlayOnline
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
- ネットワークサービスのこと。本稿で記述する。
- かつてアクセラから発売されていたネットワークゲーム雑誌のこと。PlayOnline (雑誌)を参照
PlayOnline(プレイオンライン)とはスクウェア・エニックスが提供するネットワークサービス。β版の開発プロデューサーは松野泰己。
目次 |
[編集] 概要
旧スクウェア、スクウェア・エニックスが提供するオンラインゲーム(旧エニックスが発売したオンラインゲームは含まない)をプレイする場合、このサービスを利用して管理するサーバーにログイン後、ゲームがプレイ可能になる。
1999年のイベント「スクウェア・ミレニアム」でファイナルファンタジーIX・X・XIと同時に発表された。2001年9月にベータテストが開始した。ファイナルファンタジーXIに合わせて2002年5月にプレイステーション2向けに、11月にWindows向けに正式サービスを開始した。
サービスの利用にはプレイステーション2およびWindows用のソフトウェア「PlayOnline Viewer」を使用する。電子メールやチャットのサービスも提供されている。
2003年4月にスクウェアとエニックスが合併する以前は、PlayOnline.comはスクウェアの公式ホームページを兼ねていた。
ファイナルファンタジーXの付属DVDに収録されていた映像では、プレイオンラインを通してリアルでも恋人ができるかも?といったドラマが入っており。ファイナルファンタジーXIのCM・広告でもプレイオンラインを通してリアルでの結婚や出会いを推奨するような内容が多い。
[編集] 提供中のオンラインゲーム(2006年11月現在)
- ファイナルファンタジーXI(PS2・Windows・Xbox360)
- 人気シリーズの系譜に組み込まれた日本国産最大級のMMORPG。
- フロントミッションオンライン(PS2・Windows)
- 対人戦要素のあるロボットアクション。
- テトラマスター(PS2・Windows)
- ファイナルファンタジーIX由来の対戦型カードゲーム。
- 雀鳳楼(PS2)
- 4人打ち対戦麻雀。
[編集] 終了したコンテンツ
- ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII(PS2)
- 運営スタッフが直接イベントに関わるなど更新も積極的だったが、運営への見切りが早く、過疎化する前にサービス終了してしまった。
- ファンタジーアース(Windows)
- 国家間戦争を主題とした対戦アクション。スクウェア・エニックスによる運営は2006年10月30日で終了し、ゲームポットによる運営に移行し「ファンタジーアース ゼロ」と改題された。
- 植松伸夫のツルッといっときますか&2(コラム・読者投稿コーナー)
- 投稿が少なく、植松本人も見ていないと発言した。後にウェブ上のスクエニミュージックに継承された。
- アルタナ大全(ファイナルファンタジーXIの世界設定の紹介)
- 更新停滞気味であったが、ウェブの普及から歴史的役割を終えたと発表され閉鎖された。
- ヴァナ・ディールトリビューン&2
- 『ファイナルファンタジーXI』のゲーム内情報誌。2から読者投稿による伝言コーナーが増えたが、毎月届くコメントは日米合わせて5通程で、サンプルメッセージが常に掲載されている閑散ぶりであった。現在バックナンバー閲覧可能。
- 鈴木みその漫画
- 『FFXI』に関する体験記だったが、批判的な内容も含まれていた。
- ファイナルファンタジーXII情報
- POL会員限定情報の公開という公約は結果的にウェブ版公式サイトの一部ページ削除という形で守られた。
- ラジアータ ストーリーズ情報
- 旧エニックス関連のコンテンツが初めて登場した。
- ロマンシング サガ -ミンストレルソング-情報
- 壁紙コーナー・フレンドリストと連動し、小林・直良のイラストが大幅に提供された。
- ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン情報
- 現在、最後に制作されたオリジナルコンテンツである。
[編集] 運営していたコンテンツ
- エバークエスト2
- POL対応作品ではないが、POLの管轄で運営されていた。会員数が伸び悩み、半年で本来の運営元であるSony Online Entertainment (SOE) に移管され、スクウェア・エニックスによるサービスを終了した。現在はSOEが直営している。
- 余談だが2005年のスクウェアエニックスパーティーでは試遊コーナーの客足が悪く、イベント賞品であるPOLタオルを配るといった呼び込みがされていた。
[編集] 関連する状況
- 2005年2月8日 いわゆるフィッシング詐欺による被害が報告された。詐欺をおこなったユーザーには強制退会処分が行われた。
- 2005年4月15日 4月9日より続いているPlayOnlineのサーバー群のネットワークトラブルが、不特定の第3者によるDDoS攻撃であることが発表された。日本のネットワークゲームにおいて、これほどの規模で攻撃されたのは初だと思われる。また時期は竹島問題に起因して反日活動が活発な時期であった。2005年10月現在、関係性は不明だが、竹島問題や靖国参拝問題など、アジア各国と軋轢が発生する問題が表面化するたびに、それにあわせるようにDDoS攻撃が繰り返されている。
[編集] 一部コンテンツの迷走
以下の記述は客観的な視点からの推測の域を超えないものであるが、一部POLコンテンツ不振の原因と思われる物である。
- ブロードバンドの普及に比例するパソコン普及率という誤算
- プレイオンラインの最大の特徴はオンラインゲームであるが、開発段階では数多くのコンテンツを持つ野心的な企画があった。エイベックスによる音楽配信、集英社の漫画配信、デジキューブ通販コーナー、ウェブブラウザ、スポーツニュースがそれである。
- まだ電話回線の常時接続が普及していなかったインターネットが限られた人々の趣味だった当時、ゲーム機でインターネット的な機能を楽しめる事を売りにしていたのだが、ブロードバンドによるネットの普及は同時にパソコンの普及にも追い風となり、ゲーム機にパソコンができる機能をわざわざ搭載する必然性が薄れたのである。更には配信サービスの難しさなど(当時はITunes Music Storeも存在していない)もサービス中止の原因と言える。
- HDD専用という足枷
- プレイオンラインはコンセプトの性質と『FF11』というコンテンツをプレイステーション2で実現するための手段としてハードディスクドライブ必須という制約が存在する。これによりPOL対応作品はどれもHDDが必須になのだが、1万円以上もするBBユニットパックの出費がPS2層を遠ざける原因になっている面があり、新型PS2にてHDDが廃止された事も新規会員を伸び悩ませる原因となっている。
- 更にはユーザーのHDDへの出費に応えるためか、新作MOソフトが軒並み大容量になる傾向があり、『ダージュオブケルベロス』のネットワークモード等は本来無料で少人数に提供されるようなジャンルであるにも関わらず、巨大なフィールドを持つ大作MOとして開発された事がサービス寿命が短くなった原因(会員数の割りにサーバー維持費が高くつきすぎる)ともいえる。
- コンテンツ提供の停滞
- POLは『FFXI』以外のコンテンツが非常に貧しいという指摘をスタッフも認めており、読み物のコラムもすぐに廃れてしまう状況を繰り返している。2005年新春からは新作スクウェアエニックスゲームの情報配信等で新風を起こしたが、それも夏以降音沙汰無しになり、『FFXI』関連のコラムも含めて閉鎖されてしまった。新作の『MO』もサービス提供から1年も持たずに終了という状況で、古参の『テトラマスター』と『雀鳳桜』に至っては更新は年数回である。
- まともに更新され続けているコンテンツは『FFXI』と『FMO』のみというのが現状。