ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII
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ジャンル | ガンアクションRPG |
対応機種 | プレイステーション2 |
開発元 | スクウェア・エニックス |
発売元 | スクウェア・エニックス |
人数 | 1人 |
メディア | DVD-ROM1枚 |
発売日 | 2006年1月26日 |
対象年齢 | CERO12歳以上対象 |
売上本数 | 45万本 |
『ダージュ オブ ケルベロス -ファイナルファンタジーVII-』(DIRGE of CERBERUS -FINAL FANTASY VII-、略称:DCFF7)はスクウェア・エニックスより発売されたガンアクションRPG。日本では、2006年1月26日に発売された。
一枚のDVD-ROMで、オフラインゲームとオンラインゲームの2つのゲームがプレイできる。なお、本作はオフラインゲームをシングルプレイヤーモード、オンラインゲームをマルチプレイヤーモードと呼ぶ。マルチプレイヤーモードのサービスは2006年9月29日に終了した。
外伝的作品として携帯電話用アプリゲーム、『ダージュ オブ ケルベロス ロスト エピソード ファイナルファンタジーVII』が配信されている。
目次 |
[編集] 概要
『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』(以下、『FFVII AC』)、『Before Crisis ファイナルファンタジーVII)(以下、『BC FFVII』)、『クライシス コア ファイナルファンタジーVII』(以下、『CC FVII』)と同じ『ファイナルファンタジーVII』(以下、『FFVII』)の外伝的作品"COMPILATION of FINAL FANTASY VII"と総称されるものの一つ。
『FFVII』とは違い、ジャンルはファーストパーソン・シューティングゲームである。(ただし、限りなくサードパーソン・シューティングゲームに近い)
[編集] マルチプレイヤーモード
スクウェア・エニックスの「PlayOnline」を通して提供されていた。月額798円(税込み)。プレイに当たってはPlayStation BB Unitが必須であった。クライアントとサーバーの間だけではなく、ユーザーの間でP2P通信によりデータのやりとりをおこなっていたため、プレイ可能かどうかを確認するための検証ツールを、公式サイトで配布していた。
当初は最大24人までの同時プレイだったが、32人に増加した。
シングルプレイヤーモードとストーリーがリンクしており、シングルプレイヤーモードのキャラクターも多数登場する。
- マルチプレイヤーモードの歴史
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- 2005年9月22日、一般βテスターによるβテストを開始する。
- 2005年10月31日、一般βテスターによるβテストが終了する。
- 2006年1月26日、正式サービスを開始する。
- 2006年9月29日、正式サービスが終了する。
[編集] 主要スタッフ
- プロデューサー:北瀬佳範
- ディレクター:中里尚義
- シナリオ:千葉広樹
- キャラクターデザイン:野村哲也
- メインプログラマー:粕谷佳樹
- コンポーザー:浜渦正志
- アートディレクター:中谷幸夫
- アートスーパーバイザー:直良有祐
[編集] 主題歌
- メインテーマ「REDEMPTION」 歌、Gackt
- 挿入歌「LONGING」 歌、Gackt
[編集] Project G
『DC FFVII』と、Gacktとのコラボレーション企画。Gacktは主題歌を担当するだけではなく、CGを起用した実写映像で演技を行う。Gacktの演じるキャラクターの衣装は、キャラクターデザインを手がける野村哲也のデザインにより製作され、楽曲のプロモーションビデオや音楽番組、発表と同時期に行なわれたGacktのライブでも着用された。衣装は「片翼」をコンセプトに作られた物で、格子状の部分は一周して翼を巻きつけている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 作中用語
- ジェノバ戦役
- 『DC FFVII』の3年前、『FFVII』でのシナリオ後半に起きた大戦役。セフィロスという人物が発端となって起こったものであり、「星」(FFVIIシリーズの世界では、地球に相当するものを「星」と呼ぶ)が破壊され得る状況に陥ったが、『FFVII』のプレイヤーキャラクターたちが阻止した。この戦役を契機に、彼らは「ジェノバ戦役の英雄」と呼ばれている。
- カオス
- オメガ
[編集] 登場キャラクター
COMPILATION of FINAL FANTASY VIIを通しての登場人物の説明は、ファイナルファンタジーVIIの登場人物を参照。
[編集] プレイヤーキャラクター
- ヴィンセント・ヴァレンタイン(Vincent Valentine):鈴木省吾
- 元神羅製作所総務部調査課(通称、タークス)のガンマン。宝条によって肉体を改造されて神羅屋敷の地下で眠りについていた。3年前、クラウド達と行動を共にして「星」を救った英雄の1人となった。今だ過去の出来事を引きずっている。今回の物語で自分の過去とカオス、そしてルクレツィアの真実を知ることになる。
- ケット・シー(Cait Sith):石川英郎
- リーブが操るロボット。猫のぬいぐるみのような姿をしている。同じ機体が複数あり、関西弁に似た言葉を話す。短期間だが操作することができる。ただし銃を持つことはなく素手での格闘も非力なため、戦士としての能力は低い。
- マルチプレイヤーモードのプレイヤーキャラクター(デフォルト名なし)
- マルチプレイヤーモードでユーザーが操作するキャラクター。性別はユーザーが選ぶことができる。記憶を失っているため、「ディープグラウンド」の地に赴いた理由などを覚えていない。新たなDCソルジャーとなり、さまざまなミッションをこなす。
[編集] 世界再生機構
通称は"WRO"(英字、World Restoration Organizationの略、北米版表記は"World Regenesis Organization")。ジェノバ戦役の英雄であるリーブが、星を再生するために設立した組織。「星に害をなすものと戦う」という名目を掲げ軍隊化した。「星につぐないをしたい人」から出資を受けている。当初は年齢制限がなく、『DC FFVII』から1年後のデンゼルとの会話を機会に「子供は軍隊には入れない」事になった。
- リーブ・トゥエスティ(Reeve Tuesti):銀河万丈
- 元神羅カンパニー都市開発部門総括。WROの局長。無機質を操ることができる「インスパイヤ」という能力を持つ。3年前はケット・シーとして間接的にクラウド達と行動を共にした。
- シャルア・ルーイ(Shalua Rui):浅川悠
- WRO技術部の科学者。腕や内臓のほとんどが人工物になっている。妹を探し続けている。『BC FFVII』でタークスと遭遇している。
- ユフィ・キサラギ(Yuffie Kisaragi):かかずゆみ
- ウータイ出身の忍者娘。ジェノバ戦役の英雄。『DC FFVII』では、WROの諜報活動担当としてヴィンセントをサポートする。
- WRO隊員たち
- さまざまな隊員がヴィンセントをサポートし、ときに救出される。主な人物に、ペットの川チョコボを「ボコ」と名づけた女性隊員(彼女いわく伝統のある名前だという)や、かつてハイウィンド号のクルーだった男性隊員などがいる。
- WRO隊長(郷里大輔)とWRO副長(冬馬由美)はスタッフロールに声優がクレジットされている。ともに同じ部隊の隊長、副長を務めている。2人の属する部隊が、激戦を耐え抜き疲労していたとき、WRO隊長はヴィンセントの言葉を飲み、戦いの全てを彼に託した。WRO副長はミッドガル七番街スラムの出身であり、幼少の頃は兄とよく列車墓場で遊んでいたという。兄は反神羅組織に身を費やし、プレート落下により死亡した。なお、その兄は『FFVII』の反神羅組織「アバランチ」のメンバーであり、プレート落下により死亡したビックスかウェッジであると推測できる。もし、ウェッジであるならば、彼の「弟がいる」との発言を鑑みると、その発言の際に妹の存在をあえて外した真意が判らないため、妹がいるとは考え難い。兄がアバランチに所属していたのであれば、その兄はビックスの可能性が高いが、WRO副長は反神羅組織が「アバランチ」であるとは特定していない。
[編集] WRO協力者
- シド・ハイウィンド(Cid Highwind):山路和弘
- ジェノバ戦役の英雄。リーブの出資する飛空艇団の団長。その見返りとしてWROに協力している。『FFVII』では飛空艇の艇長としてクラウド達と行動を共にし、今作ではシエラ号の艇長としてヴィンセント達をサポートする。
- クラウド・ストライフ(Cloud Strife):櫻井孝宏
- ジェノバ戦役の英雄。『FFVII』、『FFVII AC』の主人公。エッジの街で運び屋、「ストライフ・デリバリーサービス」を運営している。
- ティファ・ロックハート(Tifa Lockhart):伊藤歩
- ジェノバ戦役の英雄。エッジの街でバー「セブンスヘブン」を経営する。
- バレット・ウォーレス(Barret Wallace):小林正寛
- ジェノバ戦役の英雄。石油採掘に精を出す元炭鉱夫。
[編集] ディープ グラウンド ソルジャー
通称はDGソルジャー、DGS(英字、Deepground SOLDIERの略)。ディープグラウンドで作られたという意味でDGとも通称される。ソルジャーの研究施設「ディープグラウンド(略称はDG)」の産物であり、ここではあらゆる倫理が無視された。エリート集団は「ツヴィエート(Tsviet)」(ロシア語で色(цвет)を意味する)と呼ばれている。
- アスール(Azul):玄田哲章
- 「ツヴィエート」の「蒼きアスール(Azul the Cerulean)」。凄まじい怪力を持つ。その怪力により戦車砲を軽々と持ち上げる。古風な言い回しが特徴。『BC FFVII』にも登場している。名前はスペイン語、ポルトガル語で青(azul)を意味する。
- シェルク・ルーイ(Shelke Rui):折笠富美子
- 「ツヴィエート」の「無色のシェルク(Shelke the Transparent)」。ネットワークに潜行する特殊能力「センシティブ・ネット・ダイブ(Sensitive Net Dive、略称SND、北米版の表記は"Synaptic Net Dive")」を持つ。実験の影響で見た目は幼く見えるが、19歳。放電する2本の槍を得物とする。シャルアの妹である。後にヴィンセント達の仲間となり、物語の中で重要な役割を果たす。名前はウルドゥー語でオレンジ色を意味する。
- ロッソ(Rosso):田中敦子
- 「ツヴィエート」の「朱のロッソ(Rosso the Crimson)」。残忍な性格で、実験の影響から情緒不安定なところがある。世界中の人間を皆殺しにするという夢を持つ。中心に銃口があり、左右に刃が伸びたブーメラン状の武器を扱う。名前はイタリア語で赤(rosso)を意味する。
- ネロ(Nero):置鮎龍太郎
- 「ツヴィエート」の「漆黒の闇ネロ(Nero the Sable)」。相手を「闇」に取り込んで殺す能力を持つ。紳士的な話し方をする。ヴァイスを兄さんと呼ぶが、シングルプレイヤーモードでは実兄かどうかは特に語られていない。マルチプレイヤーモードで母親が同じであること、その母親はネロが生み出した闇に飲み込まれたことがわかる。普段は両腕を服で体に縛り付けているが、相手が手強いと拘束を解き、肩から伸びた腕状の翼で二挺の拳銃を扱う。名前はイタリア語で黒(nero)を意味する。
- ヴァイス(Vice) 北米版表記は"Weiss" :中田譲治
- 「ツヴィエート」の「純白の帝王ヴァイス(Vice the Immaculate)」。ディープグラウンドの頂点に君臨している。刀を模したガンブレードに似た武器を2本携えている。名前はドイツ語で白(Weiß)を意味する。また英語のviceには悪や罪の意味がある。
- アルジェント(Argento):松田夏穂
- マルチプレイヤーモードに登場する「ツヴィエート」のひとり。銀色の服を纏い眼帯した女性のDGソルジャーである。「最強を秘めし最弱」の異名を持つ。武器は大剣。名前はイタリア語で銀色(Argento)を意味する。
- レストリクター(Restrictor):緑川光
- マルチプレイヤーモードに登場する「ロストフォース(Lost Force)」と呼ばれる、存在しないはずの部隊「ソルジャー第14部隊」の者たち。ヴァイスが統治する以前のDGを支配しているが、DGソルジャーではない。黒いマントを羽織り仮面を被っている。名前は英語で制御因子(Restrictor)を意味する。
- G(ジェネシス):Gackt(俳優として出演)
- 「英雄」のプロトタイプと噂される謎のソルジャー。DGに深く関っているとされている。とある条件を満たした場合のみ出現する。『CC FFVII』にもジェネシスとして登場する。
- 本作ではGの登場場面のみ実写とCGを組み合わせた映像になっている。発売日前後、その話題性に富んだ演出が注目され、演者の人気もあり当時のワイドショーを賑わした。
[編集] その他・キーパーソン
- ルクレツィア・クレシェント(Lucrecia Crescent):夏樹リオ
- 元神羅カンパニーの科学者。ヴィンセントの想い人だったが、ジェノバ細胞の影響や心労が重なり、オメガの泉の水晶の中で永遠の眠りにつく。オメガとカオスの研究をしており、ヴィンセントの体内にカオスを宿す。
- 宝条(Hojo):野沢那智
- 元神羅カンパニー科学部門総括。ヴィンセントの肉体を改造した張本人。セフィロスの父。ジェノバ戦役で死亡した思われていたが、死亡する直前にネットワークに自身の頭脳をばら撒いており、3年を経てヴァイスを宿主にして復活する。オメガをその身に宿し、星の海へと飛び出そうと考え、そのためにネロらを利用した。
- グリモア・ヴァレンタイン(Grimoire Valentine):中田譲治
- ヴィンセント・ヴァレンタインの父親であり研究者。ヴィンセントがルクレツィアらと出会う前に故人となっている。彼の残した研究とネロの能力には関係がある。ルクレツィアはジェノバ・プロジェクトに関わる前は、彼とともにオメガとカオスの研究をしていた。
[編集] ストーリー
[編集] シングルプレイヤーモード
『FFVII』より3年、『FFVII AC』より1年後の世界が舞台。『FFVII』の脇役であるヴィンセントを主役にし、DG(ディープグラウンドソルジャー)と呼ばれる謎の集団と戦う。
[編集] マルチプレイヤーモード
プレジデント神羅によりミッドガル地下に建設された施設で、「ディープグラウンドソルジャー」の一員となり、No.1ソルジャーを目指す。
[編集] その他
公式サイトや各種ゲーム情報誌において、スタッフが「クラウド等のFF7キャラの活躍が見所の一つである」といった内容の発言をしていたにもかかわらず、実際には一部を除いてFF7キャラの活躍がほとんどなかったために、ファンから厳しく批判される原因になっている。特に一部のキャラは登場時間が数秒しかない。
また、単なるスピンオフではない壮大な作品であるとアナウンスされていたにもかかわらず、実際には非常にストーリーが短く、操作性の悪さや高価な価格設定も相まって、各種のレビューサイトでは厳しい評価を受けることが多い作品である。
[編集] 外部リンク
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メインタイトル | FF - FFII - FFIII - FFIV - FFV - FFVI - FFVII(人物) - FFVIII - FFIX - FFX/FFX-2 - FFXI - FFXII - FFXIII/FFvsXIII |
コンピレーションFFVII | FFVII AC - BC FFVII - CC FFVII - DC FFVII/DCLE FFVII - LO FFVII |
FABULA NOVA CRYSTALLIS | FFXIII - FFvsXIII - FFagXIII - FFhaXIII |
イヴァリースアライアンス | FFT(獅子戦争) - FFTA - FFTA2 / FFXII - FFXIIRW |
クリスタルクロニクル | FFCC - FFCC RoF - FFCC CB |
外伝・外伝的タイトル | FF外伝聖剣伝説 - FFUSA - テトラマスター |
チョコボシリーズ | 不思議なダンジョン - 不思議なダンジョン2 - レーシング - スタリオン - コレクション・ダイス(ランド) - はたらく - どこでも - モバイル - 魔法の絵本 |
映像作品 | OVA - 映画 - FF:U - FFVII AC |
キングダムハーツシリーズ | キングダムハーツ - キングダムハーツチェインオブメモリーズ - キングダムハーツII |
登場人物 | シド - ギルガメッシュ - エクスデス - ビッグス&ウェッジ - クラウド - ヴィンセント - セフィロス |
関連項目 | 魔法形態 - アビリティ - ジョブ - 召喚獣 |