おかっぱ
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おかっぱ (御河童) は、女性、特に少女の髪形の種類のひとつ。前髪を額に垂らし切り下げ、後髪を襟足辺りで真っ直ぐに切りそろえた髪型のこと。呼称は他におかっぱあたま、かっぱなど。
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[編集] 概要
おかっぱは、日本では少女の髪型としてが主流だが、欧米では大人の女性や少年の髪型としても人気がある (英語ではボブまたはボブカットという)。
ボブカットは、大人の女性がこの髪型にすると少年のような雰囲気が出るため、従来はモード系の髪型ととらえられてきた。しかし1970年代後半から1980年代にかけてアメリカの大人の男性の間でもボブが流行、また80年代の終り頃から米国版ヴォーグ誌編集長のアナ・ウィンターがボブを「看板」にすると、一般的な髪型の一つとして定着した。特に1992年のアメリカ大統領選挙運動中、ビル・クリントン候補の妻ヒラリー・クリントンがこのボブをアレンジした「ソフトボブ」でマスコミに登場するようになると、20代から40代の女性を中心に爆発的なボブブームが起り、現在ではこれが50代以上の女性にも波及している。
[編集] 歴史
名前の由来は、文字通り河童に似ているということから。日本では、古くは頭頂を剃り上げて周りの長髪を残し垂れ流し、河童のようにした男性の髪型を断髪または御河童頭と呼んでいた。江戸時代になると、こうした断髪頭は刑罰を負った者や世俗を離れ出家した者の髪型となり、「おかっぱあたま」といえば少女の髪型をさすようになった (少年の場合は「稚児頭 (ちごあたま)」と言った)。
大人の女性のショートヘアが一般に広まったのは、西欧でも第一次世界大戦以後のことである。日本でも洋装の普及に伴い、昭和初期にモガ (モダンガール) のヘアスタイルとして、東京その他の大都市を中心におかっぱが流行した。
[編集] バリエーション
- おかっぱは、一般的に前髪や両側を切り揃えても、髪が襟首より長くなるとおかっぱとしては扱われなくなる場合が多い。また、後髪が襟首辺りで切られている場合でも、均等に切り揃えられていなければ、おかっぱとは見なされない場合もある。
- なお、サイドの前髪部分の髪を両頬に当たる位に伸ばして切り揃えただけで、後ろ髪は長い場合の髪型は、一般に「姫カット」、または「プリンセスカット」と呼ばれる。
- ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』の主人公アリスのモデルとして知られているアリス・プレザンス・リデルの幼少時の髪型もボブだった。
- 萌え属性として扱われる場合のおかっぱは、特に少女性や幼さを強調するものとして捉えられることがある。
- また、少ないが日本では男性がこの髪型をすると違和感や不思議キャラ的な印象があるため、お笑い芸人などのユーモラスな職業の男性にも見受けられる。漫画などでも美形の男性キャラクターがこの髪型をすると、かなりの違和感が出る。『ヒカルの碁』の塔矢アキラなど。